純正が引き出すカメラの真価 〜wasabitool氏 × Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS〜
純正レンズはカメラの真価をより引き出してくれる。
今回は、フォトグラファーのwasabitool氏に、α7R IIIとVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSで撮影された作品を基に、純正レンズの魅力について語っていただいた。
wasabitool / photographer 2014年夏、SNSにて素敵な写真を目の当たりにし『こんな世界、自分も撮りたい!』と強く願ったのが撮影を始めたきっかけ。三脚やレリーズも無い状態から手探り独学にて撮影方法を学ぶ。京都、奈良を中心に日本を感じる風景、水鏡を利用したリフレクション写真を好む。自然を、人を、そして自分を見つめなおすきっかけとなった『言葉に表せない自身の想い』として撮影を続けている。 Instagram:https://www.instagram.com/wasabitool/ Twitter:https://twitter.com/wasabitool
普段はオフィスワークをしており仕事帰りや休日を中心に撮影しています。特に京都、奈良といった古き日本を感じる街並み、季節の花、水鏡を利用したリフレクション写真を好む傾向があります。撮影前から作品を意識して下調べを行う場合もありますが、多くは撮影先での直観を信じ感じたものをそのままスナップ撮影します。カメラを本格的に学びだしたのは6年前ですが、ソニー製カメラは20年以上前に発売されたデジタルマビカ時代から愛用し続けている根っからのソニー好きです。
今回は、α7R IIIとVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSを使い、様々な街の風景を撮影しました。
このレンズの最大の魅力は超広角域16mmから準広角域35mmまでを撮影可能とした幅広い焦点域。特に風景写真において超広角域を利用する機会は多く、16mmの焦点距離は大きな魅力です。また余計なものが写り込む場合は、35mmまで可能なズームが威力を発揮する。カメラバッグに入れておくと1本でほとんどの風景写真をこなしてしまう万能レンズだと感じます。
どんな状況下でも、信頼できるレンズ
日が落ちた砂浜にて花火の撮影を試みました。当初花火の大きさがわからず16mmに設定していましたが、構図が広すぎたので22mmに再設定を行い撮影しました。その際、暗い砂浜でも構図合わせを可能とするα7R IIIのブライトモニタリング機能と、MFモードにてVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSのフォーカスリングを回すとピント拡大が自動で行われるので、時間のかかりやすい暗闇での構図切り替えを短時間で行うことができました。仕上がった1枚は花火の繊細さ、波の揺れに反射する様子、夜景の美しさに息をのみました。これはVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSがα7R IIIの高解像力を最大限発揮した成果だと感じます。 水鏡を利用したリフレクション撮影では、高コントラストなレンズの描写性能が重要になってきます。こちらは夏の雲が広がる様子と森の木々を撮影しました。日中の晴れた池で撮影すると太陽の光が水面に乱反射し、フレア、ゴーストが発生することがありますが、そういったものを感じず撮影することができました。
次の作品は池に浮かぶ提灯を撮影しました。コントラストがはっきりと出にくい、マジックアワーの時間帯での撮影でしたが、提灯の灯りと背景を見事に描写してくれました。これらは反射を抑えた高コントラストな描写性能を発揮した「T*(ティースター)コーティング」の採用成果といえると思います。
美しい一瞬を逃さない
こちらの作品は、浜辺を散歩していて夕焼けが綺麗でしたので、太陽が徐々に水平線へ近づき淡い光を出した時間帯に撮影を試みました。
この作品は特にお気に入りで、波が引く瞬間、わずかに残った水に反射する残光に加え、太陽への軌跡を描写する美しいぼけがあることで、より印象的な作品になりました。このような撮影では、ピントを手前へ合わしてしまうと、波が来る際AFが迷うことがあります。そんな状況にもかかわらず撮影できたのは、ボディとレンズの性能があるからだと思います。AFを背面モニターにタッチすることで簡単にピント合わせを行うことができました。また、レンズのズームリングもスムーズで、最適画角に短時間で合わせ、求めている構図を作ることが出来ました。この一連の流れを簡単かつ素早く行えるので、一瞬で美しい情景を捉えることが出来ました。
このような水鏡を利用したリフレクション写真を撮るには、風が無いのが必須要件です。私の場合、メインとなる被写体に+αが欲しいので、背景の雲が好みの形になるまで5日間連続で通いました。背景にはメインの被写体以上に気を遣っており、夕焼け、鳥、月、様々な背景を組み合わせることで、被写体がリフレクションにより一層引き立ちます。撮りたい画になったその一瞬を逃さず、捉えてくれる性能・描写力があり、安心して撮影に挑めます。
様々な場所に持っていける機動力
今回、作品撮りをするために渓谷へ足を運びました。渓谷の撮影では撮影機材の選択が非常に重要になってきます。足場の悪い岩場がある山道では、大きく重量のある機材は大きな負担となりますし、滝の水滴を浴びる可能性を配慮し防滴性能も必要な条件となります。Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS〜は、ボディと合わせても1.2kgにも満たず、防塵防滴に配慮した設計です。このような厳しい状況下において最良の選択と感じます。リュックに余裕を持たせると同時に肩への負担を軽減してくれました。体力が温存できるので、撮影により一層集中できたのが非常にありがたいと感じます。
撮影では水の流れが緩やかであったため露光時間は1秒にしました。ローアングルが最適と判断し、ミニ三脚にα7R IIIを固定し構図を決めました。このように水面ギリギリのローアングル構図を撮るには通常寝そべる必要がありますが、液晶モニターを傾けるだけで、真上から確認することができました。また、仕上がった作品を見てみると、美しいエメラルドグリーンの滝つぼが鮮明に表現されていて、レンズの高品質な描写力に大きな魅力を感じました。 こちらの作品は、散歩している際に出会った1匹の三毛猫を撮影したものです。陽が落ちて暗くなり始めた空を眺めている様を撮影しようとシャッターを切りました。
このような薄暗い状況下でも簡単に撮影できてしまい、仕上がりに驚きました。ボディの優れたAF性能と光学式5軸ボディ内手ブレ補正に加え、ボディの解像力を最大限にレンズが引き出してくれた成果だと思います。また、レンズとボディを組み合わせてもコンパクト且つ軽量なので、こうした散歩スナップでも気軽に使えるのが魅力的です。
お気に入りのレンズがあると出かけたくなる
日常の生活において、次の休みは撮影に行こうと計画するのも楽しみの一つです。ZEISSレンズを保管庫から取り出し、質感を再確認し、青いロゴを眺める。ZEISSレンズは「T*(ティースター)コーティング」の採用により高い信頼を感じるだけではなく、所有感を満たす魅力があり、名前だけのブランドではない強い安心感を感じます。 Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS〜は、渓谷や山登り、都市部での夜景撮影等幅広く風景を求める方にオススメします。軽量かつ小型の設計は移動や収納を容易とし、16mmから35mmまでの焦点域は汎用性が高く、幅広い作品作りが可能となります。 Eマウントは豊富なレンズラインアップがあり選択肢の幅がとても広い。構図が決まっている場合には写りの良い短焦点レンズ、初めての撮影地ではズームレンズ、複数のレンズを持ち込む場合でも1マウントの汎用性が機材の最小化に貢献してくれる。こうした作品を撮りたいと想像したときにEマウントレンズは最適なレンズが存在するのが心強い。 ぜひ皆様もお気に入りの一本を見つけてみてください。
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