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鉄道写真家 中井精也 氏 Vol.8
中井氏が“α1”と探す唯一無二の鉄道絶景!
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α Universe editorial team

みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 春の訪れは黄色い菜の花とピンクの桜。この鮮やかな2トーンを目にすると、気分も爽やかになりますよね。 というわけで今回は、本州よりも一足早く春が訪れる四国の海沿いを走る予讃線を訪れました。 香川県の高松駅から松山駅を経て愛媛県の宇和島駅に至る、全長297.6kmの四国最長路線。中でも僕が好きなのは「愛ある伊予灘線」という愛称を持つ、伊予市駅から伊予大洲駅に至る海回りの区間です。都市間を結ぶ特急はバイパス線である内子線を経由するため、瀬戸内海に面した穏やかな風景の中を鈍行列車がのんびりと走ります。 その風光明媚な車窓風景が人気を呼び多くの人が訪れ、土日休日には観光列車「伊予灘ものがたり」が運行されています。 赤と黄の2色とレトロモダンの車両が、この四国のロケーションにとても良く似合っています。 最初にご覧いただくのは、菜の花と桜の春らしいコラボレーションの1枚です。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM 24mm,F8,1/800秒,ISO1600

「愛ある伊予灘線」に沿って散策していると、まだ枯れ色の風景の中に、ひときわ輝いている場所がありました。ここは閏住(うるすみ)の菜の花畑と言われている場所で、予讃線の築堤が200mほど菜の花で覆われ、黄色い絨毯の上を列車が走っているような風景を楽しむことができます。 辺りを見回すと、偶然にも1本だけ河津桜が咲いていたので、その河津桜を手前に大きく入れて、菜の花畑と列車を撮影しました。 青空もあいまって、本当に春らしい1枚になったんじゃないかなと思います。 2枚目になります。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 120mm,F14,1/400秒,ISO800

1枚目と同じ、閏住の菜の花畑から撮りました。 この写真では、地元の方たちが観光に訪れた人々に喜んでもらおうと大切に育ててきた菜の花を主役に構図を考えました。 画面全体を菜の花の黄色い絨毯で埋め尽くして、右上だけを空けてそこに走ってくる列車を配置しました。 ちょうど走ってきたのは、新たに観光列車としてデビューした「伊予灘ものがたり号」。 ちなみに列車の下半分は写らないようにして、まるで菜の花畑から列車がピョコッと顔を出したような、そんな「ゆる鉄」風に仕上げてみました。 ゆるーい1枚に見えますが、右上に空けた部分に一瞬だけ顔を出す列車を捉えるために30コマ/秒の高速連写で臨んでいます。 そう考えると、α1だからこそ撮れた1枚とも言えますね。 3枚目になります。

α1,FE 16-35mm F2.8 GM 23mm,F8,1/8000秒,ISO800

ご存知の方も多いのではないでしょうか。海が見える駅として、とても人気のある下灘駅で写した1枚です。 青春18きっぷのポスターをはじめ、テレビドラマや映画にもロケ地として使われており、国内のみならず世界中からたくさんの人が訪れる観光地でもあります。 この写真は、僕が撮影していると、旅行で訪れたという大学生5人組のグループから「記念写真を撮っていただけませんか?」とお願いされて記念撮影をした後で、逆に僕から「モデルになってもらえませんか?」とお願いして撮った1枚です。 露出を背景の夕空に合わせ、人物はシルエットにしてみました。 想像していた以上に、とても素敵な1枚になったと思います。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 115mm,F8,1/640秒,ISO800

4枚目は「愛ある伊予灘線」のハイライトともいえる、本村川橋梁を撮った1枚です。 串駅に近いこの鉄橋は、高い山の上から見下ろすと壮大な海の風景をバックに撮影できるとっておきのポイントです。山間の鉄橋に、観光列車「伊予灘ものがたり」がゆっくりと姿を現しました。 この鉄橋では、乗客に海の絶景を堪能してもらうため、止まりそうなくらいまで速度を落として徐行するので、慌てずに撮影できるのも嬉しいポイント。鮮烈なボディカラーが、青い海によく映えます。 僕は列車を左右の隅に置く構図を好んで撮りますが、ここでは中央下部に列車を配置。左右の丘がシンメトリーの構図にしてくれたこと、鮮烈なカラーの車両もあいまって、小さく写る列車の存在感を失うことなく、どこまでも広がる美しい大海原も表現することができました。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 158mm,F5.6,1/500秒,ISO400

5枚目は「愛ある伊予灘線」から離れ、ビジネス特急が行き交う高松−松山の区間へ移動しました。 これは四国の石鎚山を背景に、特急いしづち号を捉えた1枚。 石鎚山は、山岳信仰の山としても知られる標高1,982mの霊峰。日本百名山にも挙げられる名山ですが、意外にも列車と絡めて撮影できるポイントは、あまりありません。 そんな中で玉之江駅に近いこの撮影地は、背景に石鎚山を入れて撮影できる貴重な撮影ポイントです。 しかし特急が走るこの区間は運転速度が早く、さらに標識のポールと架線柱の隙間に先頭車両が来る瞬間で撮らなければならないため、厳しい撮影条件になります。 α1の高速連写と精度の高いAFが、大いに役立った1枚です。 それでは今回ご覧いただく最後の写真になります。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM 24mm,F11,1/320秒,ISO1600

終着駅の宇和島が近い法華津峠からの1枚です。 一面に広がる蜜柑畑の奥に入り江の風景が広がる法華津峠は、四国を代表する鉄道絶景じゃないかと思います。 ドラマチックに表現したいと考え、日が暮れかける前の青色と橙色が混じったグラデーションの空で撮ろうと計画。17時22分通過の特急宇和海24号まで粘って撮影をしました。 空色は良い感じになりつつも、手前の蜜柑畑がどんどん日陰になっていくのが目に見えて分かったので、焦りながらも、狙い通りのドラマチックな1枚が撮れたと思います。α1の描写力にも感謝です! さて今回の予讃線はいかがだったでしょうか? それでは来月もこの場所で、皆さんに鉄道絶景を紹介できることを楽しみにしています! 中井精也でした。

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