人気インスタグラマーが行く
アイスランド撮影旅行記 Part.2
〜αが描き出すダイナミックな地球の原風景〜
人気インスタグラマーである、wacameraさん、halnoさん、6151さん、t.1972さんの4人が大自然の撮影を目的に訪れたアイスランド。Part.1では1.0型イメージセンサー搭載のレンズ一体型デジタルスチルカメラ「RX100 VI」で撮影した作品を見ながらカメラの魅力を語ってもらったが、今回はα編。「α7 II」、「α7 III」で撮影した率直な感想をはじめ、お気に入りの機能やレンズの印象などについて話を聞いた。
halno
“日本のハリーポッター”としてインスタグラムにホウキにまたがった空中浮遊写真をアップし続けているユニークなフォトグラファー。日本はもちろん世界各地でも空中浮遊写真を撮影し、人気インスタグラマーとしても活躍中。
Instagram:@halno
6151(ゴイチ)
インスタグラムでの活動をきっかけにフリーランスの写真家に転身。ファッション、コスメ、食、空間など国内外の様々な企業とタイアップ撮影を行う傍ら、写真講座への登壇など東京を拠点にトラベルフォトグラファーとして海外や国内で旅に纏わる執筆なども手がける。
情報誌『Hanako(マガジンハウス)』やJTBパブリッシングのおでかけメディア『るるぶ&more.』にて連載をもつ。
Instagram:@6151
像が浮き出るような圧巻の高画質。
階調の豊かさもフルサイズならでは
6151さん(以下ゴイチ、敬称略):私はすべてマニュアルで撮影するので、ふだんは1枚の撮影にとても時間がかかります。でもαは構図を決めてからシャッターを押すまでがとても速い。そして失敗が少ない。それはAFの精度が高く、しっかりものを捉えてくれるからカメラに委ねて自分自身は撮りたい画をイメージすることに集中できる。旅先でもシャッターチャンスを逃しませんし、想像した画が撮りやすかったと思います。
ゴイチ:上の作品はアイスランド南部のヴィークという街の近郊にある、古びた飛行機の残骸がそのまま残っている撮影の名所です。実は台風のような強風と雨の中で撮った1枚で、撮影環境は人生のなかでも最悪と言っていいくらいの状況でした。でも自然の脅威にさらされたことで飛行機の存在感が際立ち、雲の表情も階調豊かに捉えることができました。画質も像が浮き出て見えるくらい素晴らしくて、大満足の仕上がりです。
wacameraさん(以下わかめ、敬称略):ゴイちゃんが撮影した飛行機の作品は雲を効果的に捉えていますが、夏のアイスランドは雨や曇りが多いことで有名です。この撮影旅行は夏に行ったので、天気に恵まれない日も多くありました。そんな時は陰や岩肌など、暗くてつぶれてしまいがちなところがしっかり表現できるか心配でしたが、αはダイナミックレンジが広いので黒つぶれすることがまったくない。そこは本当にαの強みだと思いますね。とくに風景を撮るなら絶対に必要な機能だと改めて感じます。
高橋伸哉さん(以下伸哉、敬称略):たしかにダイナミックレンジの広さは僕も実感した。そして描写力も。僕は普段APS-Cセンサー搭載のデジタル一眼カメラを使用していて、今回の旅で初めてフルサイズミラーレスカメラを使ったんだけど、やはり描写力が格段に違いますね。APS-Cのカメラで同じ被写体を撮って、撮影画像を比較してみると、特に細かな点の描写はセンサーが大きいので35mmフルサイズセンサーの恩恵を直接的に受けた印象。その違いには正直、驚きました。風景のような繊細な写真を撮りたいなら、フルサイズの方が断然おすすめです!
halnoさん(以下halno、敬称略):αの解像感は本当に見事。上の作品は、車で走っていると時折出てくる緑豊かなゾーンで休憩していた馬を撮影したものです。風になびくタテガミや長いまつげも質感まで繊細に表現できました。アイスランドの自然の厳しさを受け入れて達観したような眼差しがとても印象的で、現場の空気感まで写し撮ることができたと思います。
写真のバリエーションが格段に増える!
