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優れた機能で印象的な作品を素早く撮れる
静止画&動画のハイブリッド機「α7 IV」

クリエイター OKUDAIRA BASE 氏

α Universe editorial team

古民家での丁寧な暮らしや日々の出来事をYouTubeで公開しているOKUDAIRA BASE氏。普段は「α7S III」を使って撮影しているが、今回手にしたカメラは「α7 IV」。SNSからの情報発信や動画作品のサムネイル撮影のために、カメラ一台で動画だけでなく静止画も撮り分ける OKUDAIRA氏に、実際に使った印象や、自身の作品に生きた機能を語っていただいた。

奥平眞司/クリエイター ユーチューブチャンネル 「OKUDAIRA BASE」主宰。 愛知県出身。福祉系大学卒業後、桑沢デザイン研究所夜間部にて空間デザインを学ぶ。 料理やDIY、物選び、整理整頓、家族や友人を招いてのもてなし、一人キャンプや旅行など、自分の時間をとことん楽しむ方法をユーチューブにて配信。 誠文堂新光社から書籍「自分を楽しむ衣食住」を出版。動画制作、キッチンツールのデザインなども行っている。 次世代ユーチューバーの育成プログラム「YouTube NextUp2019」に選出。チャンネル登録者数約35万人 (2022年9月現在) YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCMWuA3HeWpYUcEpxyjGN3-Q Instagram:https://www.instagram.com/okudaira.m/ Twitter:https://mobile.twitter.com/okudaira_0421

ありのままの姿を発信するために機能を追求。 行き着いたカメラはαだった

――αを使い始めたきっかけを教えてください。 僕がαを使うようになったのは4年前です。YouTubeを始めて少ししてから「α7 II」を購入しました。僕は自分の暮らしを中心に発信しているので、家の中での撮影が大半になります。古民家に住んでいるうえ、ほとんど照明を使わずに自然光だけで撮影するため薄暗いシーンが多く、暗所に強いカメラが欲しいと思っていました。ネットやYouTubeなどで情報を集めて「これだ」と思って購入したのが「α7 II」です。 実際に使ってみると、本当に暗所の撮影に強くて驚きました。我が家のキッチンは北側にあるので、キッチンの写真を撮ると隅の方がノイジーになりがちだったんです。でもαを使いはじめてからはそれが全くなくなって。それから「α7 III」、より圧倒的な高感度性能で暗所に強い「α7S III」と、ずっとαを使い続けています。 ――作品づくりにおいて大事にしていることは? 「ありのままの姿」を撮影することですね。日常をできるだけそのまま伝えるためには、素早く撮影できることが重要になります。例えば、すぐに静止画と動画の切り換えができたり、素早くピントを合わせることができたり。料理の合間にも撮影するので、調理時間を長引かせずに工程を素早く撮っていかなければなりません。さらに、日常を表現する上で大切にしているのは自然光のニュアンスです。光から暮らしの楽しさが伝わると思いますし、朝、昼、夜と作品の雰囲気も変わりますからね。 暗所への強さだけでなく、ありのままの姿を届けるスピード感、光の微妙な違いまで捉える描写力や色再現性など、αには僕の欲しいものがすべて詰まっています。

「α7 IV」は予想を超える暗所性能。 古民家の佇まいを印象的に表現

――「α7 IV」で撮影した率直な感想を聞かせてください。 僕は以前、「α7 III」も使っていたので比較できるのですが、前モデルと比べると飛躍的に暗所に強くなった印象です。下の作品は雨が上がって雨戸を開けているシーンをセルフタイマーで撮影したものですが、室内を見ると暗所への強さがうかがえます。

α7 IV,FE 35mm F1.4 GM 35mm,F1.4,1/125秒,ISO125

自然光だけで撮影しているので画面の左はかなり薄暗いですよね。それでも暗いところまでしっかり解像しています。絞りは開放で撮っているのにちゃぶ台の影が落ちている畳の目まで表現する高解像で、古民家の様子がよく表れている一枚です。畳の上に無造作に置かれたタオルは、濡れた足を拭くもの。「ありのまま」なので、こういうものも外さずに撮影しています。 あと、静止画の表現力にも驚きましたね。普段使っている「α7S III」は有効約1210万画素なので、画素数を必要とする場面では少し物足りなさを感じていました。YouTubeでもサムネイルを撮るので、静止画は絶対に撮影しなければなりません。でも「α7 IV」は有効約3300万画素の高解像。これなら安心してクロップ撮影もできます。

