クリエイターの珠玉の映像表現や想いを、ご自宅へ。 新しいコンセプトのオンラインギャラリー 「Creative Gallery on BRAVIA」 第6弾 写真家 石田 真澄 氏
Android TV機能搭載テレビ ブラビア(BRAVIA)で、プロ写真家・映像クリエイターの作品をインターネットで視聴いただけるオンラインギャラリー「Creative Gallery on BRAVIA」は、一般的な写真展と異なり、ご自宅で、ブラビアならではの大画面・高精細な表現力で時間を気にせずお楽しみいただけます。さらに、音声(BGM)を交えた写真や映像作品など、多種多様な表現が可能。作家の趣向をこらした表現や、想いも含めて、ご自宅のリビングに感動をお届けします。※ネットワークに接続されたAndroid TV 機能搭載のブラビアをお持ちの方であれば閲覧無料。 第6弾は雑誌や広告で活躍する写真家の石田真澄氏。ふだんはフィルムカメラで制作を行う石田氏がデジタルカメラで撮り下ろした映像と写真作品を発表する初めての機会となります。本展のための撮り下ろし作品『morning glaze』の制作過程やこだわった点、今年から始めたデジタルカメラでの撮影についてなどを伺いました。
石田真澄/写真家 1998年生まれ。 2017年5月自身初の個展「GINGER ALE」を開催。2018年2月、初作品集「light years -光年-」をTISSUE PAPERSより刊行。2019年8月、2冊目の作品集「everything will flow」、2021年3冊目の作品集「echo」を同社より刊行。 2022年には、夏帆写真集『おとととい』、八木莉可子写真集『Pitter-Patter』を撮影。 雑誌や広告などで活動。
早朝、誰もいない水辺で写した
朝靄が剥がれ落ちていく瞬間
――今回、石田さんには映像と写真を撮り下ろしていただきました。相互に反響しあっているような作品となりましたね。 石田:そうなんです。映像を撮っているうちに写真も撮りたくなって。撮っていくうちに映像と写真がリンクするのがいいなと思い、このような形での発表になりました。1つのカメラで、アウトプットの形が違う2つの作品を同時に撮った感じですね。
――水辺の風景を撮られていますが、被写体はどのように決めたのでしょうか。 石田:普段は作品も仕事もほぼフィルムカメラですが、今回デジタルカメラで撮るからといって、いつもと違うことはしたくなかったんです。日々写真を撮っている延長線上でやりたいと思い、よく散歩する好きな水辺を写すことにしました。近所の他にも、東京の竹芝や京都の鴨川、水の上を走るモノレールにも始発で乗って撮影しています。 私、暑いのが本当にダメで、夏が苦手なんですよ。集中できないんです。ふだんなら徒歩で行く場所もバスに乗ったりして、いつもより歩く時間が減ってしまう季節ですよね。だから光が強くなる前の、朝5時から7時くらいまでに撮影しようと。この時間帯だと散歩を目的に来た人くらいで、通勤の方もほとんどいません。早起きは大丈夫な方なのですが、早起きしても早く寝るわけではないので、寝不足にはなりました(笑)。
――『morning glaze』というタイトルが印象的でした。「グレイズ」という言葉からは、ドーナツにかかったお砂糖のようなイメージが思い浮かびます。 石田:まさにそうです。撮影しているとき、一番印象に残ったのは靄(もや)でした。まとわりつく白い膜のような朝靄が、剥がれ落ちてだんだんなくなっていく様子を見ることができたんです。摺りガラスやお砂糖がかかったドーナツを思い浮かべて、そこから「グレイズ」という言葉にたどり着きました。
ピントが移り変わる様子で
目の迷いを映し出す
――映像の音の入れ方に特徴がありましたね。冒頭は音があり、途中で急になくなる。そして最後にまた音が聞こえてきます。もしかしたら石田さんが作品を撮っているときって、こんな感じなのかなと思いながら拝見しました。 石田:そうですね。集中しているとだんだん音が聞こえなくなるんです。勉強や読書しているときと同じ感覚です。それに、どこを見ているかに注目してもらいたかったので、夏らしい音は最初と最後だけにして、映像の邪魔にならないようにしました。
――画角は定位置でピントだけが変わり、石田さんの視線の変化が分かるように誘導しているのが面白いです。 石田:写真は撮りたいものにピントを合わせることが多いですよね。例えば手を撮るときも、指先なのか手の甲か、あるいは爪なのか、ピントは何を伝えたいのかを知ってもらう手がかりになります。一方で映像の場合は、何を見せようか迷っているピントの前後も見せることができる。そこもちゃんと残したいと思いました。それに風景を見ているとき、見ようとしているもの以外の焦点がぼやけることってありませんか? 自分が景色を見ているときと同じ感じを映したかったんです。
