Harukiはるき氏
撮影の自由度を高めたα7S III
その軽快さと表現力で
「眠っていた感性が覚醒する」
Haruki × α7S III × CINEMATIC MOVIE
海外留学のためアメリカ・NYに在住し、学生生活を送りながら動画投稿サイトで海外のライフスタイルやプライベートな出来事まで、自身について発信しつづけているクリエイターのHarukiはるき氏。チャンネル登録者数は約37万人と大人気で、留学生をはじめ、留学を目指している若者たちから絶大な支持を得ている。α7 IIIやVLOGCAM ZV-1など、普段からソニーのカメラを愛用しているHarukiはるき氏が、今回はα7S IIIを使って作品を撮影。作品づくりに対する思いやカメラの印象を語ってもらった。
CINEMATIC MOVIE「ケイラの人生を変えたメディテーション」
PROFILE
Harukiはるき/クリエイター
アメリカ・NYでの生活を、愉快な友達、可愛い彼女とVlogで配信中。国際恋愛、日常Vlog、ヘアーカット動画など、100万回以上再生される大人気YouTuber! 「ポイント8ファンド」という名称で日本人学生向けの奨学金も作り、若者に海外留学の機会を増やす活動もしている。
Instagram:https://www.instagram.com/hr.8ruki/
Twitter:https://twitter.com/8rukiii
海外生活や留学の魅力を届けるために
エンターテインメントを意識した映像作品を制作
――まずは、映像制作を始めたきっかけを教えてください。
僕は海外クリエイターたちの作品を多く見てきましたが、彼らの作品を見ると「独自の世界観やライフスタイルを知ることができて楽しいな」と思っていました。ですから僕もアメリカ留学をした時に、海外生活の魅力や留学の良さを届けたい、環境の違いを知ってもらいたい、と思ったのが動画を撮り始めたきっかけです。 映像作品は、よく「ビジュアルストーリーテリング(視覚的に物語を伝える手法)」と言われますよね。例えば僕が「今日はこういうことがありました」と言葉のみで話すだけでは、僕が思ったことしかオーディエンスには伝わりません。でも、動画ならいろいろな要素が入り込むので「こういうところが自分とは違うんだ」と、視聴者の気づきに繋がることも多いと思って。それが視聴者にとっては「学び」になるので、そういう部分まで逃さず伝えられるのは動画が一番だと思ったわけです。
作品 01:00より
――Harukiはるきさんはどのような映像表現を意識して作品づくりをしていますか?
視聴者に楽しんでもらえるよう、エンターテインメント性の高い作品をつくるように心掛けています。そのため「シネマティック」な映像を入れ込むこともよくあります。シネマティックと言われる独特な色味や世界観は、一部の人にとってはエンターテインメントですからね。「見ていて心地良い」「この世界観が好き」「こんなところに行ってみたい」と思ってもらえるような「シネマティック」の要素もエンターテインメント性には欠かせない部分だと思っています。
室内での撮影も多いVlogで求められるのは
ローライトでも美しい映像が撮れるカメラ
――撮影機材を選ぶ際のポイントがあれば教えてください。
やはり「撮りたい」と思った時に撮れる機材を選びますね。Vlogの場合は自宅や友人の家で撮ることも多いので、光が足りないシーンがたくさんあります。すぐに撮りたいのに、ライティングをすると時間のロスになりますからね。そう考えると「暗いところでもすぐ撮れるカメラ」というのが選ぶ際の一番のポイントになります。僕は動画撮影でα7 IIIも使っていますが、αを選んだのはローライトでもきれいな映像が撮れるからです。 あとは色味ですね。今回撮影した作品ではα7S IIIを使いましたが、自然な色味で見たままのカラーサイエンスになっている印象です。僕は撮影後に色調整をするのが好きなので、できるだけ自然な色を出してくれるカメラのほうがありがたい。しかも、シーンによってはピクチャープロファイルを設定せずに撮った映像でもそのまま使えるクオリティですからね。今回の作品でも、下のシーンは多少カラコレをした程度で、ほぼ撮って出しのスタイルで仕上げています。
作品 01:12より
画面上に黒が多く、色が複雑に入り込んでいないシーンではαの色味をそのまま生かしました。こうして見ると非常に透明感がありますし、4:2:2 10bitになって色情報が増えていることを実感します。少しカラコレしただけで、これだけシネマティックな世界観に仕上がるのですからαの表現力は見事なものです。色の情報が多いので、カラーグレーディングする際も「いい色」のままで耐えてくれる。結果、思い通りの映像に仕上げられるのもうれしいことです。
――先ほど色味の話もありましたが、実際にα7S IIIを手にして、使ってみて、その他に感じたことはありますか?
