1968年京都生まれ。1990年に独立。各種雑誌やカタログ撮影を始め、カメラ専門誌の執筆やTV出演、WEBレポートなども多数。著書に「ソニーα7R&α7FANBOOK(インプレブックス)」など。
公益社団法人 日本写真家協会員
αの標準ズームは、キットレンズでおなじみの「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」をはじめ、「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」「FE 24-70mm F2.8 GM」「FE 24-105mm F4 G OSS」と個性派揃い。少し視野を広げれば、一本でかなりの望遠まで楽しめる。 「FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS」という選択肢もあり、目移りするほど。そんな中で、本レンズ「FE 24-105mm F4 G OSS」の良さを一言で言うなら「バランス」。 画質面で最初にあげられる精細な描写やボケはもちろん、ズームレンジや、ほどよい明るさで変動のない開放F値、接写能力、手ぶれ補正、サイズ感など、常用するには欠かせない内容が凝縮されている。
発売当初から人気を博してきた理由のひとつは、マルチプレーヤーである点だろう。広角での広大な風景シーンから、望遠では注視したかのような適度な圧縮感で、落ち着きのある描写が楽しめる。
さらに最短撮影距離0.38m、最大撮影倍率0.31倍の接写では、名刺サイズよりもひと回り大きい程度まで寄れるなど、とにかくシーンを選ばない。私の場合、旅に持ち出すのが多いが複数のレンズを持ち歩いても、結局これだけで済んでしまうのもよくある話。24ミリから105ミリのズームレンジは、人が普段見ている視覚に近く、それが心地良さに通じているのかもしれない。
操作性においても、トルク変動の少ないズームリングやスッと指を伸ばした先にあるフォーカスリング、任意機能の割り当てにも使えるフォーカスホールドボタンなど、自然に操作できることが嬉しい。オートフォーカスの動きも静かでスムーズ。さらに小型軽量であることも特筆できる。
利便性重視で作られたズームレンズは、それと引き換えに相反するものが生まれる。そのトレードオフが極めて少ないレンズとして、今ならこれを「イチオシ!」に挙げる。
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