中野晴代/Photographer 静岡県在住。会社員をしながらフォトグラファーとしても活躍中。旅の記録や美味しいもの、テーブルフォトをメインに撮影している。2019年6月に共著「インスタグラム商品写真の撮り方ガイド」出版。
――FE 35mm F1.4 GMのサイズや操作性についての感想をお聞かせください。
どんなにカメラ本体が小さくても、レンズが大きくて重いとそれだけで持ち運ぶのが億劫になってしまいますよね。この35mmのレンズは約524gと軽量で、手にすっぽり収まるコンパクトサイズ。構えた時に安定する小型・軽量設計は、旅先でササッと撮りたい時に非常に重宝します。AF/MFを瞬時に切り換えられるフォーカスモードスイッチは、ファインダーから目を離さずにストレスなく操作できます。
――FE 35mm F1.4 GMでのテーブルフォト撮影はいかがでしたか?
テーブルフォトを撮る際には、本来ゆがみの少ない75mmくらいのレンズが適していると言われていますが、撮影する環境によって被写体と距離が十分に取れない場合は非常に使用しづらい画角です。その点35mmという画角は、ゆがみの少ないアングル(真俯瞰や真横)で撮影すれば自宅でテーブルフォトを撮影する際にも、カフェなど出先で座ったまま撮影する際にも非常に重宝します。
この写真は曇りの日の室内で三脚を使用せず手軽に撮った1枚なのですが、開放F値1.4で明るさを保つことができ、なおかつブレることなくくっきりと仕上がりました。カフェなどでは席を立って撮影することがなかなか難しいと思いますが、この画角なら座ったままでの近接撮影や真俯瞰での撮影が可能です。
――FE 35mm F1.4 GMの描写力について、どんな印象を受けられましたか?
この写真は手持ちでの撮影だったにも関わらず、ブレることなく被写体の細部がくっきりと描写されており、さらに奥行きや立体感までもがリアルに感じられる仕上がりには感動のあまり思わず声が漏れました。そして絞り開放時のふんわりととろけるような美しいぼけは圧巻です。見せたいところはくっきりと、それ以外はふんわりと、メリハリの効いた作品作りが可能です。いつも使用しているオールドレンズの描写も気に入っているのですが、絞り開放時にピントを合わせた部分の描写がもう少しクリアだったらいいなと常々思っていました。オールドレンズと同じくF1.4なのですが、G Masterであるこのレンズはピントが合っている部分の描写が非常にクリアで大満足の仕上がりです。G Masterの特長である「本来両立し得ない、解像と柔らかいぼけの高次元での両立」をまさにリアルに体感できた1枚です。
――描写力以外に何か気に入っていただけたポイントはありますか?
実はあまりAF機能を信用していませんでした。普段はオールドレンズも使用し、MFでピントを合わせることに慣れていることもあり特段重要性を感じていませんでした。FE 35mm F1.4 GMを使用して非常に驚いたのは、素早く正確なAF性能。当たり前ですが、目を酷使するMFより非常に撮影が楽です。じっくり撮影できる物撮りをメインに撮影してきましたが、物撮り以外にもチャレンジしてみたくなりました。このレンズに出会ったおかげで可能性が広がりました。そして絞り開放で撮影するとどうしても気になる色収差ですが、RAW現像の際にほぼ発生していないことに気が付きました。現像時にワンクッション作業が少ないことは効率的なので非常に助かりました。
――FE 35mm F1.4 GMをどのようなαユーザーの方におすすめしたいですか?
単焦点ならではの明るさや背景の美しいぼけを生かした写真が撮れるので、旅先でポートレートを撮りたい方、カフェでおしゃれなご飯を撮りたい方におすすめです。被写体に寄って撮るにも、少し引き気味で撮るにもちょうどよいレンズです。持ち運びにも適している約524gの小型・軽量設計という仕様も嬉しいですよね。そして旅先のカフェなど三脚を使用できない場合に本領発揮!手持ちでブレずに撮影できるF値1.4という明るさは非常にありがたいですね。
――FE 35mm F1.4 GM以外におすすめのレンズはありますか?
FE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.5 Gの3本のGレンズは描写もサイズ的にも汎用性が高いです。大きなレンズはどうしても重さがネックになりますし持ち運びも大変ですが、バッグに3本入れてもかさばらないという点は非常にポイントが高いです。そして最近迎え入れたFE 16-35mm F2.8 GMも非常におすすめです。普段使用している50mmのレンズでは表現しきれない部分を全てカバーしてくれます。
――最後に、レンズを交換する醍醐味について教えてください。
もともと物撮りメインだったので、35mmと50mmの単焦点のみで作品撮りをしていました。最近は旅に出て風景を撮ることも増えました。複数のレンズを使い分けることにより、表現の幅が広がったことが何よりも嬉しいですね。もっとこんな風景が撮りたい、こんな作品を撮ってみたいなど、今までの自分の殻を破ってより自由に写真と向き合えたことが一番の醍醐味です。
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