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ソニーα7R X × 桃井一至

新時代のAF「リアルタイム認識AF」
ピントはカメラ任せでさらなる高解像表現へ

写真家 桃井一至 氏

CAPA 1月号の転載

AIを活用し幅広い被写体を高速・高精度に捉える、新しいAF「リアルタイム認識AF」を搭載した、第5世代のソニーα7Rシリーズ「α7R V」が登場。ピントはカメラ任せで、シャッターチャンスに集中できる新・高画素ミラーレスを紹介しよう。

桃井一至/写真家 1968年、京都府生まれ。ポートレート、コマーシャルなどの写真撮影はもちろん、カメラ雑誌などでの執筆も多数。丁寧なテクニック解説にも定評がある。 公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。

被写体認識にAIを活用し AF性能が大幅アップ

高精細な描写が魅力のソニーα7Rシリーズが、第5世代へ進化した。注目はオートフォーカス。画素数が多いほど、ピント精度もより高度なレベルが要求されるが、精度はもちろん、スピードもブラッシュアップされた。 なかでも「リアルタイム認識AF」による被写体認識性能の大きな進化。[人物]では顔や瞳だけでなく、姿勢推定技術を用い、マスク越し、後ろ姿、サングラスなど、これまで難易度の高かった状況でも高い認識精度が得られる。[動物]や[鳥]においても認識精度が上がり、さらに[昆虫]や[車/列車]、[飛行機]にも対応した。 愛機のα7R IVとの違いを最も感じたのは、横位置撮影時に人物の全身を入れると、これまでは顔認識になっていたシーンが、α7R Xでは瞳にフォーカス枠が出るなど、明らかなAF精度の進化が見られること。これは新搭載されたAIプロセッシングユニットによるところが大きい。さらに「可視光+IRセンサー」をボディ前面に新設し、ホワイトバランスや露出の安定性にも寄与。さまざまな情報を集約して、写りの向上につなげているわけだ。 顔全体が見えなくても高精度に瞳を認識

α7R V,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F1.2,1/250秒,ISO100 片方の目と頬を隠しても、顔や頭部、胴体などの骨格から人物を認識して、高精度に瞳にピントを合わせてくれる「リアルタイム認識AF」。開放F1.2によるアップは被写界深度が極めて浅いが、フォーカスに迷いを見せず瞳を捉えた。

また、チルト液晶モニターとバリアングル液晶モニターの利便性を併せ持つ、4軸マルチアングル液晶モニターの採用や、6000万画素オーバーの高精細画質を引き出す8.0段の5軸ボディ内手ブレ補正、倍率0.9倍、約944万ドットの有機ELファインダーなど、α7シリーズの最先端機能を満載している。最新ジェネレーションのα7R Xを、ぜひ一度、体感してほしい。

新搭載のAIプロセッシングユニットにより 幅広い被写体を認識!

AIを活用した「リアルタイム認識AF」

最新のBIONZ XRに加えて、AIプロセッシングユニットを搭載。リアルタイム認識AFやリアルタイムトラッキングにAIを活用し、認識精度や追従性が向上。[人物]、[動物]、[鳥]に加え、[昆虫]、[車/列車]、[飛行機]にも対応した。

サングラスで見えない瞳をカメラが捕捉

α7R V,FE 135mm F1.8 GM 135mm,F1.8,1/3200秒,ISO100 色の濃いサングラスを掛けると、ファインダー上では瞳を確認できないが、レンズを向けると同時にフォーカス枠は迷わず瞳の位置を認識した。サングラスを外す仕草も試してみたが、フォーカス枠は当然、瞳にとどまる。

引きの構図や横顔でも瞳を捉えて離さない

α7R V,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F1.2,1/2500秒,ISO100 画面内の人物のサイズが小さくても安心して撮影可能。これまでは顔認識になっていた引きの構図や、髪に見え隠れする横顔の目も捉えて離さない。窓から差し込むサイド光で撮影しているが、AE(自動露出)制御の精度も高い。

動きのある人物にピントを合わせ続ける

フォーカスエリアをワイド、フォーカスモードをAF-Cに設定して、動きのある人物のシーンを狙う。前後の移動はもちろん、後ろ姿やターンをしてもピントは全く外さず、人物を追い続ける。これなら動画撮影も安心だ。

不規則に動き回るチョウの撮影がカンタン

α7R V,FE 90mm F2.8 Macro G OSS 90mm,F4,1/320秒,ISO1600 リアルタイム認識AFに[昆虫]が追加された。不規則に動き回るチョウは、ベテランでもピント合わせが難しいが、このカメラなら被写体全体または頭部を認識して追尾する。構図に専念できるので、昆虫写真ファンにもおすすめだ。

超望遠レンズで小さなカワセミの瞳をキャッチ

α7R V,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + 1.4X Teleconverter 1260mm相当,F10,1/320秒,ISO1600 [鳥]の被写体認識性能も向上した。ここではFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSに1.4倍テレコンバーター、さらにAPS-Cクロップによる厳しい条件で撮影したが、カワセミの瞳を適確に捉えてくれた。2600万画素で撮れるクロップ耐性がうれしい。

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