VLOGCAM ZV-E1で紡ぐ物語
写真家 山本まりこ 氏
山本まりこ/写真家 写真家。スパイスフーズ作家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに写真を撮り続けている。撮影、執筆、講演、講師、スパイス料理講師など活動は多岐。写真集「AIRY COLORS」「熊野古道を歩いています。」など出版多数。写真とスパイス料理の教室Room5656主宰。好きな食べ物は、カレーとイカ。 https://www.instagram.com/yamamarimo/
VLOGCAM ZV-E1の第一印象は、とにかく小さい。いつもは、α7R IVとα7 IVを愛用していますが、グリップ部分含め、一回り小さい手持ち感。これで最高峰のVLOGCAMと言われる動画が撮れるなんて本当?と驚きました。 実際に使用してみると、タッチパネルでポンポンとスマートフォン感覚で設定でき、美しい動画が撮れてしまうという簡単さ。今の時代らしいカメラだなと思いました。そして、S-Cinetoneで簡単にシネマ調の映像が撮れる。これは、動画にトライしてみたかった人にとっては、待ち望んだ機能ではないでしょうか。
動画は一つの物語
通常は静止画メインでお仕事をしているので、動画作品を作るぞ、というときに撮影しています。エアリーな風が流れるような動画を目指して撮影しています。最近、一番多い動画撮影は、スパイス料理を調理する動画です。お庭で育てているスナップエンドウがあまりにもたくさん実ったので、それをスパイス料理にしたいなと思ったところからスタートしています。どこか遠くに行くことも考えましたが、今一番撮影したいものが、お庭にありました。
動画の内容テキストはこちら静止画と動画の表現は近くもあり、遠くもあり。静止画は、私の頭の中のイメージの一瞬を切り取って描くもの。レンズのぼけ表現や、光を読んで、絵のように描くことが好きです。動画は、絵ではなく、一つの物語になるように作ることが好きです。見終わったら、優しい風が流れるような、ぽっと心が温まるような、そんな時間をお届けできたら嬉しいです。 実際にVLOGCAM ZV-E1を使って動画作品を撮りましたが、AFは素晴らしく俊敏。そして、状況に合わせてゆっくりにも設定でき、柔軟だなと思いました。ヒヨドリが桜のお花の中にいる映像、お花が揺れている映像、いろいろ動きの速いものを撮りましたが、びゅんびゅんと被写体を追いかけていくAF、すごいです。 今回、G Masterを使用して、ぼけを大きく描いた動画をいろいろ撮影しています。これも、やはり、素晴らしいレンズと組み合わせることができるから生み出せる映像だなと思います。今回の動画は、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS、FE 24-70mm F2.8 GM II、FE 90mm F2.8 Macro G OSS、FE 40mm F2.5 G、FE 35mm F1.4 GM、合計5本のレンズを使用して撮影しています。自然を撮るときはFE 24-70mm F2.8 GM II、鳥を撮るときはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS、スナップエンドウを洗うシーンはFE 90mm F2.8 Macro G OSSなど、自由自在に組み合わせて撮れる楽しさ。表現できる嬉しさ。ミラーレスカメラで動画を撮るって、楽しいですね。
撮って出しでもキレイな画が撮れるシネマティックVlog設定
最初からシネマ調の風合いで撮れるのは、とても簡単だなあと。今回の作品「海風とえんどう豆のスープ」は、パソコンでの編集時、色合いも明るさの調整も何もしていません。撮ったそのままの色合いと明るさ、そして、風合いです。これは、動画に挑戦してみたいけれどまだまだ大変そうだなあと思っていた方にピッタリですね。難しいことを考えずに美しく撮れる、そんなカメラでした。 シネマティックVlog設定は、S-Cinetone×OCEANの組み合わせが好きです。映像に少し青みがかかり、私がいつも撮影していた映像に近い風合いで撮影することができました。例えば、私の住む小さな海まちの自然を撮るときに、空に少し青みが増したり、桜が太陽にキラキラ輝きながら少しブルーがかかっていたり、スナップエンドウが揺れているときに柔らかいブルーがかかったり。特に、太陽の方向を向いて逆光・半逆光で撮ると、柔らかさが加わるなあと思いながら撮影していました。
様々なシーンを思い通りに撮影できる
