Only Railway鉄道写真家 中井精也 氏 Vol.11
美しき鉄道風景を、中井氏がαで撮る!デジタルカメラマガジンとの連動企画を毎月コラム形式でお届けします
みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。
特別編の第二弾となる今回は、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSについて、昨年一度ご紹介していますが、僕が一番愛するG Masterとして、これまで撮りためた写真で改めて紹介させてください。
G Masterレンズは本当に甲乙つけ難く、どのレンズもとても気に入っていますが、とりわけ使用頻度が高いレンズがFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSになります。頻度が高くなるのは、やはり100mmから400mmという焦点域と、軽量なことで動き回りながら長時間の撮影でも負担が少ないこと、そして何よりもこのレンズの、精緻で黒が締まった高コントラストの描写力だと感じています。
それではこれまで海外で撮影してきた写真をご覧いただきながら、このレンズで僕が気に入ってる点など含めてご紹介していきますので、宜しくお願いします!
最初の1枚です。
この写真は、リスボンらしい入り組んだ街の光と影をコンセプトに撮った1枚です。電車に露出を合わせて撮るところですが、コンセプトを光と影としたので、敢えて明暗差がクッキリと分かれるように工夫して、露出を暗くしています。
奥行き感のある構図にしようと思い、手前の住宅と奥の教会を試行錯誤しながら、最も効果的だと思える位置に配置しました。こうした光を読みながら構図を追い込んでいくような撮影シーンでは、スムーズなズーム操作が重要な機能になります。
このレンズのズームリングはとても滑らかで操作性も良好ですが、ズームリングの回転の重さを調整できる「ズーム操作感調整リング」というもので、トルクを自分好みにカスタマイズすることができます。
僕は瞬時に変えたいような場面ではトルクを弱く設定し、微調整しながら撮りたい時は強めにカスタマイズしています。
2枚目です。
海外らしい幻想的な夜の世界を、壁のような住宅街の合間から、市電が顔を出す瞬間を狙って撮りました。この写真は手持ちで撮影しているのですが、ぶれることなくしっかりと撮影することができました。
さらに暗所でもオートフォーカスが迷うことなく高速に作動することも、ストレス無く快適に夜の撮影をサポートしてくれました。
3枚目になります。
街を歩きながら、ふと目に飛び込んできた光景に心惹かれてシャッターを切るのも僕が好きな撮り方のひとつです。この写真では、鮮やかに咲き誇る美しい花を主役に、背景に電車をコラボさせてみました。
前の写真でもオートフォーカスに触れましたが、このレンズには不意に撮りたい!という欲求にも応えてくれる高精度なAFが搭載されています!それに加えて、最短撮影距離もこのクラスのレンズとしては短いので、マクロとまではいきませんが、マクロ風な表現を楽しむこともできます。ちなみにAFフォーカスモードを被写体までの距離によって切り替えることができる機能があるので、シチュエーションによって切り替えてあげると、より撮影が快適になります。
4枚目になります。
市街地を走るケーブルカー。といってもケーブルは地下に埋められているので、一見すると路面電車のように見えますが。この写真では、美しいぼけ味を活かして手前の建物の壁をやさしくぼかしてアクセントにしました。ぼけ味の美しいレンズだからこそ、思いつく構図もあるのです。
それから空中を行き交う電線も印象的ですが、解像低下の原因にもなる倍率色収差を抑制するスーパーEDガラスが入ってるので、行き交う電線も精細に描写されているのが分かるかと思います。まるでその場で見ているかのような臨場感を生み出せているのも、このFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSのレンズパワーが成せる技だと言えるでしょう。
5枚目です。
ハンガリーで撮った1枚です。この写真はテレ端の400mmで撮影していますが、列車の解像感の高さ、色のりの良さ、手前左側の樹木のぼけ味の美しさ、全てが本当に素晴らしい描写力だと感じた1枚です。
緑の季節を、その空気感までも捉えてくれたと思います。400mmの焦点域が、まるで箱庭のように表現してくれました。
6枚目です。
ブダペスト中央駅の夜明けの瞬間を捉えました。朝日が完全に逆光となる条件でしたが、ナノARコーティングというフレアやゴーストを低減してくれるコーティングが施されているお陰で、とても美しい1枚となりました。
朝日に照らされた複雑に絡み合うような線路も、精緻に描写してくれています。
今回ご覧いただく最後の写真です。
スペインのモンセラット登山鉄道です。この壮大な光景、広角レンズを使いたくなるところですけど、岩肌や群生する樹木を凝縮したような表現をしてみたいと思いFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSで挑みました。
高い解像感とクリアな描写力が、見事に目の前の光景のひとつひとつを描写してくれていることで、狙い通りの1枚を撮ることができました。
如何でしたでしょうか?FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSのレンズパワーは?
ちょっと調べてみたら、このレンズの発売日は2017年7月でした。発売と同時に使い始めているので、そうするとこのレンズはもう3年近くも僕の大事な相棒ということになります。
今回ご覧いただいた写真の他にも、さまざまな場所でこのレンズ、本当に活躍してくれているなぁなんて、ちょっと思い出しながら、今回はこれで終わります。
それでは来月もこの場所で!
中井精也でした。
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