最先端の現場+α Vol.2
「新しい表現づくりに
挑戦できるカメラ
α7S Ⅱ」
奥藤祥弘:MVからライブまでマルチカメラ収録
の醍醐味を語る
奥藤祥弘:MVからライブまでマルチカメラ収録
の醍醐味を語る
奥藤祥弘監督はCM、MV、ライブ映像など様々なコンテンツを年間約50本制作している映像ディレクター。特にMVやライブ映像ではアーティストと深く関わって、熱心なファンでも見たことのないような表情を引き出すと定評がある。演出だけでなく撮影や編集もこなす、彼が愛用しているのがα7Sとα7S Ⅱだ。奥藤監督にαで生まれる映像表現について語ってもらった。
―ソニーα7Sとα7S Ⅱを使うようになったきっかけを教えてください。
奥藤 もともとソニーのカメラが好きだったんですね。一眼の映像は他社のカメラを使っていましたが、物足りなさを感じて、高感度に強いソニーα7Sを購入しました。その後、4K収録できるα7S Ⅱ の発売を知って導入しました。現段階で4K納品することはありませんが、MVを撮る時は4 K収録を多用します。画角の補正や、画の数を増やしたい時に2Kにトリミングもできますし。α7S Ⅱ の4Kはデータ自体も軽いので編集時に助かっています。
―具体的な作品について伺います。清木場俊介さんのライブではマルチカメラの1台としてα7S Ⅱを使ったそうですね。
奥藤 撮影の規模が大きくなってくるとα7S Ⅱをメインで使う機会は少なくなってしまうのですが、サブ機としても頼りになる存在です。また、FS7にもF55にもない高感度が撮れるので、撮影現場には必ず持っていきます。このライブではα7S Ⅱは客席の中に入りました。α7S Ⅱならお客さんの目線で撮れますし、そういう画が好きです。長いライブの中に数秒こういうシーンが入ることで臨場感が生まれます。
―THE ORAL CIGARETTES「DIP-BAP」では花火のシーンで使っています。
奥藤 メインはFS7で撮っているのですが、富士の樹海で、夜中に花火を撮るシーンがあって、限られたテイク数の中で画の数を稼ぐためにα7S Ⅱとの2カメで撮影しました。夜の花火というかなり難しいシチュエーションですが、ISO感度を上げても色のバラつきなく、綺麗に撮れました。
―WATARU「おしえて神様」では月明かりだけで撮っています。
奥藤 ハワイで撮影したのですが、α7S Ⅱでは真夜中の海で月をバックにノーライトで撮っています。逆光なので肉眼で見ていると真っ暗でした。高感度で美しい画を撮ろうという場面ではα7S Ⅱを使いたい。そこでプロファイル設定を行なって、宮本敬文さんに撮ってもらいました。
―同世代の監督にαの画作りの良さや使いこなし方をレクチャーしているとか。
奥藤 小ロットで映像制作する監督にとってα7Sの存在は大きいと思います。撮るべきものがあって、これ1台あればいろんなことができる。僕自身も被写体とより向き合えるようになった。このことをいろんな監督に知ってもらって、新しい表現づくりに集中してもらえればいいなと考えています。
―奥藤監督が映像を作る上で譲れないポリシーがあれば教えてください。
奥藤 作る以上はファンやアーティストに望まれている長所だけではなく、かっこ悪いというか、こんな一面があったんだと思えるような意外な表情や動きも狙おうと思っています。一緒にものづくりをする以上は話題になって欲しいし、売れてもらいたいですから。僕自身も今たくさん作っているので、記憶に残るようなシーンを毎回入れていきたいですね。
ピクチャープロファイルは映像の特性を決めるガンマカーブ、ブラックレベル、発色などのパラメーターを調整できる。映像作品全体のトーンをカメラ本体で作り込める機能。奥藤監督は撮影の中で独自の設定を見つけたようだ。
「せっかくマイカメラを手に入れたのだからスイートスポットを見つけたかったし、現場でトライしながら探しました。おすすめの設定は昼間の撮影では『S-Log2』でカラースペースが『S-Gamut』。夜の撮影では『S-Log3』でカラースペースが『S-Gamut3.Cine』をよく使います。適正露出を決めてから絞りを数段開けるとノイズが少ないというのが僕の研究結果です(笑)。ピクチャープロファイルを駆使すればαの世界はもっと広がるので、カメラマンや監督に教えています」(奥藤)。
おくとう・よしひろ
1985年生まれ。
impress、P.I.C.S.を経て、2011年よりフリーランス。
様々なコンテンツをハイペースで制作する、若い世代を代表する映像作家。
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