広角撮影を思う存分楽しめる
至極のレンズで表現する星景の世界
〜 FE 14mm F1.8 GM, FE 20mm F1.8 G 〜
星景写真家 北山輝泰 氏
星景写真撮影で私がレンズに求めること
「開放F値が明るい」、「小型・軽量」の2点は、山の上や森の奥の展望台などで、自然景観と星空の作品をメインに撮影する私にとって、もっとも重要になります。14mm F1.8と20mm F1.8の2本のレンズは、それらの要素を十分に満たしているので、迷わず購入しました。
特に20mm F1.8のレンズはその軽さに驚きました。赤道儀を使った追尾撮影や、電動ジンバル雲台を併用した動画撮影など、小型・軽量はあらゆる場面でアドバンテージがありますので、使い勝手にダイレクトに影響します。
想像を遥かに超えるF1.8からの描写力
特別な目的がない限り、絞って撮影することがほとんどないため、F1.8で実用的な作品が撮れるかどうかが非常に重要になってきます。「開放F値で撮影した際の中央〜周辺部の描写」と「周辺減光」は、私がレンズを買って最初に確認する最も重視する点になりますが、結果は大変満足いくものでした。 特に14mmに関しては、収差が起きやすい写真の四隅の星像まで、針で穴を開けたような美しい点像で記録されており、事前の想像を遥かに超え、ただ感嘆するばかりでした。
星景写真における理想的なぼけ形状
星景写真はマニュアルフォーカスで星にピントを合わせるのが基本ですが、作画的な狙いで、あえて手前にある地上の被写体にピントを合わせることもあります。その際、背景にある星空がぼけることになりますが、口径食の影響で、画像中心から端に向かっていくにつれて、ぼけの形がいびつに歪んでいくことがあります。しかしながら、これらのレンズは丸い形状を維持したまま綺麗にぼけてくれるため、近傍のピントの合った風景を強調しつつ、背景の星をぼかした作品にも挑戦することができます。その際、F1.8という開放値もぼけの効果を得られやすいため、撮影者にとって大きなアドバンテージとなります。
広角単焦点レンズは初心者にもおすすめ
画角が広いレンズはワンシャッターで星空と風景を広く切り取ることができるため、事前に星空と風景のシミュレーションを綿密に行わなくても、ある程度形にすることができます。そのため、これから星景撮影を始めたいと思っているビギナーの方には、まず広角レンズで撮影に慣れることをおすすめしています。また、単焦点レンズは焦点距離が変えられませんが、その代わりに被写体との距離やカメラアングルを意識すれば、近接風景をダイナミックに切り取りつつ背景の星空も美しく撮影することができますので、構図で勝負したいハイアマチュアの方にもぜひ使っていただきたいレンズです。
未だかつてない作品への挑戦
私が今積極的に取り組んでいるのは、従来撮影することが難しかったシーンでの星景撮影です。具体的な例では、人物を被写体にしたシーンでも、記念写真のように意図的に撮るものではなく、時の流れの中で自然に撮っていくスナップに近い作品や、三脚を使えない環境での星景撮影です。これらは高感度耐性に優れているαボディとF1.8という明るいレンズの組み合わせでしか撮れないもので、今回このレンズを導入した最大の理由でもあります。未だかつて見たことがない作品へアプローチするためには、これらのレンズが私にとって必要不可欠です。
星景写真にとってのEマウントレンズの魅力
頭の中でイメージした作品を現実のものにするためには、レンズ選びが重要になってきます。天の川撮影では広角を、星座撮影では標準を、月撮影では望遠をと、全ての焦点域を使い分けながら、風景とのマッチングを意識して撮影していくのが星景写真ですので、それら全ての焦点域にF値が明るいレンズが揃っているのがEマウントレンズラインアップの魅力だと思っています。それに加え、G Masterシリーズを筆頭とした描写の美しさは、シャッターを切るたびに撮影する楽しさを実感させてくれます。これからも魅力的な製品が生まれてくるのを、一ユーザーとして楽しみにしたいと思います。
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