写真家 山元 彩香
山手の洋館で写した
光のポートレート
2010年から毎年、東欧に赴き、現地で出会った少女を撮影し続けている山元彩香。ウクライナ・ロシア・ラトビアなどさまざまな地域の田舎へ出かけて、衣装を現地で調達し、廃墟などの建物を探して撮影している。
山元 彩香/写真家 1983年神戸生まれ。2004年California College of the Artsに留学。2006年京都精華大学芸術学部造形学科洋画コースを卒業。2018年に写真集『We are Made of Grass, Soil, and Trees』を発表し、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて同作品の個展を開催した。
山手111番館の2階にあるスリーピング・ポーチ。壁紙の柄を活かしてクラシカルに切り取った。2階へは見学会の日に上がることができる。今回は特別に撮影させていただいた。
「言語による意思疎通が難しい地域なので、被写体との会話はほとんどしません。身振り手振りなどでコミュニケーションしながら撮影しています。なるべく怖がらせないように、リラックスしてもらうことを心がけています」 昨年はパリ・フォトで作品が展示されるなど世界で活躍している山元。これまでは中判フィルムカメラで作品制作を行ってきたが、今回はソニーα7R IIIで撮影。横浜・山手の2か所の洋館でモデルのポートレートを撮影した。 ストロボを使わず自然光で撮影したい山元にとって天気は重要。この日も強い光がカーテンや窓を通して射し込む瞬間を丁寧に見ていった。繊細な光と影に包まれた室内の空気感を余すことなく表現するためには、α7R IIIの解像感や階調表現がとても重要だ。
「中判フィルムは階調が豊かですが、α7R IIIもグラデーションが緩やかでとても綺麗です。フィルムでやっていたことをデジタルカメラで表現できることに驚きました」 今回撮影した写真も、白飛びせずに衣装のディテールまでしっかりと写し出している。さらに、α7R IIIを頼りにしているポイントのひとつにレンズもある。フルサイズミラーレス専用設計のレンズだから、カメラの機能を最大限に発揮してくれるのだ。暗い室内での撮影に明るいレンズは大変助かる。また瞳を自動に検出してピントを合わせ、動いても追従し続ける瞳AFや、タッチパネルで合わせられるピントもポートレート撮影に役立つ。 「その人がまとっている自意識が遠のくような、何もないところまで到達したいという気持ちがあります。その人の無意識の下の方にある、普遍的なものが写せたら・・・と。写真は表面しか写りませんが、いつもそうでないものを探そうとして撮影しています」 長い歴史を感じる横浜の洋館で写したポートレートは、かつてそこに住んでいた人のようにも、幻想的な物語の主人公のようにも見えた。
山手111番館にて撮影。暗い室内の中で手持ち撮影したが、α7R IIIの光学式5軸ボディ内手ブレ補正のおかげで難なく撮影することができた。 ※本来は、床に寝転んでの撮影はできません。今回は周囲に配慮し、特別に許可を得て床に寝転んで撮影させていただきました。
横浜市イギリス館の2階にある寝室。広ダイナミックレンジだからこその光と影のコントラストが美しい写真となった。光の当たり方を見ながら立ち位置を調整した。
本誌で紹介されていない、その他の作品はこちら
CP+2019(パシフィコ横浜)ソニーブースにて山元彩香スペシャルセミナー実施決定!
2019年3月3日(日)11:45〜12:20
詳しくはコチラ
CP+2019連動 αPlazaスペシャルイベント(大阪)にも参加決定!
詳しくはコチラ
2019年2月21日(木)発行の地域×写真のフリーマガジン「Have a nice PHOTO!」では、山元彩香さんがα7R III、川音真矢さんがα9で横浜を撮影した、ポートレートとスナップ作品が掲載されています。「CP+」の会期中、PHOTO HARBOUR会場の御苗場のほか、全国のカメラのキタムラや東急沿線の駅などで配布されますで、ぜひお手に取ってご覧ください。
https://haveanicephoto.com/
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