――映像と写真を交互に撮られたかと思いますが、その表現の違いについてどのように感じられましたか? 石田:写真は1枚で画面には写っていない前後を想像させるもの。動画はその想像を可視化したもののように思いました。まさに「動く写真」だなと思いながら撮っていましたね。今回は映像と写真で被写体を分けずに、同じ場所、同じタイミング、同じカメラでアングルをあまり動かさずに撮影したので余計にそう感じたのかもしれません。
――作品を最終的に仕上げる際に、意識したことはありますか? 石田:実は現場にフィルムカメラも持って行ってたんです。実際には撮りませんでしたが、撮ったらこうなるだろうという想像はしていました。その想像に近づけるように、少し露出を上げたり、色温度を下げたり、ホワイトバランスを調整したりしましたね。また靄の雰囲気を出したかったので、白っぽさを残しました。でも、フィルムで撮る際にも、基本的には元のフィルムの色をあまり変えないようにしているんです。大幅に変えることには抵抗があったので、見ていた絵に近づけるための調整だけしました。
自由で安定感がある
撮るのが楽しいカメラ
――デジタルカメラでの作品発表という形では今回が初めてとのことですが、今年2月にポカリスエットのCMのメイキングで初めて映像撮影のお仕事をされたと伺いました。そのときに使われたのがα7でした。今回、「α7 IV」で撮りおろしていただきましたが、使ってみていかがでしたでしょうか? 石田:2月に撮影したときは新しい機材を使うのが久しぶりだったので、まずはそれが楽しかったです。でも初めての映像撮影のお仕事だったので、難しいことや分からないこともあり、苦労することも多かったですね。今回、使い方は仕事の際に習得していましたし、好きなものを好きなように撮れる機会だったので、よりフラットな状態で「写真撮るのって楽しいんだな」って思いながら、撮ることができました。
――純粋に写真の楽しみを感じられるのはいいですね。 石田:そうですね。スナップ感覚でいいなと思ったシーンをただひたすらたくさん撮りました。自由に好きなように撮っても安定感があって、撮りやすいカメラだと思います。
――今回の作品はブラビアのオンラインギャラリー「Creative Gallery on BRAVIA」で観ていただくのですが、モニターで作品を発表することについてどう思われますか? 石田:例えば、作品の色見本をつくるときには、専用のライトやモニターの下で、ある意味正しい状態で見ますよね。映像も、カラーコレクションをする際には正しいとされているモニターで見てチェックします。でも結局、世の中に出てしまえば、雑誌や画面など、それぞれどんな光で観られているかわかりません。最高の状態で色は作るけれど、その先はもうわからないからこそ、ブラビアという高精細なモニターで皆さんに観てもらえるのは安心です。
――オンラインギャラリー「Creative Gallery on BRAVIA」で観せることは、作品に影響しましたか? 石田:家庭の中にあるテレビに映し出される映像や写真なので、刺激が強い作品よりも、日常に馴染む絵にしたいということは考えました。家に飾っているようなものにできればと。情報量が多すぎず、自然に流れていくものがいいなと思ったんです。美術館で観たい作品と、家で観たい作品は違うと思うので、部屋に飾るものとしてどんな作品がいいかという視点で考えました。私も早くブラビアで観てみたいです。
――石田さんが普段撮影している広告や作品とはまた違った形で、作品を楽しんでいただけるといいですね。 石田:はい。それは本当にそうですね。テレビをつけたらふと作品が目に入る、という出会い方はなかなか無いですよね。生活の中の流れで見ていただけることはすごく嬉しいですね。
「Creative Gallery on BRAVIA」では、この記事で紹介された作品をはじめ本作品展をソニーのAndroid TV ブラビアでご覧いただけます。閲覧無料、クリエイターの趣向をこらした表現や、想いも含めて、ご体感ください。
ご自宅のブラビアおよび、東京・札幌・名古屋・大阪・福岡の全国5カ所にあるソニーストア店内のブラビアでも作品をご覧いただけます。
【オンラインギャラリー概要】
■タイトル:石田真澄「morning glaze」
■期間:2023年9月21日(木)15時 〜 2023年11月2日(木)15時
■閲覧料:無料
■閲覧方法 :Android TV™ 機能搭載のテレビ ブラビアをネットワークに接続し、リモコンの「ホーム」ボタンからお入りください。
閲覧手順
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