動画作品では夕方の海が撮りたくて、近くの海へ行きました。刻々と暮れてゆく空を眺めながら、海辺の砂利の上にペタンと座り、たまに大きく立つ波の音を聞きながら、波、夕焼け、街の明かり、月などを撮影しました。かなり暗くなってきたのですが、月も撮影してみました。VLOGCAM ZV-E1は高感度性能が高いのでノイズもあまり出ることなく、色あいも美しく撮れました。今回手持ちで撮影していますが、手振れ補正もかなり効きますね。
作品についてはどのシーンも好きなのですが、特にこだわったのは、映像のメリハリです。海まちの自然を映すときは、すーっと引いた広いイメージを多めに、えんどう豆のスープを作っているときはググっと寄ってテンポのいいイメージで撮影しました。1分間という短い中に、静と動の両極を入れつつ、その場の音も盛り込みながら一つの作品に仕上げました。ヒヨドリの鳴き声や、スナップエンドウに水をあげるシャワーの音、スナップエンドウを洗ったり、ゆでたりしている音、油を注ぐ音など、カメラで拾った音を生かして編集しました。 今回の内蔵マイクは指向性を決められるので、とても嬉しかったです。音も美しく撮ることが出来驚きました。今回の撮影では特に「前方」の指向性で撮影することが多かったですね。
静止画も美しく表現してくれる
VLOGCAM ZV-E1はファインダーが無いので、屋外での撮影は難しい場面もありましたが、パソコンで確認してみると、美しい画像にハッとしました。春がそこにしっかりと、そして柔らかく写っていました。
こちらは、海まちの小さな山の上から、遠くの海を臨んでFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを付けて撮影しました。桜が揺れていて、海が青くて、山の上にいるみんなが笑っていて、何て美しい春なんだ、そう思いながらシャッターを切りました。幾重にも重なるブルーが柔らかく美しいです。
風に揺れるお花を撮りました。ぼけをトロトロに聞かせて。FE 24-70mm F2.8 GM IIは、静止画でも動画でも活躍してくれます。揺れるお花を撮影するときは、タッチトラッキングで撮影します。ピントを合わせたい被写体を液晶の中でタッチ、そうすれば自動的にAFが揺れるお花を追い続けてくれます。ものすごく簡単に撮ることができます。
お庭で揺れていたスナップエンドウが、スパイスが効いた優しいお味のスープになりました。窓から入る春の光の筋をキラリと入れながら撮影しました。撮影の後は、もちろん、美味しくいただきました。ご馳走様でした。テーブルの上のスープの俯瞰の撮影も、液晶をクルッと回して撮影すれば簡単です。
こちらの作品が個人的には一番お気に入りです。春、お庭で育てているスナップエンドウが、300個ほど山のように実りました。小さくてかわいらしいスナップエンドウの白いお花。太陽がキラリと光ると、その薄い花びらが透き通って輝きます。お水を上げた後は特に美しく輝きます。これから美味しく実ってねと思いながらシャッターを切りました。 強い日差しの中の白いお花。コントラストが強い状況の中で、柔らかく撮影するのはとても大変ですが、優しいイメージで撮影できました。
最新のAF性能で撮影もより手軽に
揺れるお花を撮影するときはタッチトラッキングで撮影することは上記しましたが、この、揺れるスナップエンドウの撮影も同じです。揺れるものは、ピント合わせが難しい。春、桜のお花を撮るときに、みなさんも体験されているかと思います。そんな時はタッチトラッキング機能を使って、液晶の中のお花にポンッと指でタッチすれば、AFが追い続けてくれるので、揺れるお花の撮影がとても簡単にできる。揺れるスナップエンドウも、桜の花の中であちこち動くヒヨドリも追い続けてくれました。動くものが、なんて簡単に撮れるようになったの!と驚きます。AIプロセッシングユニットが搭載されているので、人間や鳥などのあらゆる動きにもしっかり対応。後ろを向いた瞬間もそれを検知してこちらに向いた瞬間、逃さずピントを合わせてくれるとのことで鳥の撮影も何度かしましたが、断然にピントが合い易くなっていました。すごいです・・・。
動画を撮りたい気持ちに応えてくれる
ずっと、「動画をメインに撮るカメラがあるといいなあ」と思っていました。このカメラは、仕事でも、プライベートにおいても「静止画と動画を同時に撮りたいときに、動画をメインに撮るカメラとして持っていたいカメラだ」と思いました。動画撮影は、シャッタースピードなど設定する項目が静止画と異なる点があるので、静止画と同じシチュエーションで一つのカメラで両方撮るのはとても大変です。静止画をメインで撮るカメラと、動画をメインで撮るカメラを分けたい、そんな風に思っていた方におススメします。そして、動画に挑戦してみたい、そんな風に思っていた方にももちろんおススメなカメラです。
記事で紹介された商品はこちら
ワンクリックアンケートにご協力ください
αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。