Adventure TRAIN 第12回 小湊鐵道
鉄道写真家 中井精也 氏
中井精也がαと旅する鉄道冒険記
デジタルカメラマガジンとの連動企画を
毎月コラム形式でお届けします
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記憶にある夏の風景を求めて
猛烈な暑さの中、小湊鐵道へ
この夏は記録的な猛暑が続いた。撮影の過酷さはもちろん、ただ生活しているだけでアドベンチャーな状況だが、裏を返かえせば夏らしい作品を狙うには最高の状況とも言える。今回、旅をしたのは昔ながらのローカル線の原風景を今に残す小湊鐵道。テーマは「記憶の中の夏」に決めた。実際にそうであったかはもはや定かではないが、子どもの頃の夏は今よりもキラキラと輝いていたように思う。あの鮮烈な夏の風景を、この夏らしい夏に、どうしてもα1で再現してみたかった。
僕たちが使うカメラは、目の前の風景をそのまま写す機械だ。でも写真は目の前の風景をそのまま写すものではないと僕は考えている。そのまま写すだけでは、記憶の中で年々美化されていく夏の色には到底かなわない。だから僕は、αという最高の道具を使って、現実の風景を理想のあの鮮烈だった夏の色に近づけていく。 高い位置からほぼ直角に降り注ぐ夏の光は、遮る空気の層が薄いぶんとてもクリアーだ。その強烈な光線は大きな明暗差を生み、風景にメリハリを与える。αシリーズに搭載されているクリエイティブルックは、ハイライトとシャドウの描写を意のままにコントロールすることで、夏のメリハリを効かせたイメージ通りの作品を生み出すことができる。今回αで捉えた夏の風景は、どれも記憶の中以上にキラキラと輝いていた。 夕焼けのヒマワリ畑に列車が現れたとき、突然自転車に乗ったおじさんがファインダーを横切った。α1のモニターに現れた写真を見た瞬間、まるで記憶の中の風景を撮影したかのような、確かな手応えを感じた。
<NEW PRODUCTS>
夏色はハイライトとシャドウのコントロールが決め手
撮影後にレタッチするだけではなく、現場でできるだけ理想の色に近づけるように心掛けている。夏空の風景を撮るときは、PLフィルター+クリエイティブルック「VV」をセレクトするのが基本。さらに雲の白飛びを抑えるためにハイライトを+3、肉眼の印象に近づけるためにシャドウを+4調整している。調整値は現場の条件によって変わるが、方向性は変わらない。
<ADVENTURE EPISODE>
大俯瞰ポイントを発見するも下回りが見えず断念……
通い慣れた小湊鐵道だが、新ポイントを探そうと山に分け入るアドベンチャー。そして素晴らしい俯瞰ポイントを発見! でも列車が来たら、夏草で下回りが見えず撃沈。季節を変えてまたチャレンジだ。
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