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クリエイターの珠玉の映像表現や想いを、ご自宅へ。 新しいコンセプトのオンラインギャラリー 「Creative Gallery on BRAVIA」 第7弾 CM監督、写真家 Miss Bean 氏

α Universe editorial team

Android TV機能搭載テレビ ブラビア(BRAVIA)で、プロ写真家・映像クリエイターの作品をインターネットで視聴いただけるオンラインギャラリー「Creative Gallery on BRAVIA」は、一般的な写真展と異なり、ご自宅で、ブラビアならではの大画面・高精細な表現力で時間を気にせずお楽しみいただけます。さらに、音声(BGM)を交えた写真や映像作品など、多種多様な表現が可能。作家の趣向をこらした表現や、想いも含めて、ご自宅のリビングに感動をお届けします。※ネットワークに接続されたAndroid TV 機能搭載のブラビアをお持ちの方であれば閲覧無料。 第7弾は日本と香港を拠点としながら、広告や雑誌、ミュージックビデオなど、写真家、映像作家として幅広く活動するMiss Bean氏。今回は韓国の済州(チェジュ)島と香港を旅しながら「α7CR」で撮り下ろした新作「Wolf Girl」と、仕事やプライベートで撮影した過去の作品がご覧いただけます。本インタビューでは、日本で活動することになったきっかけやこれまでの作品について伺いました。

Miss Bean / CM監督、写真家 東京と香港を拠点に活動しているCM監督と写真家。 香港理工大学設計学院を卒業し、Miss Beanという名前で活動を開始。広告写真をはじめ、グラフィック、コマーシャルフィルム、ミュージックビデオ、個人の作品集制作など幅広く手がけている。主な展示に個展「花型人間」(2020年、Parallel Space)、「In-Between」(2022年、香港藝術館)、日本での初めてのグループ展「私が撮りたかった女優展 #04」(2022年、OMOTESANDO MUSEUM. )に参加。2021年春より一年間、LUMINEの広告キャンペーンの撮影を担当。 2017年香港青年設計才俊賞を受賞し、来日。瀧本幹也写真事務所での海外研修を経て、2020年より瀧本幹也写真事務所に所属(日本国内マネジメント)。

Interview Photo by Mizuki Matsuda

大きな衝撃を受けた東京
美意識や芸術を吸収していきたい

――Miss Beanさんは2020年から瀧本幹也写真事務所に所属して、現在は香港と日本を行き来しながら活動されていますが、日本に来ることになったきっかけは何だったのでしょうか。 Miss Bean:2017年に「The DFA Hong Kong Young Design Talent Award」(香港青年設計才俊賞)を受賞した際に賞金として研修費用を頂き、どこへ行こうか調べていたときに瀧本幹也さんのことを知りました。瀧本さんは私がやりたいと思っていることを全てやっていらっしゃる写真家だと思い、自分でアポイントを取って研修させてくださいとお願いしたんです。 1年間の研修のあとは香港に帰る予定だったのですが、東京で受けたインスピレーションが大きく衝撃的なものだったので、自分のスタイルや気持ちにも変化があり、自然と東京で活動したいと思うようになりました。東京の人たちの美意識や芸術を吸収したいと思ったのです。また香港と日本の地理的な関係もあると思うのですが、小さい頃からたくさん日本のカルチャーに触れてきたことも、自分が日本に行くべきと思った理由のひとつです。

――自ら探したご縁で、日本と繋がったのですね。現在は写真家、CM監督としてさまざまな活動をされていらっしゃいますが、2022年に「私が撮りたかった女優展 Vol. 4」で女優の三吉彩花さんを撮影した作品『a room of one's own』について教えてもらえますか。 Miss Bean:バージニア・ウルフの『自分だけの部屋』というエッセイが元になっている作品です。「女性1人1人はみんな、気持ちを置いておくことができる、自分だけの部屋があるべきだ」、という内容のお話が書かれている本ですが、三吉さんのような女優が華麗なドレスを脱いで自分の部屋に戻った時に、どうやって自分の気持ちに向き合うのか、というストーリーを考えて撮影しました。

『a room of one's own』より
三吉彩花 / 私が撮りたかった女優展 Vol.4
『a room of one's own』より
三吉彩花 / 私が撮りたかった女優展 Vol.4

