野鳥カメラマン 山田芳文氏に、α7R IIIをどのように駆使して野鳥写真を撮影しているのか話を伺った。
山田 芳文/野鳥カメラマン 大阪府生まれ。野鳥を中心に生き物を撮り続ける。作品は主にバードウォッチングの専門誌や自然保護団体の会報誌、児童書などで発表している。著書は『野鳥撮影術』(日本カメラ社)、『写真は構図でよくなる!』(MdN)など
ずっとデジタル一眼レフを使っていた私にとって、最初に使ったフルサイズミラーレス機であるα9は、α9のAFの連写性能や追従性、そしてAF精度の高さ、EVFのブラックアウトフリーなどに衝撃を受けました。その後α7R IIIの登場を知って購入を決めました。私の撮影スタイルではα7R IIIの約10コマ/秒の連写性能は十分であり、AFの追従性や精度、フォーカスエリアの広さも満足していますが、それ以上に魅力的だったのはその画質の高さですね。
α7R IIIは4240万画素の撮像センサーと高速の画像処理エンジンBIONZ X、そしてG Masterとのコンビも相まって、非常に高い画質の写真を撮ることができます。パソコンで撮影した画像を拡大した時の描写力の高さには本当に驚きましたね。たとえて言えば「窓ガラス越しに見ていたものを、すっと窓を開けて見るような感じ。「シャープネスもコントラストも一段高くなったようにクリアーやなぁ!」と思いました。野鳥のいきいきとした姿を鮮やかに表現してくれるのは、私にとっては大変に嬉しいことです。
また、私はできる限りノイズを抑えるためにISO感度はなるべく低く設定するようにしていました。「高画素のカメラは高感度が苦手」というイメージを持っていたからです。しかし、自己基準でのボーダーラインとなるISO3200もα7R IIIなら安心して私の中での「常用感度」として使えることが嬉しいですね。
私は野鳥を主に撮影しています。野鳥は種類にもよりますが、その飛翔は速く、一瞬にして見失うことも珍しいことではありません。従来まで、AFのフォーカスエリアはフレキシブルスポットか中央を使うことが多かったのですが、ゾーンやワイドにしても、どんどん食いついてくれるので、α7R IIIではゾーンかワイドを使うことが多くなり、納得できる写真のヒット率も高くなったように思います。
α7R IIIとG Masterは野鳥のような動きの速い被写体を追いかけても、十分な性能を発揮してくれます。さらにその画質の高さは1クラス上のものですから、ぜひ一度試してみてください。(談)
昔ばなしの世界のイメージでアオサギを撮影。主役を小さく写したときにカメラの本当のポテンシャルがわかるが、α7R IIIは本当によく解像するので、安心して引き絵が撮れる。自分のライフワークである「鳥がいる風景写真を撮る」のに最適なカメラだ。
コサギが獲物をとらえた瞬間を高速シャッターで連写して、いちばん形のいいこのカットを選んだ。メカシャッターに設定しても電子シャッターと同じ最高約10コマ/秒で撮れるのは大きなアドバンテージである。
右から硬い光がスズメにダイレクトに照りつけていた。スズメの頬が白飛びして当然の条件だが、ご覧の通り粘ってくれた。α7R IIIは高画質であることばかりがクローズアップされがちだが、階調も豊で滑らかなのが気に入っている。
今回の撮影でこれぞ!と感じた2枚を、11月号の『月刊カメラマン』で公開しています。ぜひプリントでご覧ください。また、『WEBカメラマン』では現場風景を動画で紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17212550
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