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これからの未来を写す。
新世代ズームレンズが風景撮影にもたらすもの

写真家 福田健太郎 氏

α Universe editorial team

単焦点に迫る*高画質を実現しながら、携行性・機動性を第一世代から大幅に高めた FE 24-70mm F2.8 GM II。また、Gレンズならではの高画質で、パワーズームなどの優れた操作性と高い機動力を両立させたFE PZ 16-35mm F4 G。この2本のズームレンズは、プロの現場にどのような変化をもたらすのか。 今回は写真家 福田健太郎氏に、実際にFE 24-70mm F2.8 GM II、FE PZ 16-35mm F4 Gの両レンズで撮影した作品とともに、このレンズに対するインプレッションを語っていただいた。

* MTFチャート比較において

福田健太郎/写真家 1973年、埼玉県川口市生まれ。幼少期から自然に魅かれ、18歳から写真家を志す。写真専門学校卒業後、写真家 竹内敏信氏のアシスタントを経てフリーランスの写真家として活動を開始。日本を主なフィールドに、生命に溢れる自然の姿を見つめ続けている。写真集に『泉の森』、『春恋し-桜巡る旅-』など著書多数。公益社団法人 日本写真家協会会員。 Instagram:https://www.instagram.com/kentarofukuda508/

サイズ感やボディとのバランスが最高

――今回、FE 24-70mm F2.8 GM II、FE PZ 16-35mm F4 Gの2本のレンズで撮影に臨まれた中で、実際の撮影にこれまでと比べて変化がありましたか? 小さく、軽いは正義ですね(笑)。2本の新しいレンズに入れ替えてみると、カメラザックに余裕が生まれ、背負ってみると軽さを実感できます。持ち歩くことが当たり前の撮影スタイルですから、気持ち的にも、体力的にも楽になります。 今回は主にα7R IVとの組み合わせで撮影を行いました。FE 24-70mm F2.8 GM IIは約695g。従来機に比べて191gほど軽く、全長も短くなり、レンズはかなりスマートになっています。おかげで持ちやすくなりましたし、ボディとのバランスは断然良くなりました。 FE PZ 16-35mm F4 GはF4通しの広角ズームレンズですが、カバーする焦点距離と開放絞り値がまったく同じ、 Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSと比べて約165gも軽い。ズームやフォーカスを動かしてもレンズの長さが変わらないので、撮影時のメリットは大きいと感じましたし、ボディに装着した際のサイズ感やバランスは最高です。大げさに聞こえるかもしれませんが、レンズが着いていないような感覚で、軽快な撮影を楽しみたくなります。

ファインダーを覗けば気づける画質の高さ

――これまで多くのG Masterをお使いいただいてきた福田さんにとって、今回、 FE 24-70mm F2.8 GM IIの描写性能はいかがでしたか? 従来モデルは描写性能が素晴らしいですから、第2世代の大口径標準ズームの描写はとても気になるところでした。強い光源である太陽に向かって撮影するシーンで、フレアやゴーストの発生がよく抑えられているのは、ファインダーを覗いている時点ですぐに気がつきます。いろいろ撮影した写真を大きなモニターで確認してみると、画面の四隅までシャープな像であることはもちろん、その場の光と空気に触れることが叶う、繊細さも併せ持っていると感じました。 また、AFは高速で正確。自然の中に入っているとレンズの動作音は聞こえません。AF性能のおかげでテンポよく撮影が行えて、より集中できる効果は確かにあります。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F2.8,1/80秒,ISO200
α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 70mm,F14,1/320秒,ISO400
α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 40mm,F14,5/8秒,ISO100

足元の小さな自然まで、心が動いた世界を瞬時に撮影できる

――今回、FE 24-70mm F2.8 GM IIでは近接撮影能力も向上しましたが、福田さんの表現に影響はありましたか? 従来モデルではズーム全域で最短撮影距離は38cmですが、新レンズはワイド端で21cm、テレ端で30cmと、近接撮影能力はかなり向上しています。標準ズームレンズで近寄れることは利便性が増し、広々とした雄大な風景から足元の小さな自然の姿まで、心が動いた世界を瞬時に撮影できるのはかなり魅力です。 ぼかされた背景の像を見ても滑らかで、とても自然です。キレッキレの解像性能と柔らかなぼけ。両方を享受できる標準ズームレンズであるのは嬉しいですね。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 70mm,F2.8,1/8秒,ISO400
α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 49mm,F2.8,1/1600秒,ISO200

直観的な操作が可能に

――今回、FE 24-70mm F2.8 GM IIで撮影されてみて、操作性についてはいかがでしたか? 絞りリングの搭載は直感的な操作が行えて、シームレスに変えることも可能なのは動画撮影時に重宝します。それと、カスタマイズ可能なボタンが2つに増えて、縦位置の撮影時でも操作しやすくなりました。何気にありがたいと感じたのは、レンズフードにフィルターを操作できる窓がついたことです。青空や緑の色を濃く、水面の反射をカットして透明な色を出すにはPLフィルターが必須のアイテムになりますし、減光効果を可変するタイプのNDフィルターを用いて撮影する人も増えましたので。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 64mm,F16,1/10秒,ISO100
α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 25mm,F8,1/100秒,ISO100

高い描写性能と反応の良いパワーズーム

――今回、FE PZ 16-35mm F4 Gで撮影された印象はいかがでしたか? 解像・ぼけ感・逆光耐性など、描写性能は高いなと感じました。対応するカメラであれば、ズームリングの操作方向を逆方向にカスタム可能であったりするので、レンズに焦点距離の印字がなく、普段は印字ありのズームレンズを使っているのでちょっと戸惑いましたが、それは最初だけでした。パワーズームは反応が良く、静粛性が非常に高いですし、操作性にストレスを感じることはないですね。

α7R IV,FE PZ 16-35mm F4 G 16mm,F11,1/60秒,ISO100
α7R IV,FE PZ 16-35mm F4 G 16mm,F8,1/1600秒,ISO100
α7R IV,FE PZ 16-35mm F4 G 17mm,F11,1/30秒,ISO200
α7R IV,FE PZ 16-35mm F4 G 21mm相当,F4,1/125秒,ISO100

もう悩まない!これがベストなズームレンズ

――福田さんにとって、この2本のレンズはどういうものでしょうか。また、αユーザーに向けてアドバイスがあればお願いします。 FE 24-70mm F2.8 GM IIはソニーの純正レンズの最高峰、開放絞り値F2.8の大口径標準ズームレンズで、従来モデルの大きさ、重たさに躊躇されていた方には朗報です。使用してつくづく思うのは、良い仕事をするためには欠かせない、最高のレンズであるということです。 FE PZ 16-35mm F4 Gは、小型軽量な広角ズームを求めている方はきっと満足されるでしょう。絞り開放から十分に使えて、近接撮影能力も高く、風景撮影ではF8やF11と、少し絞ると周辺部の描写はより安定します。アクティブな映像表現を求める動画撮影にはこの小型軽量とパワーズームが威力を発揮するはずで、レンズの重量は353gですから、小型ジンバルでも安定します。 静止画と動画。どちらも撮る楽しみを存分に味わえるのがソニー、αの魅力だと私は思っています。そのハイブリッドな撮影に対応する純正レンズが続々と登場してきていますが、今回の2本のレンズはカバーする焦点距離からしても、待ち望んでいた方は非常に多いと思われ、撮影機材のシステムを構築する上で、基本となる大変重要なズームレンズと言えます。

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