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写真家 福田健太郎氏から見たα7R Vの魅力

写真家 福田健太郎 氏

α Universe editorial team

福田 健太郎/写真家 1973年、埼玉県川口市生まれ。幼少期から自然、風景、その土地に暮らす人々に憧れ、18歳のとき写真家を志す。写真家 竹内敏信の助手を経て、1997年より活動を開始。日本を主なフィールドに、生命に溢れる万物の姿を追い求め続けている。写真集に「泉の森」、「春恋し〜桜巡る旅」など。 公益社団法人 日本写真家協会会員(JPS) 公益社団法人 日本写真協会会員(PSJ) https://www.youtube.com/c/KentaroFukuda https://www.instagram.com/kentarofukuda508

見た景色そのままを映してくれる

有効約6100万画素の圧倒的な解像性能はとても魅力です。自然や風景の撮影では、細部のディテールまで克明に描き分け、繊細な質感を伝えるリアルな再現を求めたくなり、α7Rシリーズがベストのカメラとなります。撮影の基本設定としては、低感度、適切な絞り値、カメラブレを抑止し、極めてシャープに写すことを心がけます。 ちなみに、こちらの写真は手持ち撮影で、両腕をまっすぐ上に伸ばし、カメラのアングルを高くすることで手前の草木が映らないようにしています。強力な手ブレ補正のおかげで、高解像の写真を気軽に撮れてしまうのは素晴らしいことですね。 α7R IVとα7R V。どちらも光学ローパスフィルターレスで解像感が非常に高いカメラです。同一被写体を正確に撮り比べするテストは行ったことはないのですが、α7R Vのほうが自然な仕上がりで、私は良い印象を受けています。

α7R V,FE 24-70mm F2.8 GM II 31mm,F11,1/50秒,ISO100

こちらの1枚を撮影した際、撮影現場はほぼ真っ暗な状況と言ってよく、肉眼では一本のシラカバの木はなんとなく、ぼんやり見える程度でした。G Masterの明るいレンズを使用したおかげで、ISO3200で適正な明るさに再現できたわけですが、ノイズの発生が抑えられ、木の質感や暗部のディテールがちゃんと記録されています。自然風景の暗所撮影は明るいレンズを使うことが基本ですから、感度を上げるにしてもISO3200、6400くらいまでです。低感度だけではなく、α7R Vは十分な高感度画質を併せ持っているといえます。

α7R V,FE 14mm F1.8 GM 14mm,F1.8,25秒,ISO3200

対岸の山は月明かりに照らされていました。風もなく、穏やかだったことから水面の映り込みは鏡のように綺麗で、枝葉をシャープに写し出すことができました。こちらの状況も肉眼では写真のように見えてはいなく、実際にはかなり暗い夜の世界です。長秒の露光を行うことで、薄らと雪化粧した山頂の様子などを鮮明に伝えてくれました。このシーンはバルブ撮影ですが、α7R Vのバルブタイマー機能や、露光経過時間が表示されるのでとても快適な撮影でした。

α7R V,FE 14mm F1.8 GM 14mm,F2.8,183秒,ISO400

今回はすべて、ホワイトバランスのモードを自分で設定変更しながら撮影を行いました。 ライトアップされた紅葉や桜の風景、クリスマスシーズンのイルミネーションなど、いろいろなライトに照らし出される環境は設定が難しく、オートホワイトバランスが活きるかもしれません。 風景撮影に限らず、肉眼で見ている色と写し出される色が違ってくる場面は、まったく不思議なことではなく、普通に存在するものです。カメラを購入して間もない方や、撮影に慣れていない人にとっては非常に戸惑いますよね。難しいことを知らなくとも、自然な色合いで再現できるオートホワイトバランスの性能が、さらに優秀となったことは喜ばしいです。

表現の幅が広がる1台

α7R Vの手ブレ補正が強化されたことはすぐに実感できました。最初の1枚目はカメラを持った両腕をまっすぐ上げて、より高いアングルから撮影したく手持ち撮影したカットですし、これらの作品も手持ちで撮影しました。

