普段我々が目にすることのできない野生動物の生態を撮影し続けている野口純一氏。厳しい目でカメラを見続けている野口氏にとってのα9の魅力とはどういうところなのか。
野口 純一/野生動物写真家 1968年、埼玉県生まれ。北海道在住。2輪、4輪のエンジニア時代にバイクツーリングで訪れた北海道にひかれ、2000 年に移住。キタキツネの撮影をきっかけに、02年から写真家として活動を開始。北海道を中心に国内外の野生動物を撮影し、雑誌やカレンダー等の各種媒体に作品を提供。野生動物に関する深い知識と豊富な経験に基づく的確で粘り強い撮影スタイルから生み出される、力強く美しい作品には定評がある。公益社団法人日本写真家協会 (JPS) 会員。 http://www.junsetsusha.com
「野生動物」という厳しい環境下を生き抜く「命の鼓動」を撮り続ける野生動物写真家・野口純一氏。その刹那を鮮やかに切りとるためには瞬発力と描写力の二つが必要だという。ソニーのα9で何が撮れたのか。
「ワイルドフィールドで重要なのは、被写体を瞬時にとらえる瞬発力です。α9のAF性能には驚かされました。とにかく合焦スピードが速いうえに精度もいい。そのうえ、AF/AE追随での最高20コマ/秒の高速連写が可能なので、決定的瞬間を逃しません。俊敏に動く野生動物を撮影するには高度なAF性能が欠かせませんが、さらにα9のEVFは『ブラックアウトフリー撮影』が可能で、連写中の動物の動きにカメラを追随させることが非常に容易になるのです」
真っ先に話してくれたのはAF性能のすごさ。緊張の連続が続く撮影の中、撮りたい瞬間を手に入れるためには妥協できないポイントだ。それ以外にもα9の魅力はある。
「α9はカメラとしての『基本』がしっかりしている印象です。だからこそ信頼できるカメラだと言えます。高感度耐性に関してもISO3200程度は全く躊躇する事なく使えますし、朝夕の薄暗い時間帯の撮影でもその場の空気感をしっかりと再現してくれます。撮影可能な時間が長くなるということは、そのぶん、いい瞬間に巡り合える確率が上がることになります。これが写真家にとっては重要なのです。また絞りの効果や露出の状況を目で確認しながら撮影が可能。自分の撮りたいイメージが明確に見えるので、長時間の撮影でも集中し続けることができる。とてもバランスのいいカメラです」
トータルバランスの優れたカメラであることが野口氏のコメントからもよくわかるが、実はαシリーズを使う決め手になったのは、FE 400mm F2.8 GM OSSの存在があったという。
「このレンズが使いたくてα9を使っていると言っても過言ではないほどのレンズです。とにかく絞り開放からとてもシャープな描写をするレンズですね。ぼけ味も気に入っていますし、積極的に開放値から使っていきたいレンズですね。とても立体感のあるクリアな写真が撮れます。またこのレンズがすごいのは、1.4倍のテレコンバーターを装着しても全くAF・描写性能の低下を感じさせないこと。そして大口径超望遠レンズとしては極めて軽量なのもいい。α9もそうですが、システム自体が小型・軽量なことは僕らのような写真を撮っている人にはとても重要ですね」
そう楽しそうに話してくれた野口氏。シャッターチャンスが極めて少ない特殊な環境下における撮影だからこそ、妥協した機材を持って行かない......そんな意気込みが感じられる。野口氏にとって、このカメラだからこそ撮れる瞬間があることが実感できた。これからもどんな作品を撮るのか楽しみだ。
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