純正が引き出すカメラの真価
〜旅するクリエイター Kei氏 × FE 85mm F1.8〜
純正レンズはカメラの真価をより引き出してくれる。
今回は、旅するクリエイター Kei氏に、α7 IIIとFE 85mm F1.8で撮影された作品を基に、純正レンズの魅力についてお聞きした。
旅するクリエイター Kei 氏
16年間続けたアルペンスキーを通じ、"勝負"における最大の武器は「精神力」と「覚悟」であることに気付く。
スポーツ推薦で中央大学に入学するも、在学中に学んだ社会学/フィールドワークという学問に非常に興味を持つ。
「旅」への魅力が更に高まり、大学4年生の時にバックパッカーとして世界一周を経験(48ヶ国)。
その後「映像×旅」の魅力に気付き、世界中で自身の旅の様子を展開。
現在は東京と地方を行き来し、デュアルライフに挑戦する27歳。
僕は月の半分以上、拠点である東京を離れて旅をし、その地で出会った”発見”を作品にしています。
それは息を飲むような絶景だったり、その土地ならではの暮らしだったり、まるで絵本の1ページのような物語だったり。
都会育ちの僕の人生に刺激をくれる、アナログ的な"発見"を見つけては、デジタルに載せて、日本にいる皆さんにシェアしています。
緊急事態宣言前は、海外を転々とし、自身の作品と観光系のCMを制作していました。
大学4年生の時に、バックパックひとつで1年間かけて世界一周をし、そこでクリエイターとしての道を決意しました。「世界は、僕らが想像している以上に広い。そこには未完の物語が、星の数ほど存在している。」ことを理解し、決まりかけていた人生を再び、”未完の物語"として表現しています。
好きな言葉は「FOLLOW MY COMPASS. 心のコンパスの向く方へ」。
今回はそんな物語のうち、先月訪れた沖縄の写真とともに、α7 IIIとFE 85mm F1.8の性能についてお話ししたいと思います。
夕陽のグラデーションをそのままに表現
FE 85mm F1.8はぼけ感が非常に綺麗なので、写真・動画共にポートレート撮影でよく使用します。
解像度も高く、夕日や朝日での撮影でもノイズが入りにくいです。僕は夕陽のグラデーションが好きなので、夕日の光をバックに人物、などの作品を撮りたくなります。AF機能を使えば、マジックアワー時でも、被写体にしっかりピントがあってくれるので、助かります。
α7 IIIの高解像度が引き出されていると感じたのは、やはり暗所時・逆光時です。日が沈み、マジックアワーに突入した沖縄県・本部町の夕日。次の作品は宿の屋上にある、煉瓦(れんが)の隙間からその瞬間を収めましたが、ノイズが入ることもなく美しく撮ることができました。
単焦点レンズならではの、前ぼけを生かした構図を撮影したく、煉瓦の隙間から夕陽を覗きました。夕日などの風景を撮るなら、広角レンズでも良いと思いますが、せっかくこのレンズを使っているのなら、手前にぼけを持ってき、「まるでその世界にいるような」奥行きのある風景を切り取りたいと思いました。
夕陽が沈み、ゆっくりと夜になっていく。
そんなグラデーションがα7 IIIの階調表現によりしっかり残せたと思います。また撮影時の時間経過による明るさの変化にも対応できる解像度で、辺りが暗くなっても問題なく撮影できました。
瞬時にピントを合わせてくれる快適さ
AFといえばソニーのカメラと言っても過言ではないと思っています。ダブルリニアモーター搭載で、逆光や暗所でも瞬時に被写体にピントを合わせてくれます。
次の2作品はAF性能を生かし、撮影しました。
照りつける太陽の下、波の音が寄せては返り、のんびりと時間が過ぎていく石垣島。
日が落ち始め、すこしずつ空の色も、風の匂いも変わってきた。そんな様子を、夕方まで海で遊んでいた僕は、浜辺でただただゆっくりと眺めていました。
僕の足元を2匹のヤドカリがちょこちょこと歩いていたので、思わずカメラを構えました。
ヤドカリにとっては、この浜辺さえ大きな大きな世界の断片。
サハラ砂漠を旅していた頃を思い出して、そんな「果てしない旅路を終え帰省するヤドカリ」を表現するため、奥行きをつくりました。被写体であるヤドカリに綺麗(きれい)にピントが合ってくれてお気に入りの作品です。
また、「瞳AF機能」もカメラが自動で瞳に合わせてピントを合わせてくれるので、使い勝手が良いです。
素早い動きのある撮影ではどうしても、ピントがズレやすくなります。瞳AF機能があることで、瞳にピントを合わせ続けてくれるので安心です。カメラを始めたばかりの方にも、もちろんプロの方でも、とても良い機能だと思います。
さまざまなぼけを楽しめる
このレンズで、特に気に入っているのが「ぼけの表現」です。とても滑らかで美しいイメージだと思います。大口径単焦点レンズならではの背景ぼけ、F1.8の絞り具合で多彩な表現が可能なので、このレンズ1本で様々な作品が撮れると感じます。 手前にぼけ感を出しても、後ろをゆっくりボカしてもとても美しい仕上がりになります。ぼけ味を生かした望遠風の撮影や遠近被写体を生かした広角風の撮影も可能です。 1本だけ旅に持っていくレンズなら?と聞かれれば、この1本でも充分かもしれません。