明暗のバランスを自動補正するDROが便利
伸哉:αはダイナミックレンジの広さが魅力だけど、さらにDRO(Dレンジオプティマイザー)を調整できるところもよかった。DROを「Lv5」にして撮ると暗い部分のディテールまで見えて驚くよね。
わかめ:そうそう、DROの効果はすごいよね! Lv1〜5まで段階的に調整できるけどLv5で使うことが多かった。夕景では感度を上げずにDROのレベルを上げて撮影したし、私もかなりの頻度で使っていたと思う。
高橋:Lv5に設定すれば、どんなに黒つぶれしそうなシーンでも「絶対に大丈夫」という確信が持てる。例えば上の作品のような逆光では、普通は人物がシルエットのように真っ黒につぶれてしまいますが、DROを Lv5にすればしっかりと人物を写し出すことができます。この機能を知らない人がDROの実力を知ったら、きっと多用するようになると思いますよ。
僕はいつも違うメーカーのカメラも含めて3、4台を併用して撮影していますが、同じ露出、ISOで撮影しても、DRO Lv5に設定したαは比較にならないくらい本来黒つぶれする部分もしっかり写ります。さらに液晶モニターでも、ファインダーでも同じ画で見えるので撮りやすい。これを使えば作品のバリエーションが格段に増えるので、DROが優れているのもαの強みだと思います。
諦めていたシーンも撮れる優秀な手ブレ補正
あらゆるシーンに持ち出せて、表現の幅が広がる
わかめ:αの5軸ボディ内手ブレ補正は圧巻だよね。私は2年半ぐらい前からαを使っていますが、いつもαの手ブレ補正に助けられています。
halno:僕も暗いシーンでは5軸ボディ内手ブレ補正にかなり助けられました。僕自身、プロのフォトグラファーではないと思っていて、一般の人よりも少し上手に撮れるぐらいの実力だと思っています(笑)。本業はデザイナーなので自分で撮った写真を使うこともありますが、どうしてもブレてしまう。今まではブレを回避するためにシャッタースピードを上げなければなりませんでした。例えば、今までだったら感覚的に1/60秒より遅くなると「こんな暗い状況じゃ手ブレするから無理だな」と諦めていましたが、αでは諦めずに済みます。
伸哉:車の中から撮影する時も手ブレ補正は便利です。移動中に「この景色を撮りたい!」と思っても、いちいち停まっていられないので動いている車の中から撮ることもしばしば。ふつう車内から撮影したら振動でブレるじゃないですか。でもαなら遠目でもブレない!
わかめ:あとは例えば大口径レンズではないレンズを使用し、シャッタースピードを遅くしたときの手ブレ回避のためにISO感度を上げることもあると思いますが、αはISO感度を上げた時のノイズに関しても進化しています。今回の旅で私はずっと「α7 III」を使っていましたが、これまで使っていた「α7S II」と比べても、ベーシックなモデルでここまでいけるか、とISO感度を上げてもノイズが出なくて、2年でここまで進化を遂げているものなのかと実感しました。
全員が欲しいと豪語するツァイス「Distagon T*」
ツァイスならではのヌケの良い透明感のある描写
わかめ:今回使ってみて、実力を実感したレンズはDistagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)です。ピントが合っている部分はすごくシャープなのに、そのすぐ後ろからなだらかにぼけていく感じが気に入っています。
下の写真もDistagon(ディスタゴン)で撮りましたが、描写力がハンパない! 解像度の素晴らしさは、本当に文句のつけどころがありません。
ゴイチ:ツァイスのレンズをAFで使えるところがいいですよね。私は熱烈なツァイスファンなので、今回初めてDistagonを使ってコロッとやられました(笑)。空気感まで写し出すような感じがして、かなり興奮した!
伸哉:僕も久しぶりに欲しいレンズに出合えた感じ。35mmって人物を撮るにはちょうどよくて、とてもきれいにぼけるんですよ。それにヌケ感がめちゃくちゃいい!
高橋:上の写真もツァイスならではの抜け感ですよね。ふとした瞬間の何気ない場所だけど、前ぼけから女の子、さらに窓の外の景色までしっかりと写し出している。とにかく見た目が気持ちいいんですよ!レンズ、カメラ越しに捉える光の再現含めて。僕はふだん違うメーカーのカメラも使っていますが、αは素直に「いいなぁ」と思うほど魅力的です。 halno:みんな車の中で「ディスタゴンすごい!」って騒いでいたんですけど、僕はポカンとしていました。運転中だったし、このメンバーの中で断トツにカメラの知識がないので「ディスタゴンって何?」って感じで。僕だけ蚊帳の外でちょっと寂しかった(笑)。 ゴイチ:個人的には、このレンズを使うと写真が上手くなった気がする。だから写真が楽しくなる!
