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αで楽しむペット撮影

ペトグラファー 小川晃代 氏

α Universe editorial team

2023年2月23日から26日まで開催されたCP+2023。ソニーブースで行われたスペシャルセミナーの内容をαUniverse記事用に再構成しました。αだから楽しめるペット撮影のコツやポイント、小川晃代氏お気に入りのαの機能について語ります。

小川晃代/ペトグラファー トリマー、ドッグトレーナー資格などの動物資格を保持するペット専門フォトグラファーで今までに3万匹以上のペット撮影を手がける。制作会社勤務を経て動物に特化した制作会社&写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。写真教室の講師をはじめ、イベント企画・ペットモデルのコーディネーター等活動は幅広い。著書は「ねこの撮り方まとめました!」「ちいさいののちゃん」「手乗りねこ」「ねこきゅう」他多数。

ペット撮影でαが選ばれる理由

皆さん、こんにちは。ペトグラファーの小川です。今回は、ワンコとニャンコの写真をご覧いただきながら、αで楽しむペット撮影の方法とコツをお話したいと思います。私も、長年色々なαの機種を使ってきたのですが、ペット撮影でαが選ばれているのには、それなりに理由があると思っています。今日はその辺りもお話していきます。

α7R V,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F1.2,1/320秒,ISO50

では1枚目。これはα7R VにFE 50mm F1.2 GMを使って撮っています。描写がとてもきれいで柔らかくて、そしてぼけ味がやっぱりすごいですよね。ワンちゃん、猫ちゃんを引き立たせて撮る時にぼけ味はとても重要。なんといっても、ワンちゃんの瞳や毛並みはくっきりシャープに写っていながら、この自然なぼけ味が魅力です。

α7R V,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F1.2,1/320秒,ISO50

先ほどの写真の縦バージョンです。縦構図にしてわざと前ぼけを入れ、下からこっそり覗いている感を表現してみました。ワンちゃんのナチュラルな表情も出ていますし、光が柔らかく差し込んでいるので毛並みがとても綺麗に映っていますよね。 α7R Vの魅力の一つに4軸マルチアングル液晶モニターがあります。私は仕事でペットのカレンダーを撮ることが多く、横位置写真がメインなのでチルトがあればいいと思っていたんです。だけどこの写真のように縦位置で撮りたい時、チルトだと低い位置で構えた時に液晶が見づらく苦労していました。このマルチアングルはチルトができるし、バリアングルにもできて、縦横両方に対応できるのが本当に便利で、すごく感激しました。

リアルタイム認識AFが変えるペット撮影

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 110mm,F3.2,1/3200秒,ISO100

でも、何といっても動物を撮られる方が気になるのは、動きのあるシーンでのピント精度ですよね。ピント合わせは今までのαもそんなに不便したことはなかったんですけど、α7R Vはこれまでよりももっといいんです。何がいいかと言うと、食いつきももちろんですが、リアルタイム認識AF搭載で被写体の顔や体を検出できるようになったところ。例えば動きシーンで動物のお尻が向いている時なんかだと、動物瞳AFが利かずピントが迷ってしまうことがありました。でもα7R Vはそういうシーンでも被写体を検出してくれて、瞳じゃなくても、お尻や顔にAFがずっと合ってくれる。そして瞳が来た瞬間、パッと瞳にきりかわる。だから動いているシーンがすごく撮りやすいんです。

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 118mm,F2.8,1/3200,ISO100

例えばフリスビーシーンの撮影って凄く大変ですよね。風の影響も受けるし、ワンちゃんもあちこち急転回して不規則に動く。そういうシーンでのピント合わせは、トラッキングの拡張スポットにして撮影します。すると走り出しのスタートからトラッキングで追い続けてくれるから、いつでもシャッターチャンスがある。ストレスなく撮れるのは本当に楽しいし、先ほどの草が舞い散っているような迫力あるワンショットも撮れるので、α7R Vのピント合わせの精度はすごいなって思うばかりです。

撮って出しで使えるクリエイティブルック

もう一つ私が良いと思うのは、クリエイティブルックです。RAW現像で色にこだわっているとこれで良かったかな?とか、まごまごしてしまってインスタにアップする時期を過ぎちゃったとか、そういうことが良くありました。だから撮って出しができるクリエイティブルックは私のためにある機能かと思うぐらい良くて、これでインスタアップの頻度が上がったと思います。