α7 IV,FE 50mm F1.2 GM 75mm相当,F1.2,1/400秒,ISO100

上の作品はAPS-Cサイズにクロップしたものです。クロップはグッと寄って素材感を出したい時によく使うのですが、この大豆もクロップすることで質感までしっかり表現できました。キッチンの棚に並べている瓶に入った大豆を開放のF1.2で撮影しています。ピントが合っている部分は解像度が高く、後ろに行くにつれて少しずつぼけていく感じが素晴らしい。解像感とぼけの両立は難しいものですが、さすがはG Masterです。

静止画と動画の切り換えは指一本。 ボタンカスタムでAF/MFの変更も簡単に

――操作性についてはいかがでしたか? 「α7 IV」で初めてモードダイヤルの下に「静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル」が搭載されて、静止画と動画の切り換えがとてもスピーディーになりました。これなら指一本で切り換えることができるので、カメラ一台で動画と静止画の両方を撮らなければならない時も、いい瞬間を逃さずに撮ることができます。例えば、動画撮影で目玉焼きを焼いていて、途中で「Instagram用の写真も撮りたい」となったら設定を細かく変えている暇はないじゃないですか。美味しそうに焼けている瞬間を逃したくないので。そんな時も指一本で切り換えられるのは魅力です。 さらに、状況やシーンに応じてAFとMFを使い分けているので、その切り換えも素早くできるようにボタンをカスタムして「C2」に設定し、ワンプッシュでAFとMFを切り換えられるようにしています。静止画はMFで撮ることが多いのですが、調理シーンでは片手で自撮りをすることもある。そんな時は自分でピントを合わせることができないので、ボタンひとつで素早くAFに切り換える、という感じですね。

高解像で古民家の暮らしを精細に再現する 「α7 IV」×「FE 50mm F1.2 GM」の表現力

――頻繁に使っているお気に入りのレンズはありますか? 「FE 35mm F1.4 GM」と「FE 50mm F1.2 GM」ですね。特に50mmはF1.2と明るいので映像美が感じられますし、夜の撮影でも活躍してくれるのでとても重宝しています。また、引きで撮ってもきれいにぼけ味が出るのもこのレンズの魅力です。ここからは「FE 50mm F1.2 GM」で撮影した作品をご紹介したいと思います。

α7 IV,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F1.2,1/1250秒,ISO125

上は、どんな家で暮らしているのかが一枚でわかるお気に入りの作品です。ちゃぶ台の上の朝食も写っているので、どんな人が住んでいるのかも何となくわかりますよね。引きで味噌汁のお椀にピントを合わせて撮りましたが、F1.2の開放で撮るとちゃぶ台がとてもシャープで浮き立つような感じ。ピントを合わせたところは非常にシャープに写っていて、背景のぼけ感や光の表現も見事です。畳に落ちているちゃぶ台の影も古民家の雰囲気を引き立てているように感じます。

α7 IV,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F5.6,1/60秒,ISO160

上の作品はF5.6に絞って撮影しました。左側の引き出しの鍵穴部分にピントを合わせましたが、鉄の質感、取っ手のツヤ感までしっかり表現できていて、絞れば絞るほど解像感が増すように感じます。棚の上に置いてあるお香も灰になって落ちそうな部分までうまく撮れていますし、緑色の入れ物も丸い持ち手までシャープに写っているのも面白いところ。素材の質感や使い込んだ感じまで見せたいと思っていたので、少し絞ることで思い通りの作品を撮ることができました。

