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αの魅力をひもとく #07
リアルタイム瞳AFが動物に対応したことで
広がる野生動物写真のセカイ

α Universe editorial team

自然の中にある「生命の力強さ」をテーマに写真を撮り続けている写真家・野口純一氏。その野口氏はソニーのαに搭載されている最新テクノロジーをどう生かしているのか。

野口純一 JUNICHI NOGUCHI 1968年、埼玉県生まれ。北海道在住。2輪、4輪のエンジニア時代にバイクツーリングで訪れた北海道にひかれ、2000年に移住。キタキツネの撮影をきっかけに、02年から写真家として活動を開始。北海道を中心に国内外の野生動物を撮影し、雑誌やカレンダー等の各種媒体に作品を提供。野生動物に関する深い知識と豊富な経験に基づく的確で粘り強い撮影スタイルから生み出される、力強く美しい作品には定評がある。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。 http://www.junsetsusha.com

野生動物の瞬間を
逃さず撮れるカメラ

α9,FE 600mm F4 GM OSS + 1.4X Teleconverter,F5.6,1/1600秒,ISO1600

自然の中に存在しえる尊厳されるべき生命。そこにはありのままの生命力を強く感じる。私はその力強い生命力を伝えていきたいと強く思いながらシャッターを切っているのだ。 ソニーのα9を使い始めてだいぶ経つが、野生動物を撮影するのに適したカメラとして、α9はさらに進化した。その進化の象徴ともいえるのが「リアルタイム瞳AF」が動物に対応したことだ(以下、動物瞳AF)。もともとAF–Cでの撮影時において、その追従のスピードと合焦時の正確さには定評があった。一度合焦すれば、吸い付いて離れないと感じるほどの追従性のよさ。さらにセンサー面の約93%をカバーする像面位相差AFのおかげで、一眼レフカメラと比べて構図の自由度はかなり上がる。撮影時に重要視しているのは「ありのままの自然、そしてそこでくらす野生動物」なので、瞬間を逃さず撮影するためにはとても神経を使っているのだ。

α9,FE 600mm F4 GM OSS + 1.4X Teleconverter,F5.6,1/1600秒,ISO1600

動物瞳AFが搭載されたことで、いろいろなことから自分を解放することができた。撮影時に重要なのは集中力だ。いつくるかわからないその瞬間を待ち続け、シャッターチャンスが訪れたら、すぐに露出や構図を考え、合わせたいピント面にフォーカスを持っていく......。そういった過程の中、この機能のおかげで、フォーカスを意識することがなくなった。意識する必要がなくなるほど正確なAFが継続して使えるからだ。カメラに任せることかができることは率先して頼り、その分、構図や被写体との距離、自身の安全確保への気配りなどに意識を向けることができる。これはネイチャー撮影においては非常に重要なことなのだ。 熊が水しぶきをあげながら走り回るシーンなどでも、従来だと手前にある水しぶきにピントが引きずられることがあったが、動物瞳AFはそういうことが少ない。カメラにあたかも意思があって熊の瞳をしっかり「瞳」としてわかっているかのように熊の瞳を追い続ける。その結果、躍動感のある動物写真を撮ることが可能だ。
レンズに関しては、FE 600mm F4 GM OSSを愛用している。このレンズは絞り開放から切れのいいシャープな写真を撮ることができる。ピント面のシャープさはとても素晴らしく、その効果も相まってとても立体感を感じる写真になるのだ。ぼけ味も私としてはとても好みのぼけ方で好感がもてる。

α9,FE 600mm F4 GM OSS + 1.4X Teleconverter,F5.6,1/1600秒,ISO3200

また、このレンズのもう一つの特長として600ミリであるにもかかわらずとても軽量であることだ。さらに、重いレンズ群がマウント近くに多数配置されていることもあり、重心の安定感が抜群。だからこそスペック以上に軽く感じられ、長時間握っていても疲れないのがいい。数字には現れない配慮がされているのもGMasterのレンズシリーズのいいところだ。自然の中に入り込み、その場の空気感を大事にしながら野生動物の素の姿を撮り続けるためには、信頼できるカメラシステムが必要だ。まさに命をかけながら「命」を撮る。そういう緊張感のある撮影ではαシリーズは「最高のパートナー」になっている。

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