グリップが大きくなり、とても持ちやすくなりましたね。ボタンも押しやすくなって、持った瞬間により扱いやすくなっていることがわかりました。AFも頼りになるほど素早く的確ですし、手ブレ補正が利くので手持ちで動きながらの撮影もできる。まるでシネマカメラにAFとスタビライザーがついたような感覚で、とても軽快に撮ることができました。
表現の自由度を一気に広げた
卓越した高感度性能とバリアングルモニター
――今回、α7S IIIで撮影した映像作品のテーマやコンセプトはありますか?
今は世界的に大変なことが起こっていて、いろいろなことが変わりつつありますよね。そこで着目したのが「メディテーション」、つまり「瞑想」です。こういう時代だからこそ、苦難を乗り越える方法の一つとして「メディテーション」があることを知ってもらいたいと思い、このテーマに決めました。僕のガールフレンドであるケイラも、メディテーションと出会って変わることができた一人です。そのため、今回の映像作品にも出演してもらいました。 この作品を見た人が、ケイラと一緒にメディテーションできればいいな、という思いもあり、展開が早い映像ではなく、ゆっくりとした一定のテンポで進んでいく作品に仕上げています。すでにメディテーションをやっている人は何度も見て「ケイラもやっているから私もやろう」と思い出してもらえるようなリマインド動画になればいいな、と思っています。
――制作にはどのくらい時間がかかりましたか?
学校もあり、なかなか時間が取れなくて撮影は1日で終わらせなければなりませんでした。そのため近場でメディテーションにふさわしいロケ地をリサーチ。僕が住んでいる場所から車で2時間程度のところにいい場所を見つけたので、そこで撮影することにしました。ですから撮影は1日、編集は3日間くらいで終わらせた感じですね。
――ここからは作品を見ながらお話しを聞かせてください。とても1日で撮ったとは思えない素敵な映像ですね。
強行スケジュールだったので、撮影はすべてのシーンをα7S III1台で、しかも手持ちで行いました。照明やスタビライザーなど、余計なものを持っていくと移動にも撮影にも時間がかってしまいますからね。今回の撮影場所は森の中など暗い場所が多かったのですが、α7S IIIはローライトに強く、ダイナミックレンジも広いので、明暗差のあるシーンでも美しい映像を撮ることができました。
作品 00:33より
この作品ではほとんどのシーンをISO16000で撮っていますが、高感度性能も衝撃でした。 S-Log3、S-Gamut3.cineに設定してISOを上げると最初はノイズが増えてきますが、ISO12800になった瞬間にノイズが消える印象を受けました。ISO8000ではノイズが出ているのに、12800になるときれいに消えてしまって。これには自分の目を疑うほどびっくりしました。 α7S IIIからバリアングルモニターが採用されたことも、僕にとっては朗報でした。例えば下のシーン。
作品 02:30より
かなりローアングルで足元を撮りましたが、こういった時もバリアングルモニターを回転させれば楽な姿勢で撮ることができます。やはり横回転するとモニターを見ながら撮れる範囲が格段に広がりますからね。アングルがより自由になって、表現の幅も広がったように思います。 上のように動きのあるシーンでも、暗い場所でも、しっかりとAFが効いてくれるのもいいところ。限られた時間の中で撮らなければならなかったので、高速・高精度の優れたAF性能でミスが少なかったことにも助けられました。モニターやAFをフル稼働してもスタミナ十分で、丸1日の撮影で使ったバッテリーは1本半。予備を1本持っていけば安心なくらい、バッテリー性能も申し分なしです。
――撮影に持って行ったレンズラインアップを教えてください。
現場には「FE 16-35mm F2.8 GM」、「FE 50mm F1.8」、「FE 70-200mm F4 G OSS」と3本のレンズを持っていきました。広角域、標準域、望遠域と焦点域の違う3本を持っていくことで寄り引きのバリエーションを撮影。ワイドだけでは飽きてしまうし、クローズアップばかりでは疲れてしまうので、見る人のことを考えながら撮影や編集をするようにしています。 なかでも好きなレンズは「FE 16-35mm F2.8 GM」です。今回の撮影でもあらゆるシーンで使いましたが、下のシーンは特にこのレンズの良さが生きていますね。岩壁のディテールや光のグラデーションも繊細に写し出していて、その描写力は「G Master」ならでは。αはレンズラインアップが豊富なので、自分の表現や撮影スタイルに合った最適なレンズを選べるところも魅力ですね。
作品 00:23より
手軽にシネマティックな映像を撮れるのが最大の強み
撮影も編集もスピーディに進められる
――Harukiはるきさんの映像制作において、α7S IIIはどのような可能性をもたらしてくれると考えていますか?
