みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。
第3回目となる今回のテーマカラーは“金色”です。
この色彩が撮れるチャンスと言えば、そう、朝日と夕日の時間帯。ドラマチックに金色に輝き、しかもカッコいい写真が撮れる場所はないだろうか? と悩んだあげく僕が向かった先は山口県でした。山口県は東側に瀬戸内海、西側は日本海に面しているので、瀬戸内海側から昇る日の出と、日本海に沈む夕日の両方を見れるという条件を満たしています!他にも青森県、兵庫県などが該当しますが、ここ山口県は瀬戸内海に山陽本線、日本海側には山陰本線という名路線が走る抜群のロケーション!そこで今回は、1つの県で朝と夕の2回、金色の色彩を探す旅へと出かけてきました。
また撮影機材はα7R IVにFE 16-35mm F2.8 GM、 FE 24-70mm F2.8 GM、 FE 70-200mm F2.8 GM OSSの3本、いわゆる大三元レンズで臨みましたので、そこのところも是非お楽しみください!
では早速ですが、今回、最初にご覧いただく写真です。
瀬戸内海の島々から昇る朝日と、山陽本線の列車を撮影したものです。朝日が昇ると穏やかだった瀬戸内の海はドラマチックに変化し、キラキラと輝き出しました。そこへやってきたのは山陽本線の下り始発列車。列車の側面に輝く波が映りこみ、神々しいほどの金色の世界が完成しました。 撮影したレンズは、FE 16-35mm F2.8 GM。ナノARコーティングを施し、逆光に抜群に強いこのレンズ。これほど強烈な逆光でも、フレアやゴーストの心配不要です! 2枚目です。同じ場所からの撮影になります。
1枚目の始発列車はローキーでドラマチックかつ重厚な雰囲気の作品にしましたが、こちらはハイキーで爽やかな雰囲気に仕上げてみました。このように同じ風景でも露出の変化によって、作品の雰囲気は劇的に変わります。 朝の太陽の光を全身で浴びていると、いつのまにか僕自身も晴れやかな気持ちになっていました。 続いて3枚目です。こちらの3枚目は1枚目、2枚目とレンズを変えてFE 24-70mm F2.8 GMで撮りました。
朝7時になると太陽の位置が高くなってきたので、輝く海をバックに列車をシルエットで撮影できる場所へと移動しました。 こういう時は列車がしっかりとシルエットになるように、ローキーにするのがテクニックです。太陽を入れた引きの構図にしてみました。 線路の手前に家や電柱がある厳しい条件でしたが、目立つハイライトの位置に列車が来る構図をつくることで、電柱などの被写体が気にならないように気をつかって撮影しています。 4枚目になります。3枚目と同じ場所からになります。
なおレンズを変えて、FE 70-200mm F2.8 GM OSSで撮影しています。
貨物列車を牽引する機関車のなかに、機関士さんのシルエットが浮かび上がる瞬間を見事に捉えることができました。
ドラマチックな空と海がメインの写真ではありますが、こうして機関士さんが入ることで作品に温もりが宿るから不思議ですね。
5枚目です。夕刻の写真になります。
山口県に来たら、欠かせない贅沢な被写体があります。それが山口線で運行されている「SLやまぐち号」です。
牽引するのはその形の美しさから「貴婦人」と呼ばれたC57形蒸気機関車。
車輪、ボイラー、そして車体中に張り巡らされた配管。前に進むために必要な装置を集めただけのカタチであるはずなのに、その姿はまさに機能美の極致。そのフォルムが夕陽に照らさて金色に輝く姿は、どんな最新車両よりも美しく、絵になると実感しました。撮影に使ったレンズFE 70-200mm F2.8 GM OSSは、夕日に染まる美しい質感を余すことなく描写してくれました。
そして今回ラストを飾るのは、こちらの写真になります。
朝日と列車を撮影した山陽本線の大畠駅付近から、直線距離にして約100km。山陰本線の須佐駅と宇田郷駅の間に位置する惣郷川橋梁です。 日本海に沈む夕日をバックに、城壁のような独特の形をしたコンクリート橋のシルエットが幻想的に浮かび上がります。 17:30、海岸線に陽が沈み始めると、1日数本しか走らない列車が最高のタイミングで現れました。夕日の繊細な空のグラデーションを美しく描写してくれました。 朝に山陽本線で撮影した金色とはまた違う、重厚で少し赤みを帯びた黄金色。その夕陽を受けて輝く列車も、朝と同様に希望の列車のように僕には見えました。
さて今回の金色を探す旅は如何でしたか?
次の旅ではどんな色彩と出会えるのでしょう。
それでは 来月もこの場所でお会いしましょう!中井精也でした。
記事で紹介された商品はこちら
ワンクリックアンケートにご協力ください
αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。