α6600は咄嗟の判断に
応えてくれる
〜一瞬を逃さないその機動力と性能〜
鉄道写真家 山下大祐 氏
多彩な表現で様々な鉄道を撮影されている鉄道写真家の山下大祐氏。鉄道撮影におけるα6600のAF性能や、スタミナ、機動力などについて作品と共にお聞きした。
山下 大祐/鉄道写真家
1987年兵庫県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。2014年からレイルマンフォトオフィス所属。鉄道広告、鉄道誌、カメラ誌等で活動。鉄道を舞台にスチル、ムービー問わず作品づくりに注力している。αアカデミー講師、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。
2018年 αプラザ写真展「鉄路の瞬(またたき)」札幌・大阪・名古屋
2018年 個展「SL保存場」富士フォトギャラリー銀座
2019年 αプラザ写真展「鉄道+α」福岡
2019年 αプラザ写真展「鉄道の美しいところ」大阪、福岡、札幌、名古屋
https://www.daisuke-yamashita.com
最初に、α6600のコンパクトさに感激しました。バッグの中で全く場所をとりません。フルサイズαと併用すると、同焦点距離で画角が変わることは当然注意しますが、フォーマットが複数種あることはいまや一般的ですし戸惑うことはありませんでした。 また、Zバッテリーが使えるようになったことは大きな進歩です。運用しやすいのはもちろんですが、とにかく長持ち。遠慮なく連写して撮影することができます。
ただでさえ高速な新幹線に、トンネルを抜けた瞬間、どれだけ素早くピントを合わせられるか。この作品は、もはや画づくりのためというよりもカメラに試練を与えるのが目的のようなシチュエーションです。
AFでピントを素早く合わせ、すぐレリーズ!ギリギリ1コマ目がフレームに収まりました。このように望遠効果で一見正面に見える新幹線も実際はファインダーを横移動していきます。その横移動に追随させるときはリアルタイムトラッキングを使います。一度捉えた被写体をファインダー上でしつこく追いかけ、逃しません。α6600の賢さに感動しますよ。
見た目は小さいα6600ですが、朝方や夕暮れどきなど描画の難しい状況下でも、非常に再現性が高く演算速度も早いことを実感しました。私はいつもマニュアル露出で撮影しますが、路面電車の作品は‘シャッター速度優先モード’で撮影しました。迫り来る列車にピントを追従させズームを引きながら何枚も撮るからです。背景の空のトーンと暗部となる車両の描写がどちらも程よいバランスで再現できています。
α6600の機動力と性能は
様々な撮影シーンに対応できる
次の作品は、函館市電の古風な車両に乗って前面展望したときの写真です。せっかく走行中の車内で撮るので、車窓をブラして撮りたいと思いました。こんな時にα6600の光学式5軸ボディ内手ブレ補正は非常に助かりますね。揺れる車内で1/13秒という低速シャッターでも窓枠や運転士さんのシルエットはきちんと止めて写すことができています。
こちらの作品も函館市電の車内で撮影しました。走行中に最後尾で運転台を写しました。窓に書かれた「乗務員室」の文字が、運転台に影を落としたところを見計らってシャッターを切りました。車内のような限られた空間でも小回りが利くのはコンパクトさの優位性でしょう。
下の作品は、北海道のとある小駅を撮影したものです。列車が到着するというタイミングで乗客がホーム上に現れました。もう咄嗟の判断ですね。一気にワイドにして、列車だけでなく乗客のシルエットも入れ込みました。そのためピントのターゲットがかなり画面の端に位置してしまうのですが、カバー範囲の広さによって対応できました。列車の位置も連写を活用して、なかなかニクい位置で止めることができたと思います。
こちらは静岡県を走る岳南鉄道という路線の列車交換風景です。日没までわずかという刹那の光を、入線してきた列車がギラリと受け、それをもう一方の列車に反射し、思いがけず無人の駅は黄昏に包み込まれました。AF速度やカバー範囲の広さは咄嗟の判断に対応して良い瞬間を残すことができる一つの鍵です。
機材の拡張性や汎用性は重要なポイント
FEレンズのミラーレス専用設計という優位性が突出します。カメラからの指示で光学ガラスを物理的に移動させるのはレンズ側ですから、カメラとレンズの相性は重要です。この躍動感あふれる作品は、レンズに装備された手ブレ補正モードを流し撮りに最適なMODE2にして撮影しました。超低速シャッターによる流し撮りでも非常に繊細な描写力です。
また、αフルサイズミラーレスとの併用を検討されている方にとっては、機材の拡張性や汎用性は重要な点でしょう。レンズやバッテリーが共通して使える点は、省荷物化だけでなく、不測の事態への備えともなります。ユーザーとしてはとても安心です。
α6600はZバッテリーを搭載しており、スタミナ面でも安心です。 撮影スタイルによりますが、鉄道撮影を一日中α6600一台でこなすのであれば、Zバッテリーは1個。夢中になって撮りすぎる場面との出会いに備えてもう1個。計2個あれば十分です。常に電源ONで首から下げて携行するときはもう1個くらいで安心です。私は念のため、複数個準備しておきましたが、交換の少なさに驚きました。USB充電・給電は使いませんでしたが、こちらもあると安心な機能ですね。
いつもとは違う撮影スタイルに挑戦できる
カメラ自体がコンパクトで軽量だと首から下げて常時携行できます。バッグに収納するとしても場所を選ばないので、取り出しやすく、撮影がしやすいです。不思議なもので、そうすると人ってスナップ撮るんですよね。ましてバッテリーの保ちも良ければなおさらです。日頃、鉄道車両を中心に写真を撮り慣れている方も、α6600をバックに収納せずに持ち歩いてみてください。ひと味もふた味もちがった鉄道写真が撮れると思います。
今やαシリーズでは標準の、全画素読み出しによる4K30p動画が、モード変更するだけで撮影可能です。S-LOG撮影にも対応していて、撮影後にカラーグレーディングを楽しむことができます。この時撮影したのは北海道の内浦湾沿いをゆく特急列車で、S-LOGで撮影し海の色などをより鮮やかに見えるよう調整しました。
写真が楽しいのは、突発的で偶発的に生まれる作品があるからです。そのためにはなるべくカメラは携行できて性能が良いものを。そしてシステムは汎用性が高い方がより機転が効くでしょう。だから1マウントでFEレンズをフルサイズ機、APS-C機で共用するのです。瞬間・瞬間を素敵だと感じる「心」も大切ですね。私も、鉄道の素敵な瞬間を表現できるようにと願いながら写真を撮っています。
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