α1で切り撮るフィールドホッケーのドラマ
スポーツフォトグラファー 水谷たかひと 氏
水谷 たかひと/スポーツフォトグラファー 1968年東京生まれ。1990年東京総合写真専門学校卒業と同時に渡仏。様々なスポーツイベントを撮影し、3年後に帰国。拠点を日本に移しスポーツイベントを追いかける。 2001年・個展「NEVER END」開催、同時に同名の写真集発刊。 2005年・グループ展「水谷ファミリーグラフィティー・MY SPORTS」を開催。 2014年・報道写真展「上村愛子 16年のキセキ」を千葉ニッケ コルトンプラザにて開催。同時に同名の報道写真集を発刊。 2020年・報道写真展「prelude_序曲_」を東京ポートレートギャラリーにて開催。同時に同名の報道写真集を発刊。 公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員 一般社団法人日本スポーツ写真協会(ANSP)会長 国際スポーツプレス協会(AIPS)会員 株式会社マイスポーツ出版代表取締役
ソニーHC BRAVIA Ladiesオフィシャルフォトグラファーとしても活動されているスポーツフォトグラファーの水谷 たかひと氏。2023年5月末より開始した「高円宮牌2023ホッケー日本リーグ」の開幕戦から8月末のレギュラーシーズン最終戦までの勇姿をおさめた作品をご紹介。
試合中の一瞬一瞬を逃さず捉える
競技中に表れる選手たちの生き生きとした喜怒哀楽の表情や、競技の激しさ、厳しさを光と影と使って表現することを最も意識して撮影に挑んでいます。選手たちをより立体的に際立させたいので、背景やぼけ味にもこだわっています。使用する機材に関しても、今現在最も新しく、優れているものを使うということもポリシーの1つです。 スポーツ競技は全ての被写体の中で速い部類に入ります。一般的に考えれば撮影するのが難しいと思われるでしょう。実際追従するのは困難ですが、まずはその競技のルールを熟知することが重要です。ルールを基にして、選手の動きや試合の流れが掴めます。次に先を読んで、狙うこと。フィールドホッケー等ではボールを常に追いかけて続けていると、どんどんプレーに置いて行かれてしまいます。なので、次にどこへパスが出されるか?選手たちがどう動いてくるのかを予測して追従させる準備をしているのです。 この1枚はボールを競り合っている瞬間を捉えたものです。ブラビアレディースの選手メインで撮影していますが、対戦相手選手の表情や姿からもプレー中の激しさが伝わってきますので、そういう部分も大事なポイントだと思っています。
ゴールキーパーを撮影する機会が極端に少ないのがフィールドホッケーだと感じます。そんな中、ゴール前で撮影した一枚。常にフェイスシールドに守られているので表情を捉えるのが難しいのですが、α1の瞳AFのおかげでピントはガッチリ合っています。
こちらは得点を決めて拳を突き上げた瞬間を捉えました。ガッツポーズはやはり絵になります。手前に対戦相手たちが被っているので、そのちょうど間を抜けた瞬間にピントを合致させました。ピントの合致までのスピードが速く、正確なところがαの凄いところですね。
自分の希望を細やかに叶えてくれる1台
カメラの設定を変更させて狙った一枚になります。通常であれば手前の対戦相手選手にピントを持っていかれるのですが、設定にある「AF被写体追従感度」という項目を、より[粘る]に設定しました。これは追従させている被写体から安易にピントの移動はさせないでとカメラに指令を伝えたわけです。なので、プレーを行っているブラビアレディースの選手の前に対戦相手が被っても、ピントが引っ張られることが少なくなるのです。さまざまな設定を忠実に行ってくれるα1で、今まで撮影するのが難しかったシーンや瞬間を狙えるようになり、撮影がもの凄く楽しくなりました。
フィールドホッケーは水を試合前やハーフタイムに散布する珍しい競技です。水しぶきが生まれるわけで、その特徴を表現しない手はありません。水しぶきによってプレーの写真をよりドラマチックにアクセントをつけることができます。水しぶきを最大限に表現するには逆光と背景を黒く落とすことが重要だと考えています。撮影ポイントを変えつつ、カメラをアンダー気味になるよう設定し、水しぶきが生きる写真を狙っています。
この一枚は同点によるシュートアウト(サッカーでいうPK戦)時において、シュートを外して勝敗が決まった瞬間になります。得点を決められず悔しがるブラビアレディースの選手と勝利し喜ぶ対戦相手のGKの姿が一枚に収められました。スポーツの世界ではほぼ全てで勝敗が決まります。勝敗が決まるからこそ、勝者と敗者の姿が鮮明に表れます。フィールドホッケーに限りませんが、勝負に掛ける選手たちの熱い想いが写真で表現できたらと撮影に挑んでいます。
試合開始が夜だったこともあり、夕景の中での試合事前練習を撮影できました。このように時間を生かした写真は大好きで、特に早朝や夕方の時間帯に創作意欲が増してきます。撮影状況にもよりますが、この時間帯はナイターの照明が入らずに暗い中で被写体を追従させなければなりません。私にとってαの魅力であるオートフォーカス性能の高さにより、暗所でピントが合わないなんてことは全く感じませんでした。必要以上にISO感度を上げなければ画像の解像性も損なわれません。暗所でも積極的に撮影に挑んでいきたいですね。
2021年、α1が世に出てから全く色褪せないスペックと性能の高さに大変満足しています。驚きを隠せません。本当にα1を選んで良かったと思っています。もちろんシャープな描写ながら美しいぼけ味が魅力なG Masterも素晴らしいです。スポーツ撮影における瞬間とは本当に一瞬で、逃せられません。特にフィールドホッケーにおけるゴールシーンやゴール前の攻防を収めるのは難しいと感じます。しかしα1であれば、ゴール前で瞬時にピントを合わせ、迷うことなく追従を開始し、完全ブラックアウトフリーのEVFだからこそ選手を見失うことなくファインダー内にて選手を追い掛けられ、秒間30コマの連写で切り撮る。この一連の動作をパーフェクトにこなせるのがα1最大の魅力です。
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