女性にうれしい小型・軽量のコンパクトなデジタル一眼カメラ
バッテリーやSDカードスロットの進化にも注目
ゴイチ:女性にとっては、この軽さも魅力ですね。カメラとレンズを合わせて2kgぐらいあるような装備で撮影していると、撮影時間が長くなると重さに耐えられなくなることがあります。でもαは半分くらいの重さで済むので、いろんなことにトライしやすくなりますね。
わかめ:軽さは女子にとって重要なポイントだよね。以前halnoさんと2人でイタリアに行ったときは、機材をずっと背負ったまま石畳をひたすら歩きましたからね。背中が2日目で大変なことに(笑)。でもαを使うようになってからは、そんな苦労もありません。とても幸せなことですね。
halno:機材が重いと面倒くさくなって「スマホでいいや」と思うこともあるよね。
ゴイチ:あと、女の人でも手の中に収まるサイズなので取り回しも楽で、いろんな角度から撮ることができる。カメラが重いと真俯瞰で撮るようなテーブル上の写真は気軽に撮れませんから。
下の写真はレイニヴェリールのゲストハウスに宿泊した時に、レストランで朝食を撮影した1枚です。立って上からカメラを構えて撮影しました。αならこういう撮影が簡単にできて、しかもフルサイズの高画質で撮れるのがいいところですね。
ゴイチ:旅先でのライティングは自然光だけが頼りなので、写真を撮る時はできるだけ光が多い窓際の席を確保。彩りよくセッティングして、料理だけでなくカトラリーや旅のアイテムを入れて雰囲気をつくることも意識しています。
わかめ:軽さだけでなく、バッテリー性能の向上もポイントのひとつです。さきほども話したように私は「α7S II」も持っていて、今回の旅では「α7 III」を使いました。バッテリーの持ちがあまりに素晴らしくて「第二世代でもこれが欲しかった!」と嫉妬しましたね。一日充電しなくても撮り切れたので、これなら旅先でも安心です。
伸哉:アイスランドに行ったら、出発から宿に着くまで充電できるところがありませんからね。1日に何回か交換するものだと思っていたら、丸一日持ちましたね。素直にすごいなと思いました。
わかめ:進化といえば、デュアルスロットになったことにも感動しましたね。このサイズでデュアルスロット搭載はうれしい! 私は同時記録ではなく、片方が容量いっぱいになったらもう一方のメディアに、というスタイルで使っています。
旅を終えて想うこと、
今後行ってみたい場所、撮ってみたいモノ
halno:個性があるカメラマンが一緒に旅をしながら、それぞれが目にした景色を撮る、というのがとてもおもしろかった。同じ風景でも他の人が撮るとこんなに違うんだ、とすごい新鮮に思えたし。満足っていうか、I’m proud的なところがあって。僕は相変わらずホウキにまたがった作品を撮っていましたけど(笑)。 せっかくなので、最後に僕の空中浮遊写真をご紹介しますね。舞台が憧れのアイスランドということで、いつもとは覚悟が違います。あくまでメインは圧倒的な大自然。その中で本物のファンタジーを創り上げたいと、アイスランド感が伝わる画角を探りました。決して風景の邪魔をせず、風景×浮遊写真の相乗効果を生み出せるように撮影した1枚です。
halno:次にみんなで撮影旅行に行くときもSNS発のフォトグラファーとして、アイスランドと同じように知らない土地の素晴らしい景色や文化を発信できたらうれしいです。もちろんその土地でしか撮れない浮遊写真も撮る気満々です!
伸哉:撮影旅行に行く前にいろいろなところに上がっているアイスランドの写真を見たけど、正直、自分自身そんなにグッとくる写真がなかった印象なんです。だからこそ、今はそのすごさ、大変さを実感しているのですが、実際に行ってみると「そういうことだったのか」と垣間見えるものがありました。写真で表現する難しさが理解できて、すごく勉強になりましたね。ぜひ次回も誘ってください!
わかめ:もちろんお誘いするので、断らないでくださいね(笑)。
ゴイチ:本当に楽しかった! 友達とワイワイやるのが苦手で、誰かと旅することなんてめったにない私なので「この4人だから行けたのかな」と思っています。撮影した写真を見ているだけで、現場の雰囲気を思い出してすごく胸が熱くなる!
わかめ:またこのメンバーで違う土地を旅してみたいよね。その時はまた、ソニーさんのカメラで。この旅はぜひシリーズ化にしていきたいと思っています! 実はもうすでに計画していたりしますから。東南アジアのミャンマーあたりがいいかな、と。
halno:あまり撮られ過ぎていないところに行きたいですからね。とにかく僕はみなさんの仲間に加えてもらえて、本当に感謝です!
わかめ:ぜひ次の撮影旅行もご期待ください! おもしろおかしい旅行記とともにその土地の風景や文化を、みなさんにどんどんお知らせしていきたいと思います!
最後に、今回のアイスランド撮影旅行でwacamera(わかめ)さん、halnoさん、6151(ゴイチ)さん、t.1972(高橋伸哉)さんの4人が「α7 II」、「α7 III」で撮影した作品をまとめてご覧ください。
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