アサヒカメラ2019年7月号掲載誌面を再構成 天体写真家・沼澤茂美氏が注目するカメラ、それがソニーのα7R IIIだ。難しいと思いがちな天体写真のハードルを下げてくれた、そのカメラの魅力に迫る。
沼澤茂美 SHIGEMI NUMAZAWA 新潟県生まれ。天体写真、天文・宇宙関連のイラストレーション作品を多数発表。「月刊 天文ガイド」をはじめ、天文ジャンルの雑誌・書籍で執筆活動、作品発表を精力的に行っている。NHKの科学番組の制作や海外取材、ハリウッド映画のイメージポスターを手がけるなど広範囲に活躍。著書多数。
僕が撮っているのは「星空風景」だ。そこに自身の独創的な世界観を反映させている。その場にある空気感を封じ込め、星と大地が織りなす叙情的雰囲気を表現したいと考えている。
そのような撮影姿勢を強く意識し始めたときにソニーのα7Rに出合った。それまでは一眼レフカメラを使っていたが、ミラーレスカメラについての僕の価値観がこのカメラを手にして大きく変わることになった。その後、α7S、そして今はα7R
IIIを主力カメラとして使う日々だ。
α7R IIIというカメラは星空風景において、圧倒的なアドバンテージを持つカメラ。初心者の人にこそ勧めたい。難しいとされている星空風景がまるで「スナップ撮影」をするかのように撮れてしまう。有効約4240万画素で裏面照射型CMOSセンサーの採用も相まって、より優れた高感度耐性。そして「ブライトモニタリング」機能を使うことで、EVFファインダー内に表示される暗闇のイメージを明るく明確化してくれる。そうすることで、天の川さえもリアルタイムで確認しながら正確なフレーミングを行うことができるのだ。従来の天体写真とは異なり、星空を入れた風景写真の場合、作家の心情をどのように表現するかは最も大切な部分だ。正確な画角の決定は撮影の命ともいえる部分だろう。そういう僕の願望を具現化してくれるカメラがα7R IIIなのだ。受動的になりやすい天体写真をより能動的に変えてくれる。そうなることで、より作品性を高めることもできるし、何よりもその場の状況を全身で感じ撮影に集中することが可能になる。だからこそ「撮ることが楽しくなる」のだ。
星空風景でもう一つ重要なのが、明るいレンズ。レンズは明るければ明るいほどいい。おすすめなのは、FE 24mm F1.4 GMだ。このレンズは開放値がf1.4ととても明るいこともそうだが、注目したいのは「解像力」だ。開放値からでも良好な解像感の高い描写をしてくれる。中央から周辺までしっかりと解像してくれ、周辺の像の流れも最小限だ。まさに星空風景の定番ともいえるレンズだろう。またこのスペックで小型かつ軽量なのにも驚かされる。F1.4でなければ表現できない星空風景が存在するのは確かなことだ。α7R IIIの圧倒的な解像感をしっかりと受け止めることのできるレンズ。僕にとっては理想的なカメラシステムだ。
撮影/沼澤茂美 文/オオガイアツシ(Blackbox Promote)
企画・制作/アサヒカメラADセクション、Blackbox Promote
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