一期一会で魅了する野生動物の豊かな表情を超望遠とリアルタイム瞳AFで写し取る
〜軽くて機動性に優れたRX10 IVの実力〜
北海道を舞台に野生動物を撮り続けている、今注目のフォトグラファー、平井葉月さん。動物の豊かな表情を撮りたい、と手にしたのは動物対応のリアルタイム瞳AFと24-600mmの超望遠レンズが搭載された「RX10 IV」。「撮っているときも楽しいですが、自宅で写真を見直す時間も楽しい」と嬉々として語る平井さん。イキイキとした表情の動物たちを捉えた作品とともに、「RX10 IV」の魅力をお聞きしました。
平井 葉月/フォトグラファー
1988年、愛知県生まれ。旅行が好きで、旅先で撮影しているうちに写真の世界に興味を持つ。2017年に撮影目的でひとり北海道を訪れたときに、豊かな自然の織りなす風景の美しさや野生動物と人間が共存する姿に感銘を受け、度々訪れるようになる。次第に北海道をより身近に、より深く知りたいという思いが強くなり移住を決意。2018年12月、北海道に移住。自然風景と野生動物をメインに撮影する日々を送っている。
https://www.hazukihirai.com/
Instagram:https://www.instagram.com/hazuki.h.photography/
北海道の絶景に魅了され、移住を決意。
表情豊かな野性動物を撮り続ける日々
――平井さんが写真を始めた経緯を教えてください。
高校生のころからコンパクトデジタルカメラで友人のスナップを撮るのが好きで、そのうちにもっとみんなの顔をきれいに撮りたいと思うようになって一眼レフを購入しました。一眼レフを手にしたら風景写真もきっちりと撮れるのではないかと思ったのです。そして、2017年の9月に一念発起、憧れの北海道に4日間の撮影旅行に行きました。もうそこで壮大な風景に圧倒されて「もっと撮りたい」と強く思うようになりました。そして、2度目の北海道は18年の1月、雪が降って北海道が一番輝く季節でした。それからは3か月に1回、2か月に1回と、どんどんペースが縮まって、ついには2週続けて週末に行ったこともありました。それで、「もっと北海道のことが知りたい、毎週行くのだったら思いきって住んでみよう」と移住を決めました。私、思いたったら決断が早いです。一度きりの人生、後悔はしたくないので。
――驚きの行動力ですね。平井さんが動物写真に目覚めたきっかけは何ですか?
北海道に住む前は名古屋で暮らしていたのですが、動物は動物園で見るものでした。それが、北海道では車を運転するだけで普通に野生動物に出あえる。そして、その野生動物たちの表情がイキイキしていて素晴らしい。私の実家では犬をたくさん飼っていて、ペットはペットでとてもかわいいいのですが、野生動物はより表情が豊かというか、ダイナミックなのです。この表情をもっともっと見たいと思ったし、みんなに知ってもらいたいと撮り始めました。 この時になって、一眼レフはボディもレンズも重たくて、持ち運びが不便だなと思い、軽くてコンパクトなミラーレス一眼カメラに切り替えました。α7 IIだったのですが「これからを担うカメラだな」と思ったのを今でも覚えています。
出あい頭でも、サッと構えて撮れる。
RX10 IVは軽さと機動性の高さが魅力
――動物写真を撮るうえでカメラにはどんな機能を求めますか?
動物との出あいは「いつも突然」です。ごくまれに、狙って撮ることもありますが、ほとんどは車で走っているときにふと出あう。そんな急な状況なので、まずは手軽さです。すぐに撮れる機動性の良さがカメラには必要ですね。普段はα9とα7R IIIを使っていますが、ソニーのミラーレスカメラは軽くて助かっています。
――今回の撮影では、RX10 IVを使っていますね。
RX10 IVは軽くて小さくて、片手で持てるのは衝撃でした。レンズ交換をせずに24-600mmの焦点域で撮れるので機動性は申し分ありません。車を運転しているときは助手席に置いて、ときには膝の上に置くこともあり、出あった瞬間にすぐに撮影態勢に入れます。 あと、屋外で風の強いときなどはカメラが重いと構えているのもやっとなのですが、このカメラではあおられることがなかった。これならば、女性でもラクに扱えます。 もうひとつ、手袋をしていても操作しやすいのがうれしいです。北海道での撮影は手袋が必須。私の場合はシャッタースピードを調整する親指とシャッターボタンを触る人差し指部分がワンシーズンで擦り切れるほどなのですが、手袋をしたままで操作の感触を確かめられるので安心でした。
ピントはリアルタイム瞳AFまかせ。
リラックスした表情を高速連写で逃さない
――それでは、作品を見ながらお話をお聞かせください。動物たちがとてもくつろいでいるシーンが目立ちますが、どのように撮影したのでしょうか?
