風景写真家 高橋真澄氏に、α7R IIIをどのように駆使して風景写真を撮影しているのか話を聞いた。
高橋 真澄/風景写真家 1959年北海道生まれ。大学時代から北海道の山を中心に撮影を始め、40年近くにわたって美瑛・富良野の自然風景を独自の感性で表現し続けている。写真展・著書多数。
α7R IIIの凄さを分かっている写真家は、少ないのではないかと思っている。それは、「今まで出来なかった撮影」がα7R IIIではいとも簡単にできることに気が付いていないのではないか…と思うからだ。
具体的には高精度のEVF、背面液晶モニターで撮影前に露出、色、被写界深度が把握できることだ。これは従来の一眼レフではできない。輝度差のある被写体、特に暗いものを撮影する場合、リアルタイムで露出の補正状況を確認できるのは素晴らしいことだ。被写界深度についても同様で、私が彩氷と名付けた作品(月刊カメラマン3月号に掲載)などを撮影した時に実感した。自然風景の中の被写体が見せる、その微妙な角度でまったく違う表情を撮影する場合、被写界深度を正確かつ精度が高く把握できるのは、今のところαシリーズしかないと感じている。
さらに色については、自分のイメージがリアルタイムでそのまま把握、再現できることは素晴らしいことだと思う。
従来はプロ写真家の経験や勘が頼りだったが、α7R IIIでは撮影前に調整結果を確認できる有り難さを多くの写真愛好家に知って頂きたいと思う。また、α7R IIIはプロ、ハイアマなどの写真家だけでなく、「自分のイメージの幅を広げて、それを実現させたい」と願うビジュアルクリエイターの創造力をかきたてるカメラではないかと思っている。
写真家にとってはカメラに高画質を求めることは当たり前だが、バッテリーの保ちも改善されたことも非常に嬉しい点だ。実際に日々撮影しているマイナス20℃の中の環境下でも、私は600枚以上のカットが撮れた。これはありがたいことだ。そして小型軽量なボディも「もう少し、あの山の向こうまで足を伸ばそう」という意欲を削がないことも嬉しいことだ。
▲これはシビアなピント精度、被写界深度の把握が要求された作品。ISO800、絞りF16でシャッター速度は1/13秒で撮影している。ミラーレス機の電子シャッターは画期的だ。それは従来の一眼レフによる「ミラーショック」の呪縛から解放してくれて、高い歩留まりを約束してくれるからだ。
▲夜明け前の作品。撮影時は真っ暗で、光学ファインダーではピントも被写界深度も、色すらも把握できないが、α7R IIIなら微妙な色もリアルタイムで把握できるので、こうした作品も瞬時にものにできる。
▲完全な逆光状態、ダイヤモンドダストが舞う中で「どこにピントを合わせるか」、「どのくらいの被写界深度にするのか」が問われる撮影状況だ。そして光芒をどのようにコントロールできるかという問題もある。α7R IIIなら難なく意図通りの撮影が可能となる。
▲この作品は水面を漆のように見立てて、紅葉を俯瞰で捉えた日本画的に仕上げようと思ったもの。ピントの精度と被写界深度のシビアなコントロールが問われ、どのような色に仕上げるかは実に難しい状況なのだが、α7R IIIなら意図通りに撮影することができた。
▲夕陽の中に浮かぶ木をドラマチックに撮ろうと思った作品。シビアな撮影状況ではあったが、α7R IIIはピント精度も露出も完璧に応えてくれた。
▲美しい水面の映り込みを意識し、立体感のある作品にしたかった。この時は最大望遠側の400mm側を使用したが、手ブレ補正だけでない電子シャッターの強み、有り難さを非常に感じた。とにかくブレないのが嬉しい。ブレの少ない写真が撮れるということは、「この被写体も試してみるか」という写真家としての意欲をかきたててくれることに繋がる。
今回の撮影でこれぞ!と感じた作品を、3月号の『月刊カメラマン』で公開しています。ぜひプリントでご覧ください。また、『WEBカメラマン』では現場風景を動画で紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17249119
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