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感動の星景をα6700で切り撮る

写真家 北山輝泰 氏

α Universe editorial team

北山 輝泰/写真家 1986年東京生まれ、日本大学芸術学部写真学科を卒業。天体望遠鏡メーカービクセンで、営業マンとして7年勤務したのち、星景写真家として独立する。山梨県富士山麓を主なフィールドに星景写真を撮影しつつ、オーロラや日食などの様々な天文現象撮影を行うため、海外遠征も積極的に行なっている。現在は、天文雑誌「星ナビ」ライターや、アストロアーツ天文講習会の講師、ソニー αアカデミーの銀座校、大阪校、オンライン校の講師などを務める傍ら、自身でも「NIGHT PHOTO TOURS」を主宰し、星景写真ワークショップの企画・運営などを行なっている。 https://kitayamateruyasu.com/

コンパクトなAPS-C機で星空を捉える

普段はフルサイズをメイン機としていることもあり、α6700のサイズ感は本当にコンパクトに感じます。しかしながら、有効約2600万画素の裏面照射型Exmor R CMOSセンサーに加え、フルサイズ機にも搭載されているBIONZ XRを搭載し、処理速度も十分に速く、使い勝手に不満はありませんでした。またα6600ではチルト式であった液晶も、α6700ではバリアングル式になったため、ローアングルや縦構図での撮影も非常にやり易くなりました。撮影を始めたタイミングがちょうど梅雨入りと重なってしまったこともあり、なかなか良いタイミングで撮影に行けませんでしたが、運良く紫陽花が満開となるタイミングと晴れ間が重なり、紫陽花と星空の写真を撮ることができました。

α6700,E 11mm F1.8 16mm相当,F1.8,15秒,ISO3200

撮影した場所はおよそ標高2,000m地点にある展望台で、眼下には富士見市が広がる素晴らしいロケーションです。黎明のタイムラプスを撮ることが目的でしたが、早めに現場に着きましたので、南中する天の川の撮影を行いました。ここは天の川を肉眼で見れるほどの空の暗さでISO感度も6400にして撮影を行う必要がありましたが、高感度ノイズも少なく十分満足できる画質だったのが驚きでした。

α6700,E PZ 18-110mm F4 G OSS 27mm相当,F4,60秒,ISO2500

ダイナミックレンジはレタッチすることを前提とした星景撮影においてとても重要な要素ですが、RAWに比べ情報量が少ないJPGデータでのレタッチでも、画像が破綻することなく思い描くイメージに仕上げることができました。高感度撮影時は思い描く色が出ず苦労することも多いですが、α6700は微弱な星雲の光もしっかり捉えることができ、色の再現性も高いためとても気に入っています。

α6700,E PZ 18-110mm F4 G OSS 135mm相当,F4,60秒,ISO2500

トリミングや望遠効果を生かすことで広がる星景表現

APS-C機のメリットの一つは望遠効果にあると思います。私は満月や新月前後の細い月が見られる時に、月と地上風景の両方を拡大して撮影することが多いですが、少しでも望遠にして月を大きく撮った方が印象的な作品になりますので、α6700には大変魅力を感じています。また、月の出没するドラマチックな瞬間を撮影するときに使えるのが「クリエイティブルック」です。今回はVVを使って暖色系の色温度をより強調させて撮影を行いましたが、自分の作風に合わせて色を作り込んでいく楽しさはみなさんに体験していただきたいです。

α6700,E 11mm F1.8 16mm相当,F2.8,5秒,ISO2000
α6700,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + 2X Teleconverter 1332mm相当,F13,1/60秒,ISO8000

大阪城の鯱鉾と月をFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSの400mm側で撮影しました。撮影場所が周囲を木で囲まれている場所であったため、枝が被ってしまい写真左側がケラれてしまっています。そこで思い切ってトリミングをしたものが最後の写真です。およそ30パーセントほどトリミングしていますが、4Kのモニターで見ても十分綺麗で、引き伸ばしにも耐えうる画像データが残っているのは、有効約2600万という画素数のおかげでしょう。

豊富なレンズラインアップであらゆる表情を切りとる

APS-C機が苦手とする広角をカバーできるレンズとして、E 11mm F1.8は一番最初に試したいと思っていたレンズでした。35mm判換算値でも約16.5mmですので、天の川撮影含む星景撮影のあらゆるシーンに対処できますし、なんといっても開放F値1.8ということで、申し分ないスペックです。実際に使用してみた感想は、ここまで解像するの!?と思える描写で、F1.8での撮影でも周辺減光なども少なく絞らずとも十分実用的な作品が撮れるのが驚きでした。それが手のひらに収まるサイズということですから、本当にびっくりです。

α6700,E 11mm F1.8 16mm相当,F1.8,15秒,ISO6400
α6700,E 11mm F1.8 16mm相当,F1.8,15秒,ISO3200

普段はフルサイズを使って撮影を行なっていますので、FEレンズを使うことが当たり前となっていますが、これらのレンズはα6700でも問題なく使用することができます。私が好んで行う月の地球照の撮影では、F値が明るいズームレンズを使うことが多いですが、FE 12-24mm F2.8 GMやFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIなどは、できるだけ広角で撮影したシーンや、逆に望遠効果を活かして撮影を行いたいシーンなどといった場合にとても役に立ちますので、α6700と相性が良いと言えるでしょう。

α6700,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 300mm相当,F2.8,1/10秒,ISO320
α6700,FE 12-24mm F2.8 GM 18mm相当,F8,10秒,ISO50

α6700で星景撮影をする方にまずおすすめしたいのはE 11mm F1.8です。画角が広いので初心者の方でも構図が決め易く、またF値が明るいためブライトモニタリングを併用した構図合わせの際にモニターで風景が視認しやすいというメリットがあります。次に、薄明の時間帯や明るい月光下での撮影時など、開放F値が明るくなくても良いシーンには、E PZ 10-20mm F4 Gがいいでしょう。FEレンズでは、FE 12-24mm F2.8 GMや、FE 20mm F1.8 G、そして望遠ではFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIやFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSで望遠効果を活かして被写体を大きく撮影するといった撮り方がいいでしょう。

写真も動画もこれ1台で楽しめる

雲が動いていく様子や空の明るさが変化していく様子、そして星空の動きなどはタイムラプスで表現するべき特徴的なシーンですが、α6700にはZV-E1と同等のタイムラプス機能が備わっているため、カメラ内でタイムラプス動画を生成することができます。クイックモーション撮影との違いとしては、撮影間隔を最大60秒で設定できるようになったため、より長尺の変化を短時間の映像に圧縮することができます。星空のタイムラプスで1枚あたりの露出時間を長くする必要があるシーンでは、従来のインターバル撮影をしてからImaging Edgeでタイムラプス化するという流れになりますので、撮影の狙いや空の明るさによってタイムラプス機能を使うかインターバル撮影をするかを切り替えましょう。

* 4Kでは最大6秒間隔

フルサイズと比べセンサーサイズが小さくなるため、高感度撮影時にどれくらいの画質で撮影できるのか、また色の再現性はどれほどなのかがまず気になる点でしたが、両者とも十分満足いくものでした。さらに、タイムラプス機能をはじめとし、S-Cinetoneやオートフレーミング機能など、最新の機能や設定を使っての創作活動が行えるのもクリエイターにとってはとても大事なポイントです。これまでの星景写真撮影や星景動画の制作ではフルサイズが絶対的に有利と思っていましたが、用途や撮影の狙いによってはα6700が活躍するシーンは多くなるでしょう。

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