Majestic TRAIN- 威風鐵道 -
鉄道写真家 中井精也 氏 × α9 α7R III Vol.5
ドラマチックな鉄道写真をコンセプトに、中井氏が撮る心に響く鉄道風景をデジタルカメラマガジンとのタイアップ企画として毎月コラム形式でお届けします!
みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 今回は情緒あふれるお祭りと江ノ電の風景です。お祭りが開催されている江ノ島駅に近いお寺(龍口寺)が舞台です。毎年、曜日にかかわらず9月11日から12日にかけて開催されています。 江ノ電がちょうど門前で急カーブしているので、お祭りの様子と江ノ電を組み合わせて撮影できる貴重な機会がこの期間に訪れます。 クライマックスは12日の夜。さまざまな方向から纏(まとい)を振りかざしながら舞う人々や、美しく飾られた万燈が現れ、お寺を目指して練り歩きます。 最初にご覧いただく1枚は、舞に合わせて揺れる纏と江ノ電のコラボレーションを狙ったものです。人々の熱気と最高潮を迎えた祭り囃子の喧騒の中、万燈(まんどう)の赤い光をバックに、車内の光を受けた金色の纏飾りが、キラリと輝いた瞬間、周囲の全ての音が消えてしまったかのような気がしました。
お祭りではいつシャッターチャンスが訪れるか分からないので、今回は手持ちのみで撮影しました。携えたレンズは「FE 24-70mm F2.8 GM」と「FE 70-200mm F2.8 GM OSS」それに超広角の「FE 12-24mm F4 G」です。
2枚目にご覧いただく写真は「 FE 70-200mm F2.8 GM OSS 」に2倍テレコンバーターを装着して、圧縮効果を利用して撮影しました。 400mm相当の画角で、迫力ある写真にすることができたのではないかと思います。併用軌道(道路上に敷設された鉄道のこと。路面電車などで良く見かける敷設形態)に並ぶ万燈と相俟って、まさに迫力満点の鐵道風景になったと思います。
そして3枚目の写真は「FE 12-24mm F4 G」で撮影したものになります。 焦点距離13mmという超広角で圧倒的なパースをつけることによって、迫力をプラスしています。さらに、わずかに流し撮りすることで、臨場感のある作品に仕上げました。 実は、あらかじめ纏を振る人と江ノ電が接近する状況になることは分かっていたので、「FE 12-24mm F4 G」をチョイスしたのです。事前に現場を想定してイメージトレーニングをすること、すなわちレンズを選ぶ時点からすでに撮影は始まっているともいえます。
撮影シーンになります。3枚目の写真と見比べると、わずかに流し撮りするかしないかで、写真の臨場感に差が出ることが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
4枚目の写真は、お寺の正面から、列車は手前に入れて撮影しました。使用したレンズは「FE 24-70mm F2.8 GM」です。焦点距離は48mmでの撮影です。
今回ご覧いただく最後の写真になります。 この写真は「FE 70-200mm F2.8 GM OSS」の望遠端である焦点距離200mmで撮影しました。 2枚目でご覧いただいた2倍テレコンを装着して焦点距離400mmで撮った写真よりも、超望遠感が出ていませんか?そう感じられるのは、手前の前ボケの効果です。このように被写体との距離を考えながらぼかすことで、イメージする写真にすることができたりもします。
それにしても今回の撮影では、お腹の底まで響くような太鼓の音と祭囃子、そして人々の掛け声に包まれ、魂に届くほどの感動を覚えました。 と同時に、日本人に生まれて良かったと素直に思えた夜にもなりました。 それでは来月もこの場所で!中井精也でした。
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