ネイチャーフォトグラファー 柏倉陽介 氏
悠久の時の流れを写しとめる
α7R II in 屋久島
柏倉陽介氏が今夏、屋久島に向かいα7R IIで美しき自然風景を撮りおろしました。悠久の時が流れる大自然の中で、柏倉氏の感性の赴くままに撮りおろされた珠玉の風景写真をお届けします。
柏倉陽介氏が今夏、屋久島に向かいα7R IIで美しき自然風景を撮りおろしました。悠久の時が流れる大自然の中で、柏倉氏の感性の赴くままに撮りおろされた珠玉の風景写真をお届けします。
こんにちは。柏倉陽介です。今回僕が撮影に赴いた地、それは屋久島です。屋久島、その島の名前をご存知の方は数多くいらっしゃるかと思いますが、ここで改めて屋久島について簡単ですが僕からご紹介させていただきます。 屋久島は島の90%が深い森で覆われており、およそ島の面積の約21%がユネスコの世界遺産に登録されている島です。気候はとにかく雨の日が多く、また南国の亜熱帯というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、国内において積雪が観測される最南端の地という側面も併せもっています。屋久島へのアクセスは2種類あって、鹿児島空港から屋久島空港へ向かう空路と鹿児島港から屋久島の港に着く海路になります。空路で30分程度、海路(高速船)で2時間程度になります。 そんな屋久島は今なお原始の森が拡がり、訪れる者を悠久の時に誘ってくれます。
先ほどもご紹介したように、屋久島で雨が降っているのは普通の天候です。僕が島に到着したその日も、しとしとと雨が降っていました。 風景撮影に雨は……と言う方もいらっしゃるかもしれませんがここ屋久島では、その雨がむしろ眼前の風景をとても美しいものにしてくれます。雨に濡れたことで森の緑はより一層その色を濃くし、深遠な風景を写すことができました。
一般的にこうした光景を撮る際には、恐らく大半の方はパンフォーカスで撮られるかと思います。ただ僕は横たわるように苔に覆われた倒木にフォーカスしたいと思い立ち、敢えて開放で撮って、この複雑な形の倒木に焦点を当ててみました。この撮影の時に、ふと思ったのがEVFの便利さです。どのように試そうと、その結果をリアルタイムで確認できるのですから本当に便利です。 そして、ここ屋久島には美しい滝もあります。千尋の滝や大川の滝などが有名です。巨大な岩石の間を流れ落ちる滝の水の動きは、いつまで見ていても飽きることがありません。僕が大好きな被写体のひとつです。周囲の岩石が雨に濡れたことで、かえって岩の質感が強調されてより立体的な描写の写真を撮ることができました。1枚目が千尋の滝で、2枚目が大川の滝です。
散々、雨の中での撮影は素敵です! と言ってまいりましたが今回、ここ屋久島で僕が一番撮りたいと思っていたのは、実は美しく荘厳な星景写真でした。 夜までに晴れてくれればと、少々身勝手なことを想いながら森の中を進んでいると、急に強い光が差し込みました。 先ほどまでの、しっとりとした森はあっという間にその様相を変えスポットライトを浴びたかのようにキラキラと輝き始めたのです。差し込む光を印象的に写しとめたくて、太陽そのものを意図的に樹木で隠して撮ってみました。
僕の想いが通じたのでしょうか。そのまま雨が降ることなく夜を迎え、そして想像したとおりの星空の写真を撮影することができました。その晩はそのまま雨が降ること無く、僕はそのまま粘り続け朝陽が昇り始めようとするその時、星と太陽が同居する幻想的な瞬間を写しとめることができました。
今回もまたαを携え撮影に臨んだわけですが、僕がαを最高の相棒だと感じている理由は、以前にもお話したことがあるかと思いますが、この機動力と高画質が両立されているところです。 今回の屋久島も気付けば相当な移動距離を、もちろん徒歩で動きました。しかしαのお陰で、これ以上は行くのは止めておこうとか、これくらいで粘るのは止めようとは一切思うことも感じることも無く、ただただ撮りたい気持ちに任せて動き回ることができたのです。これはネイチャーフォトグラファーにとって、最高の恩恵ではないでしょうか。現場で実感できる確固たるアドバンテージ。これからもαは僕の頼もしい相棒です。
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