FE 20mm F1.8 G
写真家たちの速報レビュー
2020年2月26日に発表された大口径超広角単焦点レンズFE 20mm F1.8 G。超広角20mmの画角と開放F値1.8の明るさに加え高い点像再現性、さらに小型・軽量設計をはじめ、高い近接撮影能力や静粛なAF駆動など、様々なシーンで威力を発揮するこのレンズをいち早く著名写真家に使用頂きました。
天体写真家 沼澤茂美氏
沼澤茂美/天体写真家
天文宇宙関係のイラスト、天体写真の仕事を中心に、内外の天文雑誌、書籍の執筆、NHK天文宇宙関連番組の制作・監修、プラネタリウム番組の制作などを手掛ける。パラマウント映画「スタートレックDeep Space9」の特撮映像素材、ポスター制作を担当。
ナショナルジオグラフィックツアーの同行や、多くのNHK科学番組の海外取材を経験しており、特に皆既日食や辺境の地での星空撮影が多い。また、世界最大規模の星の祭典「胎内星まつり」の企画運営や胎内自然天文館の建設監修を行っている。ライフワークとして赤外写真、モノクロファインプリントの表現を追求している。
2004年環境大臣賞受賞。著書多数。
コメント:
外観も手に取った感じも、まさにFE 24mm F1.4 GMをやや小さく軽くした感じで、これで大口径超広角の世界が手中にできると考えると、使用前から期待感でかなりヒートアップしました。24mmよりも一回りワイドな画角は、星空風景の構図決定の自由度を広げてくれます。特にαのブライトモニタリングとの相性はよく、星々の配置と地上風景を合わせた緻密な組み立てを容易にしてくれます。
F1.4よりも2/3絞り暗いものの、F2.8よりは1絞り以上明るいというのは、その場で感じた見たままの情景、あるいは目では感じることのできないディティールまでも容易に記録することが可能で、このレンズの最大の魅力といえるでしょう。そして、実際の撮影結果は期待通りのものがありました。開放から安心して使える優秀な結像性能はまさにGM譲りです。厳密に言えば周辺部の星像はFE 24mm F1.4 GMと比べると少しメリジオナル方向に伸びる傾向があると感じましたが、それはひじょうに軽微です。そしてサジタル方向の乱れはほとんど無いことに驚かされます。
明るく高解像度のレンズは高画素のα7R IVで星空を撮る際、高画質をフルに発揮させるための最良の選択と思います。このレンズは、星空風景の撮影における新たなスタンダードレンズといっても良いかも知れません。
写真家 並木隆氏
並木隆/写真家 1971年生まれ。高校生時代、写真家・丸林正則氏と出会い、写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現・ビジュアルアーツ)中退後、フリーランスに。心に響く花をテーマに、各種雑誌誌面で作品を発表。公益社団法人 日本写真家協会、公益社団法人日本写真協会、日本自然科学写真協会会員。
コメント:
これでG MasterではなくGレンズなんだ。撮影した画像を確認して正直に思った感想でした。
どのレンズでも画質が厳しくなる最短撮影距離付近にある被写体でも、ピント面の解像力の高さは花粉のひとつひとつをしっかり解像するハイレベル。それでいて、ふわふわっとした滑らかなぼけ味はG Master譲り。超広角にありがちな画像周辺の歪みもしっかり補正しており、開放F値が1.8というところ以外劣る部分が見当たらない、コストパフォーマンスの高いレンズです。
最短撮影距離も0.18m(MF時)とズームレンズとは比較にならないくらい寄れるレンズなので、咲いている状況を取り込んだ花撮影に最適です。
ただし、20mmという超広角レンズなので、背景をしっかりぼかしたいならば、できるだけ遠くの背景が入る被写体選びとアングルが必要になってきます。単純に被写体に寄るだけでは、大きなぼけ味を得られません。それが超広角レンズの難しさでもありますが、これが使いこなせるようになれば16mmや12mmといったより広い画角を持つ超広角レンズも思い通りに使いこなせる、超広角の入門用としても最適なレンズといえますね。
ペトグラファー 小川晃代氏
小川晃代/ペトグラファー トリマー、ドッグトレーナー資格などの動物資格を保持するペトグラファーで今までに3万匹以上のペット撮影を手がける。制作会社勤務を経て動物に特化した制作会社&写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。写真教室の講師をはじめ、イベント企画・ペットモデルのコーディネーター等活動は幅広い。著書は「ねこの撮り方まとめました!」「こいぬ」「こねこ」他多数。
コメント:
ペット撮影をする上で大切にしている事はペットとのコミュニケーションだ。初めて会うペットを撮る時は特に気を使う。遊んだり、触れ合ったり、おやつをあげたりして心の距離を縮めてから撮影するとスムーズに行くのだ。
実際に撮影する時には物理的にも距離を縮めたい。ペットの自然で生き生きとした表情を捉える為に左手であやしながら撮影をする。その為レンズの最短撮影距離は0.45m以内が理想だ。FE 20mm F1.8 Gは最短撮影距離が0.19m(AF時)のレンズだからこのような撮影で威力を発揮する。かなり近づけるのでペットのそばで息づかいを感じながら臨場感のある写真が撮れた。広角の明るいレンズにもかかわらず373gと非常に軽量でもあるから片手持ち撮影も楽々出来る。
そして何と言っても美しいぼけ感と高い解像力がこのレンズの最大の魅力だ。私は主役のペットを引き立たせるため、背景はふんわりぼかして撮影する事が多い。広角レンズでこれだけキレイにぼけてくれるから言う事無しだ。
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