α7 IVで静止画・動画撮影がより気軽に!〜静止画を撮影するように、動画撮影を楽しめる1台〜 写真家 大村祐里子 氏
大村祐里子/写真家 写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、撮影のほか、雑誌・書籍・Webでの執筆など、さまざまなジャンルで活動中。趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。 https://omurayuriko.jp/
α7 IIIから進化した表現力
静止画をメインに活動している者としては、α7 IIIよりも画素数がアップしており、解像感とトリミング耐性が高くなったことを嬉しく思いました。また、バリアングル液晶モニターが採用されているので、極端なローアングルなども撮影しやすくなりました。さらに、5.5段光学式5軸ボディ内手ブレ補正が入っているので、シャッタースピードが遅くなるような暗所のシーンでも安心して使えました。メニュー画面はα7S IIIと同じものなので、整理されていて大変見やすかったです。
こちらは山の上から海岸を望んで撮影をしました。解像感がありスッキリとしており、色彩も派手過ぎずに描写されていて、実際に現地で見たそのままの風景を写しとめることが出来ました。有効約3300万画素という画素数は、トリミング耐性がありながらも、大きすぎないので、どんな方でも扱いやすいと思いました。
夕暮れ時の港で、夕陽に照らされた漁船の質感が良いなと思いシャッターを切りました。強い西陽が当たっており、シャドウ部分はつぶれてしまいそうなシーンでしたが、拡大して確認してみると、シャドウからハイライトにかけて綺麗に表現されていて驚きました。新機種のダイナミックレンジの広さを感じた一枚です。
撮影をより楽しめる機能が搭載
私は背がとても低い(148cm)ので、バリアングル液晶モニターの搭載を待ち望んでいました!極端なハイアングル、ローアングルにも積極的に挑戦しようという気持ちになれました。また、縦構図の際も、極端なアングルで撮りやすくなったと感じました。
山の中腹から街を見下ろせるスポットを発見したのですが、私の目線から撮影すると低すぎて、街を見下ろしている感じがどうしても出ませんでした。そこで、手をぐっと伸ばし、バリアングル液晶を動かして真下から液晶を確認するような形で撮影をし、視点に高さを出してみました。ピントもタッチパネルでサクサク合わせられるのでノーストレスで撮影できました。
夕暮れ時の海岸にて、海面スレスレの超ローアングルから、こちらに向かってくる波を撮影しました。バリアングル液晶モニターを真上に向けることで、楽な姿勢のまま画角を確認して撮影できました。いままではこういうことをしていると、撮影に苦心するあまり水をかぶることもありましたが、今回は変にかがむことがなかったので、波がきてもすぐに退避できました。 α7 IVは大のお気に入りであるクリエイティブルックが搭載されています。今回は、静止画・動画ともにほとんどのカットでクリエイティブルックを使用しました。どれが目の前のシーンに合うかな?と探していく過程もまた創作欲が掻き立てられて楽しいです。さらに、各ルックをベースにして、様々な項目を好みに合わせて調整できるので、より自分らしい絵作りができるように思いました。 今回は「これ!」と決めつけず、その都度合いそうなクリエイティブルックを選ぶことにしたのですが、振り返ってみると、静止画だと、VV、IN、SH、BWをよく使っていました。動画は、ほとんどFLで撮影しました。私が好きなクリエイティブルックは上記のものみたいです。
ツタの絡まった壁がかっこいいなと思ったので撮影しました。カラーだと、意外とカラフルな壁だったのもあり、かわいらしい感じになってしまったのですが、 ‘BW’ を採用することでイメージ通りの渋い絵に仕上げられました。
レトロ感のある喫茶店でケーキをいただきました。コントラストと彩度を抑えたマットな質感に仕上がる ’IN’ がぴったりのシーンでした。適用した瞬間に「これだ!」と思いました。
青い海の上を、白いボートがスーッと横切っていく様子が美しいなと思いました。絞りを開放にして、少し夢の中にいるような雰囲気に仕上げてみました。シンプルな構図で、お気に入りの一枚です。実際は、ボートがかなりのスピードで動いていたのですが、液晶上で船にタッチをし、リアルタイムトラッキングAFを使用することで、絞り開放でしたがずっと船にピントを合わせた状態で構図と向き合えました。おかげで、自分の理想的な位置にボートがきたときシャッターを切れました。
動画撮影機としても信頼できる
動画の内容テキストはこちら今回は「動く写真のような動画」をテーマに、動画撮影をしました。具体的には、たくさん歩いて被写体を見つけ、それをひたすらに採取する、というテンションで臨みました。 動画機能が大幅にパワーアップしているところに驚きました。なんといっても4K 60pが選択できるようになったのがとても嬉しいです。4Kで撮影できればフルハイビジョンで納品時にはトリミング可能ですし、60pで撮影ができれば、あとでスローにすることもできます。そういう意味でより表現の幅も広がったと思いました。今回の作品も、あとで編集することを考えて4K 60pで撮影をしました。4K 60pで終日カメラを回しっぱなしでしたが、熱で止まってしまうことは一度もありませんでした。バッテリーも1つが完全になくなるくらいの消耗量で済みました。動画機としての信頼性は高いと感じました。 また、静止画・動画・S&Qの切り換えもダイヤル一つと簡単なので、静止画を撮ったシーンで、間髪入れず動画も回せるのが良かったです。静止画を撮る感覚のまま動画を撮りたい派の人間である自分にはピッタリのカメラだと思いました。実際に、テーマ通りの「動く写真のような動画」が撮れて気持ちが良かったです。 動画専用手ブレ補正‘アクティブモード’はかなり強力で、動画機としても頼れる存在だと感じます。ジンバルなしでも、手持ちのまま相当撮れる印象でした。特に、パンやティルトの動きはガタつきがかなり軽減されており、ぬるりと動いてくれる印象でした。実際に、今回の動画撮影はすべてアクティブモードをオンにして、手持ちで撮影しています。結果、荷物を減らすことにもつながったので、身体の疲労も最後までほとんどなく、たくさん歩いて多くの被写体を見つけることができました。 AF性能や手ブレ補正については、圧倒的な進化を感じました。抜群の精度を誇るリアルタイム瞳AFが、動画でも使えるようになったのが嬉しかったです。静止画で猫を撮ったあと、そのまま動画に切り換えてもしっかりAFが効いていたので、より静止画と動画をシームレスに行き来できるようになるなと感じました。
路地裏で猫を発見したので、まずは静止画を撮影しました。絞り開放でしたが、動物対応のリアルタイム瞳AFがしっかりと効いてくれました。猫は首を振ったり動いたりしていたのですが、きちんと猫の瞳にピントが合っていました。そのまま動画に移行してもまったく同じ状況で撮影できたので、ありがたかったです。
シームレスに動画・静止画撮影ができる1台
私はずっと静止画の勉強をしていたので、動画に対してはカメラの操作への不安などから、壁があるように感じていました。しかし、静止画・動画をシームレスに切り換えられるこの新機種の登場により、ハードルがグンと下がりました。静止画と同じか、それ以上に動画を撮りたい!と思えるようになりました。これは自分の中で革命的な出来事です。実際に、仕上がった作品も「自分らしい」と思えるものだったので、より動画への創作意欲がわきました。 ビギナーの方の最初の一台としては最高かなと思います。また、プロフェッショナル・アマチュア問わず、静止画・動画両方に本格的に取り組みたいという方にも積極的におすすめしたいです。撮影ジャンルも幅広くカバーしてくれるので、あらゆるジャンルの方に使っていただける一台に仕上がっていると思います。
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