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One and Only
鉄道写真家 中井精也 氏 Vol.12
中井氏が“α1”と探す唯一無二の鉄道絶景!
デジタルカメラマガジンとの連動企画を
毎月コラム形式でお届けします

α Universe editorial team

みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 α1と「唯一無二」の鉄道絶景を旅する「One and Only」も、早いもので最終回になってしまいました。スタートしたときは、あそこにも、ここにもと行きたい場所を探すのも楽しかったのですが、最後となると名残惜しく、ロケーションを選定しました。 夏本番を迎え、蝉の声が聞こえる季節。山々の深い緑がもっとも美しく輝く頃です。それであるならば「山深い緑をテーマにしよう!」。そう決めて、全国の路線から僕が選んだのは、福岡県と大分県を結ぶ久大本線です。 九州中央部の山脈を越える久大本線は、日本有数の山岳路線。名産である杉林のほか、美しい広葉樹のフレッシュな緑が車窓に展開します。そして、そこをゆく観光列車は、その名称に「森」を冠した「ゆふいんの森」号。久大本線は、まさに緑輝く森の中をゆく、唯一無二の絶景路線なのです。 1枚目はまさに深い緑に包まれた特急「ゆふいんの森」号です。

α1,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 183mm,F7.1,1/400秒,ISO800

広葉樹の爽やかな緑、竹林の若々しい緑、そして常緑樹である杉林の深い緑。それぞれに異なる緑色が重層的に組み合わさった姿が印象的です。そんな魅力的な場所へ走ってきたのは、これまた森の色を纏った「ゆふいんの森」号。一口に緑と言っても、こんなに種類があるんだなぁとしみじみ感じます。繊細な自然の色彩に酔いしれながら、シャッターを押しました。 そうそう、ゆるーい雰囲気のこの写真ですが、約30コマ/秒連写を誇るα1だからこそ撮れた写真でもあります。以前は鉄橋までしっかりと見えていた撮影地なのですが、手前の木々が伸びて、撮影チャンスはトンネルと鉄橋の間のわずかな区間のみ。さらに周囲の木々の影がかかってしまうので、スッキリと列車の顔が写せるのは、この一瞬だけなんです!

α1,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 229mm,F7.1,1/320秒,ISO800

2枚目は緑の絨毯を走る列車!優しい自然の色彩は眺めているだけで、目の疲れまで癒されそうです。 実はこの久大本線を訪ねたのは10年ぶりくらいだったのですが、やはり木々の成長により、以前の撮影位置からは列車が見えなくなっていました。まるで行く手を阻むようなトゲトゲの木々をかき分けながら山中へと入り、このロケーションに辿り着くことができました。ここから線路を見下ろしたときは思わず「やったー!」と声を出してしまいました。 作品の中には電柱や送電線もなく、あるのは魅惑の森と線路、そして列車のみ。こんな絶景はありそうでいて、なかなか見つからないものなんですよ。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM II 52mm,F8,1/200秒,ISO800

3枚目は温泉地として有名な湯平駅近くで撮影したものです。 深い森の底に見えるのは、大分川の清流です。秋には紅葉の名所として知られる絶景ポイントでもありますが、深い緑色に包まれる夏も最高ですね。 この日は雲が多い日でしたが、運良く列車の部分だけに光が当たってくれました。全体が晴れているカットも撮影しましたが、まだらに光が当たっているこちらのカットのほうが、陰影による立体感で森が生き生きとして見えたので、こちらを選びました。 緑の森に映える真っ赤な気動車の色彩が鮮烈で、記憶に残る1枚に仕上がりました。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM II 36mm,F8,1/640秒,ISO800

4枚目は、1枚目と同じ場所から画角を変えて撮影したものです。 美しい森と、それを飾る夏雲。そんな最高の舞台を、特急「ゆふいんの森」号が駆け抜けていきます。1枚目はトンネルの部分をクローズアップしましたが、こちらは青空と白い雲を取り入れて、のんびりとした風景として仕上げてみました。 「ゆふいんの森」号は主に博多駅と由布院駅を結ぶ、日本のリゾート列車の先駆けとも言える列車で、1989年のデビュー以来高い人気を保ち続けています。広々とした前面展望や、大きな窓を持つサロンスペース、ヨーロッパの特急のような気品あふれる車内から風景を眺めれば、まるで列車から森林浴をしているような気分が味わえます。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM II 66mm,F5,1/40秒,ISO100

5枚目は「ゆふいんの森III世」を流し撮り! 現在、「ゆふいんの森」号は2種類の車両によって運行されていますが、こちらの「ゆふいんの森III世」は、あのJR九州を代表するリゾートトレイン「ななつ星 in 九州」をデザインした水戸岡鋭治氏が手がけた車両です。正方形に近い窓が並ぶ端正で気品あふれるサイドビューを、森をバックに流し撮りしてみました。 手前の田んぼの水鏡を使うことで、車両と自然の色彩の美しさを際立たせることができました!

α1,FE 16-35mm F2.8 GM 16mm,F8,1/1000秒,ISO400

最後のカットは玖珠川の鉄橋をゆく「ゆふいんの森号」です。 夕方、玖珠川にかかる沈下橋に立つと昼間の暑さが嘘のようで、涼しい川風が頬をなでてくれました。残念ながら列車の時間には太陽は山に沈んでしまいましたが、美しい川面と列車の側面がギラリと輝いてくれるのではないかと予想してマイナス補正で対応。美しい川面と、端正な列車の側面だけが黒バックに浮かび上がることで、静寂のなか、川の流れる音と列車の走行音が聞こえてきそうな、臨場感のある1枚になりました。 夏の緑が輝く久大本線の写真はいかがでしたでしょうか? 「唯一無二」の鉄道絶景を求めて、一緒に旅をしてきたα1。発売から約1年半、ほぼ毎日使い続けてきましたが、決して色褪せることなく、使うたびにその描写力と性能に魅了され続けています。 僕が鉄道の舞台で見つけた感動を、まるで魔法のように作品に変えてくれるこのカメラは、もはや僕の体の一部! なくてはならない相棒です。そんなα1と過ごす日々はワクワクの連続。これからも、このカメラと一緒に素敵な瞬間を探し続けたいと思います。 そして最後にご覧いただくのは、私が12回で訪れた場所を日本地図に記したものです。 本当にさまざまな場所で、素晴らしい瞬間を残せたと思います。

それでは、12回お付き合いいただきありがとうございました。 中井精也でした。

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