映像クリエイターの志向にさらに寄り添うFX3 Ver.2.00 新ソフトウェアの魅力
映像クリエイター 石田裕一 氏
FX3は、Ver.2.00にソフトウェアアップデートすることによって、新たに「Log撮影モード」が搭載され、さらに動画撮影に最適なユーザーインターフェースや操作性を実現し、これまで以上に映像クリエイターの表現力を引き出し、仕事をこなせるカメラとして業務の効率性が向上します。これからプロとして映像制作に携わりたい方や、Log撮影でカラーグレーディングを本格的に始めたい方、既にCinema Lineシリーズのカメラを使われている方、今後Cinema Lineシリーズのカメラで仕事をしていきたい方など、幅広いユーザーにご利用いただけます。 なお、今回は大幅なソフトウェアアップデートとなりますので、アップデート後にはカメラ設定が初期値にリセットされ、各種設定の保存機能を使っていたとしても読み込むことができません。あらかじめカメラの設定値をメモしておくことをお勧めします。また、S-Log2は非搭載となり、S-Log撮影はS-Log3のみとなりますのでご注意ください。
クリエイターのワークフローに寄り添った新Log撮影モード
FX3は、シャドウからミッドトーン(18%グレー)にかけての階調特性を重視したS-Log3を搭載しており、色域はS-Gamut3、S-Gamut3.Cineに対応しています。 FX3 Ver.2.00では、ポストプロダクション処理を前提としたS-Log3ガンマカーブ用の撮影モードとして、Cinema Lineカメラで共通したワークフローが実現できる「Cine EI」、選択した Exposure Index(EI)に連動してカメラが自動的にBase ISOを切り換える 「Cine EI Quick」、露出設定の自由度を提供する「Flexible ISO」の3つのモードから選択できます。すべてのモードで、好みのLUTをカメラモニター映像に表示することができるので、ポストプロダクション後の仕上がりイメージを確認しながら撮影することができます。LUTは、s709や709(800%)に加えて、最大16個までユーザーLUT(.cube)をメモリーカードを使ってカメラにインポートすることが可能です。 なお、ユーザーLUT(.cube)をインポートする際は、まずはカメラ内でメモリーカードをフォーマットし、作成されたLUTフォルダにユーザーLUT(.cube)ファイルを格納してください。LUTの登録方法はヘルプガイドからご確認いただけます。 https://helpguide.sony.net/ilc/2210/v1/ja/contents/TP1000661224.html
【Cine EI】 撮影シーンの照明条件に応じてISOを固定した撮影モードで、Base ISOとして標準の基準感度 ISO800と、暗所環境用の高感度ISO12800の2つから選択することができます。撮影時はEIを調整することで15+ストップ*1のダイナミックレンジを確保することができ、より幅広い光量環境のもとで白トビや黒ツブレをおさえた映像を収録することができます。 【Cine EI Quick】 選択したEIに連動してカメラが自動的にBase ISO(800もしくは12800)を切り換えます。 Cine EI同様にイメージセンサーの持つ15+ストップ*1のダイナミックレンジを確保しながら映像を収録することが可能です。 【Flexible ISO】 ISO感度を調整しながら撮影するモードで、ISO感度をAUTOもしくは低感度側640から102400(拡張ISO感度域160から409600)を選択できます。
LUTのカスタムアサインが可能となった進化したピクチャープロファイル機能(PP LUT)
FX3 Ver.2.00では、カメラにインポートしたユーザーLUT(.cube)をピクチャープロファイル (PP LUT 1-4) としても使用でき、LUTを記録映像にベイク(焼き込む)ことができます。Log撮影以外の撮影モードにおいても、好みのユーザーLUTを使用した画づくりができるだけでなく、カメラ内で映像としてそのまま記録されるため編集時の色調整を簡略化することができます。
直感的な設定変更を実現したユーザーインターフェース
FX3 Ver.2.00では、ユーザーインターフェースをより動画撮影に最適化し、フレームレートやシャッタースピードを始め、撮影に必要な項目にクイックにアクセスすることができます。本体のMENUボタンを押すことで「メインメニュー」(撮影設定一覧)が表示され、主な設定値として一覧での事前確認や変更が可能です。メインメニューは動画、静止画それぞれに最適化されています。
また、撮影待機中の画面では、カメラモニター上を上方向にスワイプアップするだけでファンクション(Fn)メニューを表示することができます。併せて、撮影映像とオーバーラップする情報やアイコン表示はレイアウトを変更し、必要な撮影情報を画枠の上下(黒帯部)に表示することができるので、構図やフレーミングに集中することができます。
オートフォーカス中にフォーカスリングでマニュアルフォーカス操作が可能*2
FX3 Ver.2.00では、オートフォーカス(AF)での記録中でも瞬時にマニュアル操作を行うことができ、状況に応じて被写体をすばやく選ぶことができます。FX3では、AF Assistをオンにすることで、FX9やFX6と同様にオートフォーカス中にフォーカスリングによるマニュアル操作ができます。さらに、FX3では顔選択アルゴリズムを最適化することで、リアルタイム瞳AF/顔検出AF時には、オートフォーカス中もフォーカスリングを使って複数の人物の中から直感的に特定の人物にフォーカスを合わせることができます。フォーカスリング操作を止めると、フォーカスリングで合わせた被写体に粘り強くフォーカス追随します。
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