Only Railway鉄道写真家 中井精也 氏 × FE16-35mm F2.8 GM Vol.5
美しき鉄道風景を、中井氏がαで撮る! デジタルカメラマガジンとの連動企画を毎月コラム形式でお届けします
みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。
5回目となる今回も、3回目と同じくダイナミックな画角を生み出すG Masterシリーズの広角モデル「FE 16-35mm F2.8 GM」1本のみで臨みました!
3回目では、いすみ鉄道の第二五之町踏切で夏の花火を中心に撮影をしましたが、いよいよ秋を迎え、僕の大好きな撮影地で撮るためには、どうしてもこのレンズで撮りたい!ということで、早くも2度目の登場となりました。そしてその決断は「大当たり!」で、このレンズだからこそ撮れた、伸びやかなパースペクティブで北海道の雄大な景色を写し出すことができたのです。撮れた写真を見たときに、北の大地で思わず「万歳!」と叫んでしまったぐらいです(笑)
というわけで今回の撮影地ですが、北海道を左右に横断する根室本線です。ここは「α7R III」が登場した時に僕が広告用に撮った場所でもあります。α7R IVとFE 16-35mm F2.8 GMの組み合わせで撮ったら、どんな写真が撮れるのか?
そんな好奇心もあって、是非この場所を再び訪れてみたかったのです。α7R
IVは有効画素数が約6,100万画素あるのですが、単に高画素ということでは無く、ひとつひとつが精細に写ることで、写真全体が、今まで経験したことのないような臨場感を持ち、かつ立体的に描写してくれます。
まさにFE 16-35mm F2.8 GMの真価を実感したような、そんな手応えも感じました。ちなみに、左上に黄葉樹を大胆に取り入れた構図はFE 16-35mm F2.8 GMの周辺解像力の高さがあってこそ狙える構図です。つまり制限なく、自由な発想で構図を追い込むことができるレンズだと言えるのではないかと思います。
次は場所を移動して、海岸沿いで沈みゆく太陽と海を背景に撮影しました。
今回ご覧いただく2枚目の写真です。
太陽の光を反射してギラリと列車が写っていますが、それだけでは無く、暗部になる原野も黒潰れせずに描写されているのが、お分かりいただけると思います!これは凄いダイナミックレンジだと感じました。 そして3枚目になります。
日没とともに列車が通り過ぎると、もう夜まで列車は来ません。でも、僕はすぐにその場を離れる気になれず、周囲が薄暗くなるまでずっと線路を見つめていました。根室本線の線路以外、人工物がまったくない原野。冷たいはずのレールが夕日色に染まり、なぜか暖かく感じられた瞬間でした。僕はこういう瞬間が大好きです。 太陽が沈むのを見届けて、さらに次なる場所へ移動します! 今回ご覧いただく4枚目になります。
灯っていた踏切の明かりが消えると、そこは星降る世界です。星々のわずかな光を精細に写してくれるだけでなく、まるで夜空に向かっていくかのような線路も、幻想的に描写してくれました。
僕は思わず、その美しさに心が震えました。
今回、最後の写真になります。
早朝、海は霧につつまれていました。朝日が昇ると霧は徐々に晴れ、空には白い虹が現れました。七色の虹を生み出す雨粒よりも粒子が細かい霧によって出現するこの白い虹は、気象用語で「霧虹」と呼ばれるそうです。α7R IVとFE 16-35mm F2.8 GMの組み合わせは、見事にこの幻想的で美しい風景を、あますことなく描写してくれました。 そしてまるで今回の僕の撮影旅行を、この白い虹が祝福してくれているように感じながら今回の旅を終えました。 それでは来月もこの場所で。 中井精也でした。
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