このキツネは、背中がかゆいのか、雪の上でゴロゴロしながらあっちを向いたりこっちを向いたりしていました。常に動いていましたが、動物対応の「リアルタイム瞳AF」と秒間最高24コマの高速連写のおかげで、こちらに視線を向けた一瞬を捉えられました。
動いている動物にピントを合わせるのは本当に難しくて、今まではコンティニュアスAFで狙って撮影しても、ピントが毛並みや鼻にいくことがありました。リアルタイム瞳AFならシャッターを半押しするだけで瞳にピントが合い続けるので、私は画角や構図、動物の表情の変化に集中できました。
家に帰ってチェックするとどのカットもピントはきてるし、流して見ているとコマ送りの動画のように見られてすごくかわいいんです。撮影現場では夢中になって撮って、家で繰り返し見直してもテンションが上がる。2度楽しみました(笑)。
このときは、道東の野付半島まで車で片道5時間半かけて撮りに行きました。これは、シカが朝ご飯を食べているのを草むらに隠れて気配を消しながら撮っています。これも「リアルタイム瞳AF」が役立ちました。普通ならシカが食べている草にピントが持っていかれそうになりますが、しっかりと瞳を捉え続けてくれました。
正面を向いているときに瞳を一度捉えたら、横向きに歩いている横顔にもリアルタイム瞳AFがずっと追随してくれました。西日が当たって瞳が鋭い感じになって、光るビー玉みたいにとてもきれいです。これもリアルタイム瞳AFがなかったら、鼻先や毛並みにピントが持っていかれてしまいますね。600mmの望遠で撮影しているので、キツネがフレームに入るのも、こっちを向いてくれるのも、シャッターチャンスはほんの一瞬。この短い瞬間にピントが正確に合うのは本当に重要なことなんです。これからは動物写真にリアルタイム瞳AFはなくてはならないものになると思います。
小さな動物に寄れることに感動!
600mmだから撮れた愛らしい世界
――こちらの作品は、まるで童話の世界のようですね。ストーリー性を感じます。
雪のなかのエゾリスです。隠しておいたエサを「どこかな」と探しているところでしょうか。このカットは600mmの望遠だからこそ撮れた1枚です。わたしはこれまで400mmまでの望遠レンズしか持っておらず、それ以上の望遠は今回の撮影が初めてだったのですが、動物の表情に「こんなに寄れるんだ!」と、すごく感動しました。この写真も被写体がとても小さいので、400mmだったら背景と同化してしまっていたでしょうね。600mmだからこそ、背景のぼけも生きて奥行きが表現できている。400mmだったら出せない世界観だと思います。
あと、今回は作品にできませんでしたが24mmまで広角側でも撮影できるのは強みだと思いました。例えば、リスを撮影していると想定外に近寄ってくることがたまにあります。レンズ交換している暇はないですから、もう諦めて見ているしかありません。でも、RX10 IVなら24-600mmの広角から望遠までをカバーするレンズが一体なので、近寄ってきたときに24mm側にするなど不測の事態にも対応できて撮影の幅が広がります。RX10 IVは、初心者にもベテランユーザーのかたにもおすすめしたいですね。
素早いリスも写し止める高性能AFと
毛並みまでリアルな圧倒的な描写力
――続いての被写体は、とても動きが速そうな動物リスです。やはり、撮影するのは難しいのでしょうか?
難しいです。シカやキツネは進行方向を予想できますが、リスは縦横無尽に動くのでまったく予測できません。動きもとても速い。わたしが撮っている動物のなかでは一番速いです。ですが、RX10 IVは超望遠域でも瞬間的にAFがリスを捉えて、粘り強く追い続けてくれました。
それに解像感にも驚きました。毛並みがすごくリアルに出ていて、ピント面をカリカリに描写している。600mmで撮っていますが、まるで目の前にいるみたいに立体感があります。
奥からこっちに向かってくるリスを撮るのはすごく難しいのですが、AFが追随してくれたのでしっかり撮れました。私は地面に寝転んだ状態で、リスが迫ってくるのを連写で狙いました。おそらくリスと私の間に埋めておいたエサがあるのでしょう。私に食べられたらたまらないと思って猛ダッシュしていたのかもしれません(笑)。
撮っているときは夢中でシャッターを押して、家に帰ってから仕上がりを見て興奮しました。ピーンと立ったヒゲもしっかり写ってるし、生え始めたばかりの耳の冬毛もはっきりと写っていました。前後のぼけの描写もきれいですし、ちょうど日の当たるところでリスが飛んでくれて、おまけにリスが蹴散らしたイチョウの葉が飛んでいる一瞬もしっかり撮れていました。これは、私が今まで撮ってきたリスの写真のなかでも一番の出来です。
野生動物の優しくかわいらしい表情を
ファインダー越しに追いかけ続けたい
――平井さんが嬉々として撮影しているのが伝わってきます。
動物の表情がはっきりわかる距離まで寄れるのが、とても楽しいです。400mmではファインダーを覗いてもイマイチ表情はわからなかったのですが、600mmなら目の表情だって見て取れる。撮っている時点でテンションが上がります。そして、家に帰って確認するとまたびっくり。こんなに繊細なところまで写っていたのかと。動物対応のリアルタイム瞳AFと600mmまでズームできる、RX10 IVは最強だと思います。
――これから、どのような動物写真を撮っていきたいですか。
今回紹介したキツネ、シカ、リスをはじめとして、モモンガやフクロウは引き続き撮っていきたいですね。新しいチャレンジとしては、冬に知床で見られるオオワシや北海道にしかいないシマエナガを撮ってみたいです。最近はスマートフォンのカメラも進化していますが、やはりカメラのファインダー越しに見る動物の表情は別物です。「野生動物って、こんな優しい表情をするんだ!」というのは、やはり寄れるカメラでなければ知ることができなかった発見です。RX10 IVなら600mmまで寄れますからね。これからもRX10 IVを車の助手席に置いて、野生動物の険しさのなかに潜む、優しい表情やイキイキとした姿を撮り続けたいです。 最後に今回紹介しきれなかった、「RX10 IV」で撮影した作品を、ぜひご覧ください。
※画角は35mm判相当(最大画素数読み出し時)、カメラに表示またはExifに記録される値です
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