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Majestic TRAIN- 威風鐵道 -
鉄道写真家 中井精也 氏 × FE 135mm F1.8 GM Vol.11

ドラマチックな鉄道写真をコンセプトに、中井氏が撮る心に響く鉄道風景をデジタルカメラマガジンとのタイアップ企画として毎月コラム形式でお届けします!

α Universe editorial team

みなさんこんにちは、鉄道写真家の中井精也です。
ついに新元号「令和」が発表されましたね。僕も平成最後の春を謳歌しようというわけで、今回は春爛漫の小湊鐵道を旅することに決めました。そして、その相棒として選んだレンズはG Masterの最新モデル「FE 135mm F1.8 GM」です。
ポートレートにマッチした大口径単焦点レンズということもあって、いつもとはちょっと違う切り口で撮影に挑戦しました。
鉄道イベントを中心に活躍されている豊岡真澄さんに、モデルになってもらい「鉄道ポートレート」にチャレンジです! FE 135mm F1.8 GMを初めて手にしたとき、その小ささと軽さに驚きました。大口径レンズとなると、どうしても大きく重くなりがちですが、α7R IIIやα9にベストマッチな小型・軽量で、手持ちでも快適に撮影することができました。 開放F1.8から実にシャープでクリアな描写をしてくれますが、角が立っていないというか、シャープな中にも優しさがあり美しいぼけ味と合わせて、とても使いやすいレンズだと感じました。 さて今回、最初にご覧いただく写真です。
逆光に輝くホームの生け垣を前ボケさせただけで、こんなにもメルヘンな世界が写し撮れます。後ろ姿から振り返ってもらった瞬間を撮影。
少しだけ斜めにすることで、柔らかな印象を与えました。

α9,FE 135mm F1.8 GM 135mm,F1.8,1/1600秒,ISO200
※ 中井先生 撮影シーン

2枚目と3枚目は続けてご覧いただきます。

α9,FE 135mm F1.8 GM 135mm,F1.8,1/500秒,ISO200
α7R III,FE 135mm F1.8 GM 135mm,F4,1/1600秒,ISO200
※ 中井先生 撮影シーン

今回は単焦点レンズ1本だけで撮影したので、単調な画作りにならないように気をつけました。
135mmでポートレートを撮ると、モデルをついアップで撮りがちだと思いますが、鉄道などの副題や背景を生かして「鉄道情景に溶け込む」というイメージで撮影することにしました。 この2枚の写真ですが、車窓の写真はまるで200mmぐらいの望遠で撮ったかのように、一方の踏切の写真は50mmぐらいの標準レンズで撮ったかのような開放感があると思います。 135mmの同じ焦点距離でも、こんなふうに印象を変えるためには、被写体との距離の取り方と、写真の中の「間」をコントロールすることが大切です。もっと簡単に言えば「圧縮感」のコントロールとも言えます。 1枚目は車両という情報を極力排除して、あえて窮屈な構図にしたうえで、大きなボケを背景にして圧縮感を強めています。
一方、踏切の方は豊岡さんをかなり小さくして、風景を広く入れ込むことで135mm独特の圧縮感を弱めているのです。

4枚目の写真になります。

α9,FE 135mm F1.8 GM 135mm,F4,1/250秒,ISO800

このカットでは被写体の豊岡さん本人ではなく、窓に映ったその映り込みを主役にしています。
この日は天気も良く、背景が暗い場所にならないと顔がガラスに映らないので、かなり長い間、表情を作ってもらいましたが、その甲斐もあって豊岡さんの楽しさがにじみ出るような、素敵な作品にすることができたんじゃないかと思います。 レフ板やフラッシュを使った撮影も良いかもしれませんが、今回は敢えてそうした作られた“光”は使わず、自然光にこだわってみましたが如何でしょうか。

※ 中井先生 撮影シーン

今回ご覧いただく最後の写真です。

α7R III,FE 135mm F1.8 GM 135mm,F2.8,1/2000秒,ISO100

美しい菜の花畑の中を疾走する小湊鉄道です。 このレンズは描写力もあるので、開放F1.8から積極的に使うことができますが、ピント面とボケの関係を考えてF値を決めることも大切です。 前ボケに黄色の菜の花を埋め尽くしたこの写真はF2.8にすることで、 菜の花のディテールが分かるようにしています。
135mmという画角はアイデア次第でいろいろな写真を撮ることができることが分かっていただけたと思います。

今回は「鉄道ポートレート」という試みをしましたが、如何でしたか?
普段、鉄道写真をメインにしている方も、ポートレート写真をメインにされている方も、一度はお試しあれ!

それでは来月もこの場所で。中井精也でした。

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