今回の被写体は、秋深まる高山本線。狙いは飛騨川沿いの渓谷美だが、もう1つの目的は、引退が近い特急キハ85系ひだ号の勇姿だ。「ワイドビューひだ」として華々しく登場したこの車両も、デビューから33年。キハ85系が走る最後の紅葉となるであろう風景を、高画質の写真で収めておきたかったのだ。 今回、幸運なことに発売直前のα7R Xで撮影する機会を得たが、初代α7Rから使い続けてきた僕でも、驚くほどの進化を実感した。見開きのメインカットは下原ダムギリギリのところを列車が走る有名ポイント。この列車を撮影したときは列車には光が当たらない厳しい条件だったが、日陰の列車も日の当たった紅葉も、どちらも見事に描写している。有効約6,100万画素が生み出す優れた解像性能はもちろんだが、大きな明暗差も破綻させることなく描写するダイナミックレンジの広さにも驚いた。スペック的にはα7R IVを踏襲している部分も多いが、描写力は間違いなく、格段の進化を遂げている。 そして今回も、列車から見えた鉄塔を探して、深山に分け入るアドベンチャーを決行。かなりハードな俯瞰撮影だったが、まるで肉眼で風景を見ているような臨場感とともに、秋の飛水峡とひだ号の最後の勇姿を確実に捉えることができた。 AF性能、8.0段の手ブレ補正、4軸マルチアングル液晶モニターなど、枚挙すればキリがないほどの進化を見せてくれたα7R X。高画素機だからとあきらめていた性能・機能はもう1つもない。α1とともに、新しい相棒として活躍してくれそうだ。
α7R Xはシリーズ初のAIプロセッシングユニットを搭載している。被写体認識の認識対象に「車/列車」が加わったので試してみた。列車が現れるとAIが瞬時に列車を認識し、緑の大きな枠で列車を追従した。被写体の動きが単純な鉄道写真の場合、従来のAF-C+トラッキングAFでもAF追従できていたが、リアルタイム認識AFは設定するだけで、画面内の列車を自動認識してピント追従してくれる。列車を撮り慣れていない人には非常に心強い機能と言える。
α7R Xの手ブレ補正は約8.0段分と大きく進化。流し撮りをするときはレンズの手ブレ補正モードスイッチを流し撮り用の「MODE2」に設定しよう。強力なブレ補正で驚くほど流し撮りの成功率がアップする!
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