αの魅力を紐解く#08
有効約6100万画素の
高い解像性能がもたらす
新しいポートレート撮影の領域
タレント、アイドル、俳優、女優のポートレートをはじめとする作品を撮り続ける写真家・山岸伸氏。ソニーのα7R IVを手にした山岸氏は、カメラの進化をどうとらえ、刺激を感じたのだろうか。
山岸 伸 SHIN YAMAGISHI タレント、アイドル、俳優、女優のポートレート撮影を行い、数々の写真集を手がけ、その数は400冊を超える。人物撮影以外のジャンルにも精通し、ばんえい競馬、賀茂別雷神社(上賀茂神社)、球体関節人形など、自身が魅力を感じた被写体を積極的に撮影している。その秀逸な写真活動により、平成28年日本写真協会賞作家賞を受賞。とかち観光大使。
進化した動体追随性能に驚き
作品づくりに刺激を与えるカメラ
新しいカメラに出合うと、いつもワクワクする。手にした瞬間から期待が高まってくる。ソニーα7R IVを初めて箱から取り出したときには、ひときわ大きな高揚感を覚えた。
ボディーを一見すると、使い込んだα7R IIIの外観のボタンやダイヤルの配置に大きな変化は見られず、すぐにいつもどおりの撮影を任せられるという安心感を与えてくれる。そのグリップを握ってまず進化を感じた。α7R IIIよりもグリップの形状が大きくなっており、さらにしっかりと手になじみ、ホールド性が増していることに気づかせてくれた。細部までよく見て、操作してみると、ボタンやダイヤルが指に当たる感覚がより近くなり、存在を意識させてくれる。ボタンが立体的になっていたり、ダイヤルの高さに工夫を凝らしたことで、指で深く探りにいかなくても操作が可能だ。使い始めは慣れ親しんだα7R IIIからの変化を多少意識するが、やがて使い込んでいくうちに指がその感触を覚えていくだろう。
新しいカメラは大きな刺激を与えてくれる。たとえ同じモデルを撮影するにしても、似通った作品にはしたくなく、安易に撮影を済ませたくはない。そこには大きなこだわりを持っている。このカメラを使って、まずはじめに何をどう撮影してみようか、さまざまな思いを巡らせていると心が躍ってくる。
撮影を始めてすぐに気づいたのは、高速なAFレスポンス性能だ。とくにモデルに動きを与えたシーンなどでは、動体追随性能が格段に進化していることを感じた。自由に動いている被写体に対しても、カメラ任せでしっかりと追随し続けてくれるのだ。AIを活用した新機能「リアルタイムトラッキング」がもたらす安心感は、撮影時の心強さを増してくれた。
これまで何度も、自分とモデルの双方が動きながらの撮影にチャレンジしてきたが、そのたびに思うような仕上がりが得られず、企画倒れに終わることが多かった。しかし今回はそれが実現でき、納得のいく作品を撮影することができた。ピントや露出も含めて望みどおりにかなえてくれる完成度の高さは、すばらしいの一言だ。モデルをたびたび静止させて狙うのではなく、どんどん動くなかでその表情やしぐさをとらえていけることに気づいたとき、写真の可能性がまた大きく広がったことを認識した。撮れてうれしいという気持ちを改めて感じさせてくれたのだ。
有効約6100万画素の解像性能と階調性の高さには、衝撃的な驚きを感じた。正直なところ、ここまで必要なのかとさえ思わせるほどだ。これほどの解像感をどう生かそうかという、新たな作品づくりへの思いが生まれてくる。
今回の撮影ではG Masterを中心に4本のレンズを選んだ。どこまでも肌や表情の美しさを追求していくうえで、ソニーのレンズはどれも進化したカメラの性能をみごとに引き出してくれ、マッチングのよさを感じた。
作品を撮り続けていくためには、自分を奮い立たせてくれる刺激が必要だ。凝り固まった従来の意識にとらわれることなく、新しいカメラと出合い、新搭載の機能を使いこなすことで、感動や大きな喜びが得られ、それがまた自分自身の大きな力になっていく。一方でフィルム時代から積み重ねてきた経験を基にした綿密な計算と、スタッフの人力を生かした撮影は、後処理に重点を置いた流行の撮り方とは一線を画す。このスタイルは今後も貫き続けるつもりだ。
今回の撮影を終えて、改めて写真の奥深さを認識した。これからもさまざまなことにチャレンジして、まだまだ作品を撮り続けていきたい。そう思わせてくれたのが、ソニーのα7R IVだ。
山岸氏ギャラリー
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