α7 IV,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F1.2,1/640秒,ISO200

これは朝ごはんです。いつもちゃぶ台の上でいただきますが、毎朝撮影するのがルーティンになっています。左側の窓から差し込む朝陽を生かして斜めから撮ることが多いです。これも明暗があり、メリハリの効いた僕好みの作品。この色の感じも好きですね。緑色の湯飲み、たくあんを乗せた赤い小皿など、色再現性もとても気に入っています。毎日朝食を撮影していると天気によって明暗度が変わり、違った雰囲気に仕上がるのも興味深いところです。この日は曇りでしたが、朝陽が出ているともう少し赤く明るい感じになりますからね。

暗部でもノイズが出ず、全体的にシャープな印象。 「PP10」で撮影し色味を調整した動画作品

動画の内容テキストはこちら

――動画撮影時の設定を教えてください。 動画を撮る時はピクチャープロファイル「PP10」に設定して撮影しています。はじめはLog撮影をしていましたが、編集時にすべての素材、例えば100カットを並べた時に1カット1カットの調整が結構大変なんです。ある程度全体に色をのせてから調整するのですが、細かいところが気になってしまって、編集にかなり時間がかかっていました。でも「PP10」は色がある程度ついているので、編集しやすいのではないかと思い使い始めました。 少しだけ色をノスタルジックな雰囲気に調整していますが、Log撮影していた時と比べると編集時間は半分くらいに短縮されました。おかげでYouTubeの動画もテンポ良く出せるようになって助かっています。 「PP11」のS-Cinetoneでも何度か撮影したことがあります。肌の感じがとてもきれいに表現できるので、人物を撮る時に使っています。ただ、僕はどちらかというと家具や料理を撮ることが多いので、人が主役の時だけになります。 ――「α7 IV」で動画を撮影して、どのような印象を持ちましたか? 最初の木々の葉が風にあおられているシーンは、これだけ揺れているのに葉の一枚一枚までわかるくらいシャープで本当に驚きました。個人的な感想になりますが、「α7 IV」は7Kからのオーバーサンプリングなので、葉がシャープで解像感の高さが出ていると感じましたね。

また、暗所の部分にまったくノイズがのらないのも素晴らしいところ。自然光を生かすために窓際で撮ることが多いのですが、五平餅のタレのツヤ感など表現力が優れていることを実感しました。

五平餅を焼いているシーンは朝に撮影しているので、実際はかなり薄暗いんですよ。実際の映像では明るく見えると思いますが、実は意外と暗いので、その中でこれだけ思い通りの映像が撮れているので、本当に暗所に強いことがわかります。

あと、録音の性能も良くなった気がしますね。「α7 III」を使っていた時はホワイトノイズが気になることがありましたが、同じマイクを使っているのに「α7 IV」ではほとんど気にならず、編集でもきれいにつなぐことができました。僕の動画では暮らしの中に響く「音」も大事にしているので、これは嬉しい驚きでした。複数のマイクで試してみましたが、本当にノイズがのらなくて、音が鳴っているところだけしっかり上げてくれるという印象です。

欲しい表現をすべて実現してくれるαは 作品づくりに欠かせない頼れる相棒

――静止画の画づくりで意識していることはありますか? 「α7S III」でもそうでしたが、「α7 IV」も撮って出しの画がとてもきれいで、正直、そんなに調整するところがないくらい僕好みに仕上げてくれます。実は、今回の作品もすべて撮って出しの画像なんですよ。カメラ任せでも期待通りの画を出してくれるところも、作業のスピード化につながっています。 ただ、シーンによってはクリエイティブルックの「NT(ニュートラル)」を活用します。古民家の撮影では彩度が低いニュートラルで撮ると落ち着いた感じに撮影できますし、調整する余地もあってより自分好みに仕上げることができるので、とても便利です。 ――OKUDAIRAさんにとって、αはどのような存在ですか? 僕は暮らしの楽しさを伝えるためにYouTubeを始めました。そのためには普段使っている家具や道具の質感、時間の流れ、自然の光などをしっかりと表現できる機材が必要だと考えています。僕の中では、それらをすべてカバーしてくれるのがαです。他のカメラは使えないくらいαの信頼度は高いので、これからも良き相棒として作品づくりの力になってくれると思っています。

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