フルサイズ対応のズーム全域開放F値2.8通しのレンズとして最広角は12mmに達し、逆光耐性も高く、諸収差を徹底的に抑え、高画質を実現したソニー最高峰のレンズ「G Master」FE 12-24mm F2.8 GM。風景写真にはぴったりのレンズだと写真家の清家さんは語る。
清家 道子/写真家 福岡生まれ。JPS 日本写真家協会会員。 カラーコーディネーターを経て風景写真家となる。 地元九州の風景を独自の色彩感覚と視点で撮影している。 2011年より企業カレンダーを手がける他、写真雑誌への寄稿、カメラメーカーでの講演、撮影会などを行なっている。 2016年に写真展「またまの宇宙」をリコーイメージングスクエアで開催。 同写真集(日本写真企画)を出版。2017年フランスのプロバンス地方の写真集『The Gift Of Ranunculus』(風景写真出版)のすべての撮影を担当している。
午前4時、あたりは真っ暗だ。目の前には雲海が静かに広がり始め、群青色の空にはまだ星が瞬いている。前夜の雨は早朝まで続くという予報だったが、それでも何かに引き寄せられるようにここを訪れた。きっとこの風景を撮りなさい、ということなのだろう。ゆっくりしている暇はない。もうすぐ夜明けだ。 ソニーα7R IVに超広角のFE 12-24mm F2.8 GMを素早く装着し撮影に集中する。私が絶対的な信頼を寄せている組み合わせだ。朝の風景は目まぐるしい。雲海は風に乗ってどんどん移動し始め風景を変えている。ピント位置と構図を素早く決め、あとはレリーズでシャッターを切り続けた。この超広角のダイナミックな画角に加え、暗所に強い開放F値2.8の強みが最大限に生きた1枚と言える。 数枚撮った頃だろうか、いつの間にか星空は消え、その瞬間から雲海の向こうには、ほんのりしたピンク色が見えてきた。そしてゆっくりと太陽が昇りはじめる。何度この瞬間を目にしてもやはり心躍るが、ファインダーからは目を離さない。感動もファインダーを通してだ。FE 12-24mm F2.8 GMの驚くべきところは、こういう逆光にびくともしないところだ。フレア、ゴーストが信じられないほど少ないのだ。おかげで太陽が昇る瞬間から太陽が昇った後まで何の躊躇もなく撮影に挑める。こういった明暗差のある大風景も確実に写し止めることができる。 静寂の夜の星空から、輝く太陽の強い光まで、風景写真として1番難しい時間の撮影を、このレンズは「どうってことないさ」と言わんばかりに力強く私をサポートしてくれる。これからの私の相棒と言わしめてくれる最高の1本だ。
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