Impressive TRAIN Journey
鉄道写真家 中井精也 氏
VOL.6
中井氏が鉄道風景を印象的な作品にすべく旅する
デジタルカメラマガジンとのタイアップ企画が
スタート!本誌では見られない撮影 裏話を毎月
コラム形式でお届けします!
こんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 今回の撮影地は目の覚めるような紅葉の絶景です。今年の夏は天候不順だったので、秋の色づきもダメだろうなぁと勝手にあきらめムードだったのですが、フタを開けてみれば、近年まれに見る当たり年! 僕も各地で素敵な紅葉を撮ることができました。 今回、ご紹介するのは茨城県の水戸と福島県の郡山(正確には東北本線の安積永盛駅)を結ぶ水郡線。北関東の里山の風景を“の〜んびり”と走ります。撮影場所に選んだのは茨城県との県境に近い、福島県の矢祭山付近。ここは桜と紅葉の名所として知られています。狙いは久慈川沿いの紅葉と、鉄橋を渡る水郡線です。こちらの写真は朝に橋の北側から逆光で撮影したもの。折り重なるように輝く紅葉にため息がでます。
撮影したカメラは11月に発売されたばかりの最新機種「α7R III」 完全逆光という難しい条件ながら、明部は階調豊かに、暗部はスッキリとメリハリのある表現になっています。まさに現場の臨場感をそのまま表現してくれました。約4,240万画素という高解像と、10コマ/秒という高速連写を実現するだけでなく、その高い階調性能が優れていることが、この写真から分かっていただけるかと思います。
こちらの写真も同じ場所から撮影したものですが、実は日没後のカットです。早朝ほどドラマチックではないのですが、鮮やかな色彩がとても印象的です。水郡線はとても絵になる路線なのですが、車両が新しくちょっと派手な塗装なので、小さめに撮ったほうが、旅情が生まれます。限られた撮影場所でいかに列車を小さく、しかも存在感を失わずに撮れるかがポイントとなります。さらにこの矢祭山駅付近は、水郡線のなかでも一番本数が少ない区間となるので、撮影にも苦労しますが、そのタイミングをモノに出来たときは感動も一入(ひとしお)です。
こちらは橋の南側から撮影した縦構図です。この写真はFE 12-24mm F4 G(SEL1224G)で撮影しました。超広角レンズであるにもかかわらず、画面周辺の歪みが少ないことが嬉しいところ。上記の写真は焦点距離24mmで撮影しましたが、列車の歪みは最小限に抑えられています。
それにしても紅葉って不思議なものですね。何気ない里山の風景も、とっておきの絶景に変えてくれます。最後にご紹介するのは完全に色づいたイチョウの木をメインに撮影したカットですが、実は撮影にはちょっとした秘密があります。それはぜひ本誌でご確認ください。
因みに僕はいい構図が得られるならば、寝転んでも撮影しちゃいます(笑)。
それでは来月もこの場所で、ぜひお会いしましょう!
中井精也でした。
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