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フォトグラファー
梅澤 勉

第一線で活躍するフォトグラファーが撮る、
「一枚絵にこだわる」一眼ムービー

α Universe editorial team

うめざわ・つとむ 1975年生まれ。D-CORD LIMITED所属。
広告、雑誌、ポートレイトを中心にスチル、ムービーの両方で活躍。
主な作品はこちら→http://www.d-cord.com/umezawa/umezawa.html

大学卒業と同時にフォトグラファーとシネマトグラファーとして活動を始めた梅澤勉さん。NIKE・ACGでニューヨークフェスティバル金賞を受賞、日産「MURANO」でADC賞を受賞。ハリウッド映画「BABEL」にスチルで参加。最近の広告でもChara 25周年MV「やさしい気持ち」(出演:小松菜奈)、Audi A3(香川真司)、SEABREEZE(広瀬すず)、リクナビインターンシップ、ダイハツ工業新型ムーヴ(小松菜奈)ほか多数。インスタグラムでのマシェリのショートムービー、アートディレクターの浅葉克己氏のドキュメンタリー、企画展への参加など、広告に限らず、作品制作、ムービーなど多方面で活動を続けている。 一枚絵の美しさにこだわるフォトグラファーとしての特長を活かしながら、CMを中心にムービー制作にも積極的に関わっている梅澤さん。そんな彼が最近夢中になっているのがソニーα7S IIをMoVI(スタビライザー)に搭載して被写体を自由に狙っていく撮影スタイル。 αとの出会いから、フォトグラファー目線の映像制作の楽しさについて梅澤さんに語ってもらった。

ツァイスレンズからソニーのカメラを愛用

――梅澤さんはハイスペックなデジタルカメラからフィルムカメラ、デジタル一眼レフまで様々なカメラでムービーを撮影してきたと思います。ソニーのカメラとの出会いにはなにかきっかけがあるのでしょうか。 梅澤 ムービーは予算に合わせて機材を選んでいたのですが、予算がない場合でもレンズにはこだわっていたいたんですね。画作りにこだわると、今はスチルでもムービーでも自分のトーンを統一したかったのでカールツァイスのレンズしか使わないんです。マスタープライムを使うとかなり深い画になります。深いというのは、奥行や空気感のある画というか。現場ではフィルムテイストとか情緒があるという風に伝えています。ソニーはツァイスのレンズが純正であるということもあってよく使ってきました。

MoVIの映像に憧れてソニーαを使ったシステムを選択

――ソニーαに関しては使いたかったシステムに最適だったそうですね。 梅澤 まずαはスチルカメラなのでカメラの操作性に違和感がなかったというのもあります。以前からステディカムなどスタビライザーを使った手持ち撮影に興味がありました。 ソニーαは小型でハイスペック、フォトグラファー仲間でも使っている人も多いし、いろんなカメラを見渡しても面白いなと思っていました。時間が経つと腕が上がらなくなるので少しでも軽いというのは重要なポイントになってきます。αはMoVIに付けても手持ち撮影で長時間撮影ができそうだと思い、それが魅力で使ってみようと思いました。実際に組んでみるとαとMoVIの組み合わせは軽量で「これならできるかも」と思えました。むしろαしかできないというか。また、どうせならCM撮影などと同じようにフォーカスマンや照明スタッフも巻き込んで、僕自身は撮影に集中できるワークフローでやってみようと考えました。

映像プロダクション所属の経験がムービー撮影時に活きた

――小ロットの企画でスチルフォトグラファーがムービーを撮るというのは、実はかなり知識や経験がないと難しいと思うのですが、梅澤さんはどう克服したのでしょうか。 梅澤 以前、映像のプロダクションに所属していて現場を経験していました。そこである程度の知識があったということと、機材やスタビライザーなどを相談できる監督や技術スタッフが周りにいたというのも大きいと思います。1人でこっそり上手くなろうと考えていたらなかなかできなかったでしょうね。今回の撮影でMoVIなどの機材をレンタルする際にもスタッフと一緒に機材屋さんに足を運んで講習を受けたりしましたから。 そんな中、ヴィレッジヴァンガードが新レーベルを立ち上げ、その第一弾企画でデビューするアーティストのMVの撮影を依頼されました。設定がヴィレッジヴァンガード下北沢店を舞台に閉店後の店内でにかもきゅさんというアーティストが生活しているというものだったので、早速このシステムが活かせると思い試してみることにしました。

「コマーシャル・フォト」12月号では、α7S IIをMoVIに搭載したシステムで撮影したMVの事例を紹介しながら、梅澤さんならではのこだわり、画作りについて質問していく。

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