目に見えない空気感・気温をどう演出するか
動画撮影時にも、自然と被写体にAFが合ってくれるので、動画を始めたての方でも簡単に素敵な作品が撮れると思います。AFのスピードも違和感がなく、精度も非常に高く満足しています。
僕が映像を作るときにいつも「レンズに映らない空気感を表現する」ことを大切にしています。
例えば、-10°の冬の北海道での撮影や、40°を超えるインドの砂漠での撮影。
「気温」というものをどう表現するかをいつも意識します。映画を見ていても、その場の
独特な雰囲気が「世界観」を作っていくと思います。
どうやったらその場所の空気感を膨らませるか、伝えられるのかを考え、撮影・編集をしています。
差し込む光、落ちる雫、動く雲。一見、日常の中に潜む「美しさ」を映像にうまく混ぜることで、世界観が広がり、いわゆる「お洒落な雰囲気」を演出してくれると思います。
僕のメインの仕事は映像制作になりますが、映像は簡単にいうと「被写体に寄った映像」と「全体を写す引きの映像」で構成されていると思っています。
このレンズ1本で寄りも引きもカバー出来てしまうので、エントリーのレンズとしても非常にオススメできます。
また、寄りで撮影した際に背景が大きくぼけ、被写体が際立つので、とても印象的な作品が撮れると感じます。AFも高性能なので、手前の物にピントを変える際も、しっかりとフォーカスを当ててくれるので、使い勝手も良いです。
機動力、スタミナ性能は重視するポイント
僕がα7 IIIをメイン機として、趣味の旅でも、仕事の制作でも使用する理由はそのサイズ感にあります。
そのため、レンズも小型軽量であることは重要な要素となります。旅は基本的にバックパックひとつで行うので、小型・軽量さは非常に助かります。
機材が大きく重いと、それだけで移動範囲が制限されてしまいます。交通量の少ない田舎の道を10km歩くには疲れてしまいますが、小型軽量であることはそんな不安や悩みを解消してくれます。また防塵・防滴に配慮した設計なので、雪山での撮影や砂漠での撮影でも使うことが出来ます。
また、スタミナ性能も大事なポイントです。
僕は旅をしていて、その暮らしを"切り取る"撮影が多いので、シャッターチャンスが多ければ多いほど嬉しいです。機材のスタミナ性能が高いと、撮影の範囲はより広がり、シャッターチャンスを逃さず撮影に挑めます。この機材は、バッテリーの持ちも良く、何個もバッテリーを持ち歩く必要もありません(僕はいつも2個持ち歩いています。)
創作意欲の湧く、豊富なレンズラインアップ
豊富なレンズラインアップがあることは、非常に助かりますし、楽しいものだと思います。
学生時代に遊んでいた、モンスターを倒すゲームの武器のように、「今回はこういう撮影だから、このレンズを持っていこう。今回はこっち、次回はこれを使おう。」と思えるのは、非常に楽しいです。
またソニーのレンズはAPS-Cセンサー用もフルサイズセンサー用も同じ1マウントで、マウントアダプターなどを使う必要がありません。様々なレンズを用途によって使い分け、ハイクオリティな作品が撮れるので、同じマウントであることは非常に便利です。
ソニーのレンズラインアップの中で、僕は「G Lens」の200-600mmを使用してみたいと思っています。「旅先での暮らしを切り取る」ことを日頃意識して撮影しているので、近くで寄りの撮影ではなく、敢えて遠くから望遠で撮り、自然な姿を撮りたいです。
カメラを構えられると多くの人は、カメラを意識してしまい、少し堅苦しい表情になってしまう。いつもは、300mmのレンズを使い、少し離れたところから撮影していますが、更に遠くの距離から撮影してみたいですね。
また、このレンズであれば、鈴虫の声が聞こえ、砂埃が舞い、無数の動物たちがいるアフリカのサバンナで、動物たちの決定的瞬間をとらえる、緊張感漂う撮影がしたいです。
心惹かれるものを撮り続けていきたい
FE 85mm F1.8は、ソニーのカメラを初めて購入したという方にもオススメできるレンズです。
やはりカメラを買ったばかりですと、どのレンズから購入すべきか分からないと思います。このレンズはぼけ味が綺麗なので、まずはこのレンズを通して、ソニーならではのぼけ味を体感していただきたいです。
こんなご時世で、なかなか海外にいけず、撮影する機会が減っていましたが、今回の沖縄での旅を通して、再びカメラの魅力を肌で感じ、感性が舞い戻ってまいりました。
カメラを片手に旅するのは、本当に楽しいです。初めて購入したのは、α6300。泣けなしの貯金を使い、思い切って購入しました。それから少しずつ機材が増えていき、現在は相棒として活躍するα7 III。これからも、自身の足を運んでより良い作品と物語を作っていきたいと思います。心のコンパスの向く方に、ゆっくりゆっくり歩いていきたいです。
記事で紹介された機能の詳細はこちら
記事で紹介された商品はこちら
ワンクリックアンケートにご協力ください
αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。