30人の女性と30種類の花を
組み合わせて作った作品

――女性の内面に寄り添って作られた、興味深いテーマの作品ですね。お仕事も忙しい中、作品制作はどのようなタイミングで行っているのでしょうか。 Miss Bean:タイミングは意識的に作らないと難しいです。例えば、2020年には香港で「花型人間」という作品を制作して展覧会を行いました。一緒に仕事をしたいスタイリストやフラワーアーティストと組んで、30人の女性と30種類のお花を組み合わせて撮影した作品です。 この作品はロラン・バルトの『喪の日記』という本が元となっています。日記の中にはバルトの亡くなった母親のベッドサイドに置いてある花を、どうにか美しいまま保って枯らしたくないと願うバルトの言葉が記されていました。花を母に例えて死を悼んでいるのです。 そこから連想して、花が惑星だとしたらその惑星に住んでいる人はどんな形をしているのだろう、とイメージして撮影したのが本作です。花と人との組み合わせは、花の特徴から思い浮かべたり、モデルの女性に会った際に「この花だ」と感じて決めたりもしました。

「花型人間」(carnation)
「花型人間」(Lotus)

――雑誌『装苑』では「共感」をテーマに、コピーライターの尾形真理子さんが紡いだ言葉を受けて撮影されていましたね。 Miss Bean:尾形さんと文章のやり取りをしながら私がビジュアルのスケッチを描いて、イメージを共有しながら撮影しました。お互いに影響し合って、化学反応のように作品をつくり出すことが好きですね。

「真顔の共感」(004)/ 装苑2023年11月号(文化出版局)
「真顔の共感」(001)/ 装苑2023年11月号(文化出版局)

詩のような世界観を
ビジュアルで伝えたい

――これまで伺ったお話のように、文章や言葉をきっかけに制作することは多いのでしょうか。 Miss Bean:文章からイメージして作品を作ることは多いです。私は文学の世界の人間ではないので文章のプロではありませんが、私が作るビジュアルは詩のような世界観を伝えられたらいいなと思っています。

――「blue curtain」、「Chaos」などもポエムを読んだときの余韻が感じられるような、幻想的なイメージの作品ですね。 Miss Bean:「blue curtain」は絵画のような写真を撮ろうと実験的に写した作品で、「Chaos」は自分の頭の中がカオスになってしまったときに(笑)、ダンサーと一緒に身体を使ってどのようにカオスの状態を表現できるか試しながら写しました。

「blue curtain」
『Chaos』より
『Chaos』より

――どの作品もMiss Beanさんの一貫したオリジナリティが感じられるものばかりですが、その源はどこから来ていると思われますか。 Miss Bean:私は今でも成長、変化している途中だと思うのですが、一つの大きな転換点としては、数年前、日本に来た頃の体験だと思います。すごく小さな部屋に住んでいて、そこでたくさん観察して、吸収していました。生まれた場所と距離を取り、東京に来て自分の気持ちと大胆に向き合ったことで、アウトプットもより大胆にできるようになったと思います。

――女性を被写体に撮影されることが多いということですが、その理由は何ですか。 Miss Bean:私自身も女性であることから、女性の微細な感情を理解しやすいと思っているからです。「女性だからこそ撮れるものがある」と考えています。ただ別の角度から見れば、それは私の想像による共感と理解に過ぎません。もっと多様な視点を持って、女性の力や美しさにアプローチしたいと思っています。

――香港という世界に繋がる都市のルーツを持ちながら、日本的な美意識や女性の視点もデリケートに取り入れて丁寧に作品を作っているところがMiss Beanさんの魅力だと感じました。今回の作品はブラビアのオンラインギャラリー「Creative Gallery on BRAVIA」で発表されますが、TVモニターで作品を観ていただくことについてどう思われますか? Miss Bean:新鮮な気持ちですね。アート作品がスクリーンセーバーになっているTVモニターもありますし、トレンドとしてこれからもっとこういった機会が多くなるのではと思いました。また展覧会などで作品を発表する場合は、プリントの色が合わないと印刷所と遠隔でやり取りをしながら調整するのが大変なこともありますが、その点で今回は安心です。皆さんには自宅でリラックスしながら、心を柔らかくして見てもらえたら嬉しいです。

「Creative Gallery on BRAVIA」では、この記事で紹介された作品をはじめ本作品展をソニーのAndroid TV ブラビアでご覧いただけます。閲覧無料、クリエイターの趣向をこらした表現や、想いも含めて、ご体感ください。

ご自宅のブラビアおよび、東京・札幌・名古屋・大阪・福岡の全国5カ所にあるソニーストア店内のブラビアでも作品をご覧いただけます。

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