映像は、今後次世代ネットワーク5Gに突入してまだまだ需要が伸びる世界ですから、もっと多くの人がエントリーしてくると思っています。エントリーポイントは人によって違うものですが、α7S IIIの場合はすでにカメラを使っている人がステップアップして、S-Log撮影などで色を自在にコントロールできるようになりたい、といったシネマティックな映像表現を目指す人にとってのエントリーポイントなのかな、と思っています。 α7S IIIの表現力はシネマカメラに匹敵しますが、シネマカメラは高価ですし、フォーカスを合わせるだけでも人の手を借りなければなりません。でもα7S IIIならワンオペで使うことができ、撮りたいと思った時に撮ることができる。サポートしてもらう人とスケジュールを合わせる必要もないので、自分の好きな時に撮影に出かけることができる。そこは他のカメラにはない最大の利点だと思います。 信頼度の高いAFや機動力によって表現の可能性が広がり、感性の赴くままに映像表現ができるのがα7S IIIの強みです。ひと言でまとめると「めちゃめちゃ手軽に、どこでもシネマティックな映像を撮れるカメラ」だと思います。タッチパネルでピント合わせができるし、カメラ設定もスワイプ操作で変えられますから、スマートフォンに慣れているユーザーもエントリーしやすいはずです。
――今回の撮影でも、ワンオペでできたことがスピード感に繋がったわけですね。
それは間違いなくあると思います。「このロケーションでパパっと撮ろう」ということができますからね。フォーカスはすべてカメラに任せて撮影に集中できましたし、AFのおかげでミステイクが少なく、編集がスムーズにできたこともスピード感に繋がったと思います。
自分にしかできないことを追求しながら
僕の見ている世界を多くの人に伝えていきたい
――映像制作中にテンションが上がる瞬間はどんな時ですか?
普通に生活していて「あ、これストーリーにできるな、動画が1本撮れるな」と思った時はテンションが上がりますね。他愛のないことでも「シェアしたい」と思ったネタが浮かんだ時はワクワクします。 グッとくるのは、やはり自分が撮りたい映像を撮れた時ですね。撮影する時は頭の中に仕上がりの映像をイメージしますが、イメージ通りのもの、さらにそれを上回るものが撮れた時はうれしいものです。そこまできれいな場所ではないのに、αを使って撮ると自分が目にしているリアルな世界よりきれいに映ることがありますよね。実際、今回使ったα7S IIIでもそう思うシーンがありました。そういう時は、「このカメラ、すごいな」と思いますね。
――最後に、映像を通してHarukiはるきさんが伝えていきたいことを教えてください。
「僕が見ている世界をシェアしたい」と思って映像を始めたので、その部分は根本的に変わらないと思います。その上で今は、映像表現やストーリーテリングなど「僕だけができること」を模索している最中です。だから、プロダクションもして、物語もつくって、という感じですべてを一人でできるようにしたいと考えています。もちろん、映像の美しさも追求しながら、自分らしい表現を突き詰めていきたいですね。 自分の世界観をつくるためにも、映像の美しさは不可欠です。そして、僕の世界観が好きな人に、美しい映像や楽しい映像をお届けしたいと思っています。α7S IIIは自分が思い描いた世界観をしっかりとつくり出してくれるカメラなので、多くの人の自己表現に力を貸してくれると思いますよ。