α Universe editorial team
ドイツ北部バルト海に突き出したリューゲン島を走るリューゲン軽便鉄道。絵本のような森を1935年製の99-4011-5号機が駆け抜ける。16mmのパースを使い列車を緑の木で包み込んだ。第2世代になってさらに磨かれた、メリハリの効いた描写力が光る
ついにそろった大三元のII型
画質向上と大幅な軽量化が魅力
8月下旬、約30年ぶりにドイツを訪ねた。狙いはドイツ北部に点在する、SLを使った保存鉄道。中でも毎日のようにSLを運行するハルツ狭軌鉄道、リューゲン軽便鉄道、モリー鉄道の3路線を巡る旅だ。どの路線も絵本の世界から抜け出したような風景の中を、旧東ドイツ製の素朴な蒸気機関車が走るという最高のシチュエーションだ。今回は思い切って登場したばかりのFE 16-35mm F2.8 GM IIの1本で挑んでみた。
僕の機材はG Masterレンズのいわゆる「大三元レンズ」がメインだ。先に第2世代に進化したFE 70-200mm F2.8 GM OSS II、FE 24-70mm F2.8 GM IIに続き、このFE 16-35mm F2.8 GM IIが満を持して登場となった。手にして驚いたのは、その軽さ。ほぼ100%外ロケで、険しい場所に機材を担いで登る僕の撮影スタイルにとって、レンズの軽さはかなり重要。それぞれ新世代となって軽量化されたG Master大三元ズーム3本分を合わせれば、約759gもの軽量化を実現している。
正直に言えば、第1世代のFE 16-35mm F2.8 GMでも不満を感じるところはまったくなかったが、第2世代となり画面の隅々まで描写する高い解像力と、そのクリアーな描写力に大きな進化が感じられた。
フィルム時代から撮影している僕の世代にとってうれしいのは、絞りリングの復活だ。これでG Master大三元ズーム3本すべてに絞りリングが装備され、体にしみついた撮影スタイルでストレスなく撮影ができるようになった。このレンズの登場により、α1を頂点とする隙のない布陣が完成したと言える。
<NEW LENS>
高画質で持ち運びがしやすい
新16-35mmは旅のお供にぴったり
最新の超高度非球面XAレンズとフローティングフォーカス機構を採用し、周辺部の解像力が向上。ゴーストやフレアもI型より低減している。作例では森の木々を通る太陽光線をアクセントにしたが、レンズに光が入る状況でも、ゴーストもフレアも高レベルに低減されている。それでいて固くなり過ぎない優しい描写になっているところが実に素晴らしい。
ハルツ狭軌鉄道 シュティーゲ〜アルブレヒトハウス
ドイツ中部ハルツ地方に3路線を持つハルツ狭軌鉄道。牧歌的な風景をのんびりとSL列車が走る風景を26mmで撮影。使い方次第では標準レンズのようにも写せる万能レンズだ
ハルツ狭軌鉄道 シュティーゲ〜アルブレヒトハウス
モリー鉄道 バート・ドベラーン駅付近
ドイツ北部のバルト海沿岸のリゾート地を走るモリー鉄道。美しい石畳の街中を蒸気機関車が鐘を鳴らしながらゆっくりと走るシーンは、この鉄道のハイライトだ
ハルツ狭軌鉄道 シュティーゲ〜アルブレヒトハウス
印象的な空をバックに、蒸気機関車のシルエットが浮かび上がる。引きがなく16mmで撮影したが、ゆがみも少なく素直な描写に感動する
リューゲン軽便鉄道 車内
森を駆け抜けるリューゲン軽便鉄道。客車からバック運転のSLを16mmで撮影した。ダイナミックに森が流れ、疾走感あふれるカットになった
リューゲン軽便鉄道 ビンツLB〜グラニッツ
森を駆け抜けるSLを16mmでダイナミックに流し撮り!画面上部の森を孤を描くように表現できるのは、超広角レンズならではだ
<ADVENTURE EPISODE>
メルヘンチックなドイツ路線は
僕の胃袋も大満足な鉄道旅に
ゆる鉄派の僕にとって、メルヘンチックなドイツの森を素朴なSLが走る光景は、まさに憧れの風景。絵本のような街の中では、素朴なスイーツとも出合えて、まさに天国のような旅だった。
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