α Universe editorial team
山陽本線 尾道~東尾道
千光寺公園から続く「文学のこみち」から、箱庭のような尾道の街を見下ろす。α7R Vの有効約6,100万画素の描写力を生かして、額縁効果となった手前の木々から、街並み、瀬戸内の海と階層的に重なる景色を余すことなく再現した
情緒あふれる港町の路地を
α7R Vを片手にスナップする
今回の旅の舞台に選んだのは、広島県の尾道。瀬戸内海の尾道水道に面し、古くから栄えてきた港町で、山と海に囲まれたわずかな土地に、神社仏閣や味わい深い街並みがまるで箱庭のように凝縮されている。昔から文学や映画の舞台になっているだけあり、急斜面に広がる旧市街に迷路のように続く路地は実にフォトジェニック。今回はα7R Vでスナップを楽しみながら、尾道ならではの旅情を感じる風景を探してみた。
有効約6,100万画素を誇るα7R Vは、高画素を生かしてじっくりと絶景を撮影するためのカメラというイメージが強いと思うが、実は優秀なスナップカメラでもある。約8.0段を誇る強力なボディ内手ブレ補正機能、約10コマ/秒の高速連写、AIを生かした優れたAF性能、あらゆる撮影に対応する4軸マルチアングル液晶モニターなど、スナップカメラに求められる機能をすべて備えている。何より小型・軽量なボディはフットワークが軽くなり、どんな場所へも行きたくなる。スナップの途中で絶景に出合えば、これ以上ないほど高精細に風景を描写することができるのだ。
僕の機材はG Masterのいわゆる大三元ズームがメイン。24-70mmと70-200mmはリニューアルが進み、レンズ本体が小さく、そして飛躍的に軽くなったのが大きな強み。今回は大三元ズームに「ここぞというときの単焦点レンズ」1本をプラスした4本の軽装で、旅情あふれる尾道の街をのんびりと散策。突然現れる被写体にも瞬時に対応できる、実に小気味良くスナップを楽しむことができた。小さく、軽く、高画質は旅カメラの正義なのだ。
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<PHOTO TECHNIQUE>
大三元ズームにもう1本! 単焦点の追加が中井流
僕のメインレンズはいわゆる「大三元ズーム」だが、ロケでは必ず1本プラスするようにしている。狭い路地が多い尾道の撮影では、FE 14mm F1.8 GMをチョイス。FE 16-35mm F2.8 GMの広角端と比べてたった2mmの差だが、違いは歴然。ゆがみも少なく、開放F値もF1.8と明るいので、「もう少しだけ画角が広ければ……」というここぞのときに、威力を発揮してくれるレンズなのだ。
尾道大橋から新尾道大橋の美しい斜張橋を入れて山陽本線を撮影。16mmではわずかにてっぺんが切れてしまう状況でも、14mmではバッチリ構図に収まる。こういう「ここぞのとき」は意外に多く、今回も出番の多いレンズとなった
山陽本線 尾道~東尾道
夕暮れ迫る尾道水道を望む。列車のタイミングに合わせて、瀬戸内の島々を結ぶフェリーが現れた。ISO 1600とは思えないα7R Vの美しい高感度画質が、僕の感動をそのまま再現した
山陽本線 尾道~東尾道
神社仏閣が多い尾道の街。天寧寺 三重塔の奥を、山陽本線の列車が行く瞬間を狙う。三脚は使わず、FE 70-200mm F2.8 GM OSS Uにさっと付け替え、大胆な構図で切り取った
山陽本線 尾道~東尾道
路地の先にどんな風景があるのか、ワクワクしながらのフォト散歩。何か物語が始まりそうな、梅雨の晴れ間のひととき
山陽本線 尾道~東尾道
ローポジションでも、4軸マルチアングル液晶モニターがあれば、快適に撮影できる。機動力が高いので、時刻表には載っていない貨物列車が突然来ても、瞬時に対応できる
山陽本線 尾道~東尾道
まだ始発列車前の早朝、尾道大橋から東尾道方向を望む。瀬戸内の穏やかな朝の静寂のなか、黙々と走る貨物列車が旅情を誘う。高精細な描写力が光る1枚
<ADVENTURE EPISODE>
細い道が多い尾道は
バイクによる移動が便利
旧市街の撮影は、ブラブラと散歩しながら行ったが、俯瞰できる展望台への移動は、レンタルバイクを活用。三脚なし、カメラ1台、レンズ4本のみの軽装だと、撮影の自由度も高くなる。
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