風景も花も楽しめる。小型軽量で撮影が楽しい万能レンズ『FE 70-200mm F4 Macro G OSS II』
写真家 萩原れいこ 氏
萩原れいこ/写真家 沖縄県出身。学生時代にカメラ片手に海外を放浪した後、日本の風景写真に魅了されていく。車内泊用に改造した軽ワゴンで日本縦断を敢行。隔月刊「風景写真」の若手風景写真家育成プロジェクトにより、長野県志賀高原での写真修行を経て独立。永久的な"自然の営み"をテーマに、嬬恋村、志賀高原、沖縄県をメインに活動中。個展「Heart of Nature」、「地獄」、「羽衣〜Hagoromo〜」などを開催。写真集「Heart of Nature」(風景写真出版)、「風景写真まるわかり教室」(玄光社)、「極上の風景写真フィルターブック」(日本写真企画)などを執筆。撮影のほか、撮影指導、写真雑誌への寄稿、セミナー講師などを行う。石の湯ロッジ撮影会プラス講師、アカデミーX講師、カメラグランプリ審査員、嬬恋村キャベツ大使(観光大使)。
――これまで多くの望遠ズームレンズをお使いいただいてきた中、
FE 70-200mm F4 Macro G OSS IIを使ってみた時の第一印象は如何でしたか?
とにかく「軽くて小さい」というのが強烈な印象でした。望遠ズームレンズながら標準レンズと同様の感覚でザックに収納することができ、かさばらずに携行できます。私は時折ハイキングをしながら撮影するのですが、持っていくかどうか一番悩むのが望遠レンズです。眺望の良い峠で遠くの山肌を切り取ったり、珍しい野鳥や動物を写し止めたりすることがあるので、やはり持っていかないと後悔するのですが、このレンズだと迷うことなく持ち歩こうと思えるのがとても嬉しいです。AF性能も向上し、α7R Vなどに搭載されるAIプロセッシングユニットと併用することで、昆虫や揺れる花などにも快適にピントを合わせることができます。また開放絞り値はF4ですが、撮影最短距離が短くなったことでグッと被写体に近づいて、大きなぼけ味も作ることができます。テレコンバーターも装着できて超望遠レンズとしても使用できるので、使い勝手の良い万能なレンズだと感じました。
――FE 70-200mm F4 Macro G OSS IIの特徴はなんといってもズーム全域で最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ機能を備えている点ですが、萩原さんの作品表現に影響はありましたか? 望遠レンズの次に携行を悩むのがマクロレンズですが、道端の小さな花やキノコなどを見つけて感動することも多く、一期一会の瞬間を写真に収めたくなります。このレンズは望遠レンズながら、ズーム全域で最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ機能を備えているので、荷物からレンズ一本分軽量化しつつマクロも撮り逃すことがなく非常に画期的です。また、花などの被写体を望遠とマクロ両方の視点でアプローチすることができ、撮影のリズムを崩さずに自分がイメージした絵をスムーズに描けるようになりました。フォーカスレンジリミッター【Macro】が搭載されているので、ピントが抜けて背景に合ってしまうこともなく、細やかなピント合わせに集中できます。
――FE 70-200mm F4 Macro G OSS IIの望遠ズームレンズとしての実力は如何でしたか?
こちらは駐車場から数十分ほど下ったところにある滝で、帰り道が上り坂となり少し辛い場所です。ですが、小型軽量なので望遠レンズを持っていくことを諦めず、バリエーション豊かに滝を撮影することができました。
蓮の畑に小さなカエルを見つけました。手持ちでアングルを探し、脅かさないように素早くピントを合わせて数枚撮影。その後すぐにカエルが後ろを向いたのですが、AF性能が高いことで即座に作品を撮ることができました。
朝日を待ちながら三脚に据えて撮影しました。遠くの畑や山が霞んでいましたが、解像感のあるレンズなので200mmのテレ端でもしっかりと輪郭を描写し、朝焼けや山々の色合いも美しく表現できて嬉しく思います。
70mmのワイド端で撮影しましたが、標準域に近い画角で風景的な絵も描くことができ、
70-200mmの焦点距離が使いやすく気に入っています。画面周辺の葉も繊細に描写し、風景の緻密さを表現できるレンズだと感じました。
遠くに穴の開いた特徴的な木を見つけて、主役にしようと思って構図を決めました。薄暗く濃厚な霧が漂う高原でしたが、ピントをスムーズに合わせることができ、流れる霧の美しい濃淡を生かして撮影できました。
朝靄が漂う高原に朝日が差し、突然光芒が現れました。靄が流れているので光芒は出たり消えたりと忙しく、素早く手持ちで撮影。手ブレ補正機能を搭載しているので、絶景でも安心して手持ち撮影ができました。
――FE 70-200mm F4 Macro G OSS IIの総評をお願いいたします 風景的な解像感を生かした撮影はもちろん、大きく優しいぼけ味を添える撮影も魅力的なレンズです。ピント面のシャープさや立体感が美しく、柔らかい玉ぼけの描写は主役をそっと引き立ててくれます。最短撮影距離が短くなり、大胆に被写体に近づいて撮影できるので、花や昆虫などの撮影がとても楽しくなりました。どこまで寄れるかな、といった今までの心配から解放され、レンズ交換をすることなく望遠撮影からハーフマクロ撮影に移行できるのは革命的だと感じました。刻々と移ろう光や小さな生き物など、一瞬の出合や表情を撮り逃さず、リズム良く撮影することができます。小型軽量で手持ち撮影も快適なので、望遠レンズの携行を躊躇っていた方も、さらに撮影が楽しくなると思います。
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