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 200mm,F2.8,1/2500,ISO100

実際に撮って出しの写真をいくつか見ていただきます。まずこの写真。海で撮ったんですけど、何かこう“エモい”じゃないですけれども、そんな言葉が当てはまる写真になっていますよね。だけど実際の環境は次の写真のような感じ。

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 188mm,F2.8,1/2500,ISO200

太陽がきつくて、強く硬い光になっていたのでそのまま撮るとちょっと絵にならない。その時はレフ板もフラッシュも持ってなかったし、逆光で、普通だったらちょっと諦めているかもしれないシーンです。そういうシチュエーションだったんですけど、「そうだこれクリエイティブルックのSHにしちゃおう」と。SHにしたことで、柔らかい光がふわっと差し込んだ印象で撮れたんですね。そんな1枚に仕上げてくれるのがこのクリエイティブルックの魅力ですし、シャッターを押す回数が増えたなって思います。

α7R V,FE 85mm F1.4 GM 85mm,F1.8,1/640,ISO200

こちらはクリエイティブルックをNTにして、撮って出しの写真になります。このハウススタジオがシャビーシックというか、プチアンティークな感じだったので、少し色味が抜けたような落ち着いたトーンが出るNTで撮影しました。こういうイメージの空間で撮ることが多かったりするので、最近はNTが気に入っています。

α7R V,FE 85mm F1.4 GM 85mm,F1.6,1/320,ISO125

これも同じハウススタジオで撮っていますが、背景をレンガに変えた1枚です。レザーのソファーがあったので、少し質感を出したいと思ってちょっと色彩が強いVVというルックを選んで撮影しています。そうすることで格好良くアートな感じで撮れました。ルックによってこれだけ印象が違うし、なによりこれが撮って出しっていうのが本当に嬉しいですよね。

VLOGCAM ZV-E10というもう一台の存在

今回のCP+2023では、光と背景のカラーにこだわって撮ってきた作品もお見せします。

α7R V,Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 55mm,F1.8,1/500,ISO500

これはSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを使って撮影した1枚。このレンズは、凄くコンパクトで私のお気に入りのレンズなんですけれど、これで撮るとぼけ味も綺麗なんです。本当に小さいレンズなのに凄くいい。

ZV-E10,FE 35mm F1.4 GM 52mm相当,F1.4,1/320秒,ISO320

こちらはグレー系の背景でシックに決めたものになります。この光のグラデーションも綺麗ですよね。サイド光ですけれども強過ぎない光だったので、シックに仕上がっているんじゃないかと思います。これ、実はα7R Vで撮ったものじゃなくて、VLOGCAM ZV-E10というカメラで撮ったものです。レンズ交換式のVLOGCAMと言われていますけど、凄くコンパクトで優秀。写真にも動画にも便利なカメラなんですね。

ZV-E10,Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 82mm相当,F1.8,1/250秒,ISO200

この写真もVLOGCAM ZV-E10。お気に入りのSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAをつけて撮っています。窓から差し込むたっぷりな光で、朝の感じをイメージして撮った1枚です。毛の質感もとても綺麗でしょう?

ZV-E10,Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 82mm相当,F2.2,1/1000秒,ISO100

これもZV-E10とSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAの組み合わせ。動きシーンだって撮れるんですよ。これは、猫ちゃんがこっちに向かってくるところを、後ずさりしながら撮っています。動きながら撮っていますけれども、コンパクトだから片手でパパパッと撮れます。ぼけ味もいいですよね。私はZV-E10をα7R Vのサブ機として持ったり、お散歩撮影にと使い分けたりしています。

動画だからこそ撮れる動物たちの仕草も

ZV-E10は、vlogカメラということで動画も凄くいいので、動画もご覧いただこうと思います。1分ぐらいのショート動画になります。

ネコちゃん凄く鮮明ですよね?毛の1本1本が綺麗に見えているかと思います。これZV-E10で、手持ちで撮っています。レンズはSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA以外に、FE 35mm F1.4 GMのどちらかを使いながら撮っています。子犬ちゃんもかわいいですね。ペロペロなめっこをしているかわいいシーンです。こういうシーンはなかなか写真だと残せないので、やっぱり動画で残せるといいですよね。 今日はα7R VとZV-E10で撮った作品をご覧いただきましたけれども、私の作品の幅もこのカメラとレンズの組み合わせによって広がったなと思っていますので、ぜひ、皆さんも手にとって 使っていただければなと思います。

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