Impressive TRAIN Journey
鉄道写真家 中井精也氏
× α9
中井氏が鉄道風景を印象的な作品にすべく旅する
デジタルカメラマガジンとのタイアップ企画が
スタート!本誌では見れない撮影
裏話を毎月
コラム形式でお届けします!
「始まります!」
こんにちは。鉄道写真家の中井精也です。
2016年の夏から毎月皆さまにご覧いただいてきた連載が装いも新たに、さらにパワーアップして帰ってまいりました。
タイトルは「Impressive TRAIN Journey」。
僕がメインで撮影している鉄道写真は、そのルーツを辿ると製造メーカーの記録写真が起源のようです。そのせいか今も鉄道写真の主流は、鉄道の車両の記録を目的とした写真であるように思います。
でも、絵画の世界に「写実派」「印象派」があるように、鉄道写真にも「印象派」があってもいいのではと、僕はいつも考えています。
みなさんが使っているカメラは、目の前にあるモノや風景をそのまま写す機械です。でも僕はそこに自分が抱いた「想い=Impressive」と「鉄道旅=TRAIN Journey」をプラスして、僕が見た世界を印象的に見せたい。このタイトルは、そんな想いから生まれました。
「新しい旅のはじまり」
この新しい旅のはじまりに、僕が選んだ被写体は、東海道新幹線。1日に300本近い列車を運行しながらも、開業から半世紀以上経った今も無事故記録を伸ばし続ける東海道新幹線は、まさに日本の鉄道の「誇り」。
これこそ最初の被写体にふさわしいと思い、α9を手に撮影へと出かけました。AE/AF追従をしながら秒間20コマという驚異的な連写を可能とした最新モデルです。AF追従の性能や高速連写の実力はもちろんのこと、ブラックアウトフリーによる流し撮りにもとても興味がありました。
さて、新幹線を写した写真を見ると、とても簡単に撮れそうに思えるかもしれませんが、実はとても難易度の高い撮影なのです。もちろん運転速度が速いことによる難しさもありますが、何より難しいのが撮影ポイントを探すことなのです。
ここが今回の撮影舞台です。撮れた写真からは想像できないほど、ハードな撮影現場であることが分かると思います。新幹線は安全に配慮するため、厳重な金網や鉄条網に守られています。さらに騒音に配慮するため、大掛かりな防音壁に囲まれています。列車が見渡せるカーブで、それらの障害物がかわせる場所を探すことこそ、本当に難しいのです。 ここでは電柱と電柱の隙間から、約800mmという超望遠レンズで撮影することができました。こちらの最新機種であるFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSに2倍テレコンという組み合わせによるものです。α7シリーズやα9で待望の800mmで撮れる喜びを感じながら夢中でシャッターボタンを押しました。
「日が沈んでも・・・」
こちらは日没後に低速シャッターで流し撮りしたもの。山間の集落の明かりが、まるで流星のように写ってくれました。そして新幹線はまるで、光の矢のようです。 因みに、こんな場所から狙っておりました。
それでは来月もこの場所で、ぜひお会いしましょう!
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