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鉄道写真家 山下大祐 氏から見た
VLOGCAM ZV-E1の魅力

鉄道写真家 山下大祐 氏

α Universe editorial team

山下大祐/鉄道写真家 1987年兵庫県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。鉄道を制作活動の舞台としてスチル、ムービー問わず作品作りに注力している。広告、鉄道誌、カメラ誌等で活動。αアカデミー講師、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

――初めてZV-E1を手にした時の第一印象はいかがでしたか? α7Cの登場時にも近い感覚でしたが、コンパクトなボディに大変驚かされました。動画と写真のモード切替には独立した物理スイッチを設け、それを視認しやすい場所に配置しており、カタログの解説を読む以上に納得できる使い心地でした。電源を入れると同時にどちらのモードになっているかが認識しやすいので、撮影モードを間違えずに構えることができました。シネマティックVlog設定でも撮影をしました。難しいカラーグレーディングをしなくても、複数のルックとムードから組み合わせを選択してイメージを作り上げていくことができるので、簡単に気軽に楽しめました。ついつい自分の標準カラーから微調整する考え方で設定しがちなのですが、もっと自由にカメラに頼ればいいよねと思わせてくれたのがこのZV-E1です。 手ブレ補正のダイナミックアクティブモードは驚きました。鉄道動画では絵を持たせるために車両の動きに頼りがちでしたが、手持ちで歩きながら撮ることもできてしまうので、どんどんカメラを動かして撮りたくなりました。フレーミング補正機能もそうですが、クロップ率が高いはずなのに高画質が維持されていて、鑑賞時にクロップ感が出ないのも驚きです。

――撮影でZV-E1を使用していただきましたが、工夫されたことなどございますか? 今回は写真撮影より動画撮影に多くの時間を費やしました。仕事の撮影では手持ち撮影をあまりしないのですが、VLOGCAMの使われ方として多いであろう手持ち撮影を基本にしました。手ブレ補正で動画がクロップされることを念頭において、動画撮影では写真と比べてふた回りほど広い画角のレンズを使用しました。

――ZV-E1の各機能・特長について、撮影しながら感じたことなどございましたら教えていただけますか? ぼけ感に関して、ZV-E1は35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載していることを考えて、開放F値の特に明るい単焦点レンズをいくつか使用しました。ぼけの強弱を操作することでも絵に動きをつけることができるので、そういう意味では表現の手段が一つ増えたような感覚です。 色味に関しては、今回の動画作品はほぼすべて撮って出しのクリップを使用しています。この辺りはスチル撮影のクセもあり、本番撮影までにある程度色の調整をして撮影するようにしているためです。今回は動画の完成形をある程度想定して、突飛な色表現は行わずにしておきました。

――制作いただいた動画作品のお気に入りのシーンやこだわったポイントなどありましたら教えてください。 0:54~辺りの、雨の中接近してくる新幹線のアップのシーンにこだわりました。S&Qでスローモーションの表現を取り入れましたが、新幹線の動きでアウトフォーカスの状態からピント面に入ってくるような絵にしたくて構想時から狙っていました。アップにとらえることで雨粒のシズル感まで見せることができるというのも狙いです。撮影時に雨が降ってくれたことが幸いでした。

――ZV-E1の高感度性能・諧調性能はいかがでしたか? ZV-E1は特に高感度に強く、今回の動画作品の中でもそれを実感できるシーンがいくつかあります。画質についてはやはり写真のほうでメリットが大きいでしょう。使える感度域が広がって、ISOオートを積極的に使うなど撮影の方法も少し変えてみました。

――α7R Vに搭載の最新AF性能がZV-E1にも搭載されております。静止画・動画共に、使用されてのご感想を教えてください。

ZV-E1,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 312mm,F16,1/15秒,ISO80

AF性能に関してピント位置のトランジションが滑らかで、タッチ操作感も含めてレック中でも十分使っていけると実感しました。動画では列車にピントを追従させることが少ないのですが、トラッキングの食いつきや速度が非常に良く、おかげで撮影がスムーズに運びました。 こちらの写真は、都内の展望施設から撮影しました。縦に構えた状態で流し撮りしたものです。背面の液晶モニターを用いた流し撮りとなるため、大変不慣れな所作でしたが狙い通り運転席周りに動きを合わせながら撮ることができました。AF時レンズの駆動する感覚はほとんどなくスーッとピントが吸い付くように合ってくれる感覚でした。レンズを向けてから撮影開始までの時間も削られます。被写体認識機能は、動画撮影時より写真撮影時に多く活用しますが、いずれにしても普段使っているα7R Vと比較してAFの精度・スピード共に遜色なく使用できました。

――静止画作品も撮影いただきましたが、撮影性能などいかがでしたか?

ZV-E1,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 224mm,F5.6,1/8秒,ISO6400

こちらの写真は、望遠レンズで撮影した流し撮り作品です。シャッター速度が非常に遅いので、列車が桜の木の間に見える瞬間のシャッタータイミングを狙っています。背面液晶モニターへの表示もスムーズで、無事撮ることができました。人口光の当たる桜の木はかなりのハイライトですが、トーンを残しながら表現できています。

ZV-E1,FE 135mm F1.8 GM 135mm,F1.8,1/1600秒,ISO80

こちらの作品は、前ぼけとして菜の花の群生を写しています。向こう側の世界には鉄塔や建物など見せたくないものもありますが、それらをぼけの大きいところで隠しながら、ぼけの小さいところに列車のシルエットを持ってくるよう、針穴を通すようなフレーミングにしています。大口径レンズならではのぼけの大きさも描写に寄与していますが、色の飽和やトーンジャンプもなく再現されているのは階調の高さが窺い知れます。

――撮影いただいた静止画作品の中でお気に入りの1枚がございましたら、撮影時のシチュエーションやお気に入りポイントをお聞かせください。

ZV-E1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 70mm,F5.6,1/2500秒,ISO200

こちらは非常にオーソドックスな列車編成写真ですが、この車両のさよならイベントで運転された臨時列車を撮ったものです。場所は北海道。ワンチャンスなので撮る瞬間はドキドキです。そんな失敗が許されない撮影においても、ばっちりのタイミングをおさえることができました。最高約10コマ/秒の連写を駆使すれば、このようなアングルでも連写任せでいけます。

――山下様が考える、動画作品と静止画作品の表現の違いについてお聞かせください。 動画制作は写真展の構成を考えることに近いように思います。写真展は見る人がギャラリーを後にするときの満足感が重要で、写真展全体のリズムやストーリーまでがその満足感を左右します。そのため動画の場合もそのことを考えながら制作するようにしています。しかしながらカット一点一点の質を蔑ろにすると台無しになります。見せたい瞬間を見せることや、光にこだわった撮影をするのは、写真も動画も同じです。 鉄道動画では車両が動けばカメラは固定でもそれなりに1カットができてしまうのですが、そういったカットの連続ではどうしても静かな印象になります。実際、列車の走行風景を集めた動画はたくさんあります。そこで、世の中にあまりない鉄道動画を作るというのが今回の制作のテーマでした。BGMもアップテンポのものを使用し、短いカットをたくさん入れました。

――最後になりますが、ZV-E1はどのような方にオススメできるカメラですか? 鉄道を動画作品の題材として取り組んでいる人は、写真ユーザーに比べてまだまだ少ないようで、これから大いに伸びてくるものと期待しています。動画撮影を高画質でカメラをどんどん動かして撮りたい人、それに加えて写真もどんどん撮りたい人、そんな人にZV-E1はおすすめです。

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