最上もが × ooxo
フルサイズミラーレスα7シリーズで撮る“鏡の世界”の裏側
PASHA STYLE Vol.6の巻頭を飾る「最上もが × ooxo × Sony」のPhotoコラボレーション。ボディにフルサイズミラーレス機Sony α7R IVとα7 IIIの2台、16mmから200mmまでの7本のレンズを準備し万全の体制で撮影に臨んだ。フォトグラファーは本誌編集長でありSony α Universeのサイトにも作品を提供しているooxo。スタジオは東京亀有の人気スタジオStudio Lumiere'kだ。
Mirror World…に潜む“最上もが”の願望
今回の作品のタイトルは「Mirror World…」。どのようなコンセプトで撮影されたのだろうか。作品から溢れるファンタジーの源泉をフォトグラファーooxoに紐解いてもらった。 ooxo「日常的に忙しく、常に誰かの視線を感じている“タレント”の最上もがさん。そんなもがさんは、いつも鏡を覗く度に何かの気配を感じている。自分が見る自分の影に隠れた何か。実はそれは、己の願望が形となって現れた夢の世界線。鏡の中に広がるそれは、猫になって自由気ままに、そして好きなだけ眠る自分のもうひとつの姿でした……そんなストーリーをイメージして今回の作品を構築していきました。」
シーン① 〜現実〜 タレント最上もが
まずはα7 III+FE 24-70mm F2.8 GMで、最上さんの私服撮影からスタート。これまで何度となく作品撮りという作業を共有してきたooxoと最上さんならではのくつろいだ雰囲気で、和やかながら緊張感も感じるスタートだ。このカットを皮切りに一気に撮影は進んでいくこととなった。
シーン② 〜鏡の世界〜 白猫のもが
ここから最上さんはドレスデザイナーのアリスガワアリスさんの衣装と、頭飾造形さんのリアルなヘッドドレスで鏡の中の住人にチェンジ。メインとなるカットを撮影していく。白い雲に抱かれるようなベッドの上で白猫のもがが、微睡んでいたかと思えば、ゴロゴロと仲間と戯れる。少し気だるい起き抜けの様子。様々な事象から開放された心地よい時間を漂う気ままな猫がそこにいるようだ。天井からディフューズされた光が降り注ぐ白く美しいスタジオには、さらに窓から優しい光が差し込んでくる。ただ自然光が入るかわりに室内の露出が天候、時間に左右されてしまう不安定で難しい空間だ。まずは三脚にセットした有効約6100万画素のα7R IVで決めのカットから撮影していく。場所の雰囲気をたっぷり活かした引きの絵でもしっかりと細部まで解像されるのは流石α7R IVと言わざるを得ない。ぜひ本誌P12のサンプルを見ていただきたい。 ライティングはモデルへのメインライトをカメラ右側から傘トレで1灯、部屋全体の明るさをサポートする天井バウンスのライトをカメラ左後方に1灯、モデルの顔に落ちる影を軽減するためのハニカムグリッドを装着したスポットライトを1灯の3灯で構成。自然光の地明かりを活かしながら、より印象的に光をコントロールしていた。 一通り引きのカットを撮り終えると、素早くボディをα7 IIIに持ち替える。こちらは手持ちでフリーアングルのカットをどんどん撮っていく。高感度・高速&高精度AFのα7 IIIのバランスのよさが心地よく撮影を進めてくれる。モデル撮影では進行のスムーズさは仕上がりのクオリティに直結しがちだ。なるべく淀みなく撮影するため2台のボディの役割を完全に分離した。
シーン③ 〜鏡の世界〜 黒猫のもが
陽が傾き刻々と夜の帳が落ちる頃、鏡の中の世界にもひとつふたつ燭台に灯りが灯り始める。白の部屋もそうであったようにこの空間も独特のアンバーの世界。Lumiere'kの拘りが細部の細部まで行き届き、思わずシャッターを切りたくなる。日中とは一転、艷やかな黒猫に化身した最上さんの妖艶な眼差しがooxoの構えるファインダーに突き刺さってくるようだ。ここでも三脚にα7R IV、手持ち用にα7 IIIをスタンバイ。素早くリズムを崩さぬように、軽やかに動き回る肢体と眼差しを確実に切り取っていく。 ここでのライティングも空間の雰囲気を活かしながら作られていく。カメラ右側からアンバーに色温度を調整した傘トレ1灯をメインに、顔に落ちるシャドーを軽減するスポット1灯のシンプルなライティングで、仄暗い雰囲気を崩さないように光がコントロールされた。 このような薄暗いシーンにおいてはαシリーズの光学式5軸ボディ内手ブレ補正と高精度の瞳AFが信頼と心地よい撮影を約束してくれる。フォトグラファーはモデルとのコミュニケーションやフレーミングに注力することができるのだ。
Mirror Worldから現実という世界線へ
現実の世界から夢の世界へとシーンを変えながら多くのカットを1日で撮り切るハードな現場だった。こんな時コンパクトで信頼の置けるフルサイズミラーレス機の2台体制というのは、タイムロスが少なくモデルのテンションもキープしやすい理想的な装備だということを実感できる機会だった。日中から日没までという大きな光量変化にも現代のミラーレスなら悠々とクオリティを保ちながら応えてくれるのだからいい時代になったものだ。ただそんな時代だからこそ、より作家のオリジナリティやコンセプトワークが重要となる難しい時代といえるのかもしれない。 ooxo「本格的な写真創作活動をはじめた頃からSonyを使い続けていますが、一貫して自分の中にあるイメージカラーを表現するのにとても相性がいいカメラですね。シックでアンティークな描写が出しやすく、それでいてハイキー時の階調の粘りもローキー時の立体感の表現力も申し分ありません。そこに今回は、高精度の瞳AFや光学式5軸ボディ内手ブレ補正、圧巻のレンズバリエーションといった最新技術の恩恵を受けることができ、絶対的なクオリティを保ちながら、撮影時にはストーリーや背景に意識を使いつつ、最上もがさんのベストショットを切り取ることに集中できました。」
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