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 200mm,F3.5,1/3200,ISO3200
α7R V,FE 16-35mm F2.8 GM 22mm,F14,1/60秒,ISO100

使用するレンズの焦点距離、構え方や状況によりますが、1秒前後のスローシャッターでもぶれずに写すことができました。手ブレ補正の強化によって、描写再現に深く関係する絞り値やシャッター速度の設定に妥協しなくてよいシーンは増えます。それに、三脚の使用がはばかれる状況や禁止になっている場所でも、きちんと撮影できるのは大きい効果です。 ピクセルマルチシフト撮影についてもかなり快適になりました。これまでは風による影響など、ちょっとしたカメラや被写体のブレが生じると、正しく合成されないケースもありましたが、α7R Vの撮影では補正してくれます。16枚の画像を撮影して出来上がる約2億4080万画素の大きなデータの画像は、より緻密で質感を描写してくれます。紅葉と初雪の山腹を撮影した写真になりますが、枝葉の細かな部分まで捉え、豊かな色彩と階調で再現してくれました。このピクセルシフトマルチ撮影の画像はいろいろな用途が想定できますが、私の中で身近なものとしては、大きなプリントを行う際にいきると思います。

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 94mm,F8,1/25秒,ISO100

色再現について、α7R Vはクリエイティブルックが搭載されています。α7R IVまではクリエイティブスタイルでしたから、慣れの問題で最初少し戸惑いましたが、今の時代に合った個性的なルックがいくつも用意されていて気に入りました。 シラカバの樹皮を撮影した写真は「IN」を選びました。被写体の優しい色と温もりのある柔らかな質感がとても素敵でしたから、鮮やかで硬い仕上げは似合わないと考えました。コントラストと彩度を抑えてマットな質感となる「IN」がピッタリはまりました。

α7R V,FE 24-70mm F2.8 GM II 33mm,F18,1/5秒,ISO200

降雪直後の山と青空の写真は「FL」です。見た目とはだいぶ異なり、青空は落ち着いた独特な色味となります。コントラストが高く、メリハリの効いた仕上げで、雪に閉ざされた大自然の空気感を届けることができると考えました。

α7R V,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F11,1/200秒,ISO100

私はRAW+JPEGの記録形式で撮影していますので、RAW現像でクリエイティブルックの種類を変更することは可能です。ただ、撮影時に追い込みやすいことと、イメージどおりの画作りが簡単に得られることから、シーンに応じてルックを変えて撮影を進めています。完成度が高く、撮影後の調整作業に向かう時間は短くて済みます。

α7R Vはまさに理想のカメラ

α7R IVと比べて、段違いに良くなったと感じているのがファインダーです。約944万ドットの高精細OLEDが採用され、接眼光学系や機構も進化し、大きくて細かな部分も判別できるので撮影に集中しやすいです。 そして、4軸マルチアングル液晶モニターは、横位置でも縦位置でも見やすい位置に角度が調整できるため便利です。被写体に応じて、カメラの高さをとにかく変えますので、大変撮影がしやすくなりましたし、私は縦位置構図が好きなので非常に嬉しい変更点ですね。また、撮影時のタッチ機能を「タッチフォーカス」か、「タッチトラッキング」のどちらかを選択するのですが、とても反応がよく助かっています。 開放F2.8の明るい大口径ズームの優位性、画面周辺部までの解像性能、小型軽量化をさらに進めるG Masterの大三元はとても優れた組み合わせです。 また、FE PZ 16-35mm F4 G、FE 20-70mm F4 Gなど、最近はとても魅力的なレンズが続々と登場していて、それぞれの撮影スタイルにマッチする交換レンズが増えています。選択肢が多いことも、Eマウントの魅力ですよね。

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 105mm,F11,1/50秒,ISO100

ちょうど10年前、2013年に登場した初代α7Rからこのシリーズを使い続けていますが、自然風景の写真を撮る目的でしたら、α7R Vは理想のカメラに辿り着いてしまったと感じています。それほど素晴らしいカメラです。かけがえのない瞬間を確実に、より快適に撮影を楽しむことができ、基本性能が非常にしっかりとしていますから、長く使い続けたくなる気持ちが自然と生まれてきます。

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