αcafe CHOICE作品写真展
トークショー イベントレポート
αユーザーの作品ギャラリー&コミュニケーションサイト「αcafe」で実施された「2022年αcafe CHOICE作品年間大賞」。2023年9月18日(月・祝)〜10月1日(日)までソニーストア銀座で開催された「αcafe CHOICE作品写真展」では、年間を通して総数 10,000票を超えるbravo!の投票で選ばれた大賞とノミネート作品、全12作品を展示。期間中にあたる9月23日(祝)には、年間大賞を受賞したNacoさん、ノミネートされたbushiさん、RC Fさんの3名を招いてのトークショーが行われました。
【αcafe CHOICE作品年間大賞とは】 「αcafe」では事務局が選んだおすすめの作品を「αcafe CHOICE」としてトップページにて日替わりで紹介。各月のCHOICE作品の中でもっとも多くのbravo!を獲得した作品をノミネートし、ノミネート作品の中から改めて多くの投票を獲得した作品がαCafe CHOICE作品年間大賞を受賞する。 https://acafe.msc.sony.jp/info/2022choice/campaign/guidelines/index.html
――本日は年間大賞を受賞したNacoさん、ノミネートされたbushiさん、RC Fさんにお越しいただきました。それぞれ大賞、ノミネートの作品について、見どころや撮影でのこだわり、設定や裏話などをお聞きしたいと思います。まずはbushiさんからお話を聞いていきたいと思うのですが、タイトルは『富士山を跨ぐ天の川』ですね。
bushi:3月から4月頭くらいに朝霧高原で撮った作品です。このように星空を撮る時にはいくつかの条件があります。まずは天候。とにかく雲があると撮影できないので雲がない日を選びます。あとは月が出ていないこと。星は光が弱いので、月の光があるときれいに写りません。そして、地球は自転や公転をしているので、この風景は3月4月くらいにしか見ることができないわけです。この条件が重なった時を狙って撮った1枚になります。見ていただくと縦横比が普通の写真と違うことがわかるかと思いますが、実はこれ、写真を縦構図で少しずつずらしながら8〜9枚撮影して合成した作品なんです。ですから合成することを念頭に入れて撮影し、合成により完成させた1枚になります。
――位置合わせや、繋ぎ目がわからないようにするには苦心したのではありませんか? bushi:そうですね。実は1年前にも同じ場所に行って同じように撮影したのですが、家に帰って作業したら全然繋がらなくて。繋がっても繋ぎ目が目立ってしまったので、どうしたらうまくいくかな、と考えながら1年を過ごし、やっと撮ることができました。うまく撮るコツは、ずらしていく時に重なりを3分の1くらいにすることです。もう一つはカメラを据える三脚の軸がずれないように気をつけること。回転していくうちに軸がずれてしまうことがあるので、その部分に気をつけながら撮影しました。
――写真には道路も写っていますが、近くに建物や駐車場がある場所ではないんですね。 bushi:そうですね。事前にマップを見て、安全に車を停められて撮影できそうな場所がないか探して、見つけた場所です。
――富士山周辺は街明かりが強いと思うのですが、撮影時に気をつけたことはありますか? bushi:たしかに街明かりがある場所もあります。ただこの場所は街灯もない。そのあたりもマップで事前に調べて、街明かりが少なそうなところを選びました。おそらく街明かりは入ってしまうだろうと思いつつ撮影しましたが、意外と入らずにうまく撮ることができました。
――季節的に3月4月でないと撮れないというお話がありましたが、その理由を教えていただけますか? bushi:時期によって見え方が変わるんです。3月4月くらいはこの作品のように少し寝たような形で、天の川の一番濃い派手な部分が斜めに見えます。これが夏になってくるとだんだん立ってきて、縦の天の川になります。そうするとアーチ状に撮れないので、アーチ状を撮るためにこの時期を狙いました。
――次はRC Fさんにお話を聞いていきたいと思います。タイトルは『白川郷の銀世界』ですが、岐阜県の白川郷で何月に撮影した作品ですか?
RC F:1月23日、この日は今シーズンで一番雪が積もったのではないかとホテルのオーナーさんから聞きました。そのくらい豪雪の時に撮影したものです。白川郷にはライトアップイベントがあるのですが、展望台はチケット制になっていて、抽選で当たっていたんです。でも10日ほど前にコロナ感染予防のため中止、という連絡がきました。ですからライトアップはしていないのですが、展望台まで行って撮影した1枚になります。夕暮れ時から、ライトが点灯したところを撮ろうと思って、ホワイトバランスを少し変えて撮影しました。冬なので少し温かみを入れながら、青っぽい方向に調整しています。展望台に着いた時はまだ雪は降っていませんでしたが、帰り際に少し雪が降ってきたのでストロボを使って撮影。雪の玉ぼけを入れながらの白川郷を撮ることができました。αcafeにはあと4枚ほどここから撮影した写真をアップしています。パッと見は、24mmから35mmくらいの広角で撮影しているように見えますが、撮影したのは89mmなんですよ。
――この展望台は私も行ったことがありますが、広角で撮影すると余計なものが入り込んでしまうんですよね。 RC F:そうなんですよ。広角で撮ると道路の右側の現代建築が入ってきてしまうので、白川郷の画としては興ざめてしまいます。ですからいいところだけを切り取れる望遠を活用しました。
――白川郷へは車で行ったのですか? RC F:はい。公共交通機関を使うとかなり時間がかかってしまいますからね。道中は雪道の運転になるので多少疲れますが、一度は雪の白川郷を撮ってみたいと思っていたので、いい作品を撮ることができて良かったです。
――最後はNacoさんにお話をうかがいます。作品のタイトルは『美瑛の朝景』ですが、こちらは北海道の美瑛ですよね?
Naco:はい、10月14日朝6時半に撮影した、北海道の美瑛の風景です。たまたま帯広で用事があり、そのついでに秋の北海道の風景を撮り行こうと帯広から美瑛までレンタカーで200キロくらい走りました。ふだん東京では20キロくらいしか走らないので、知らない土地で200キロの移動はかなりの大冒険です。
Naco:この作品は美瑛到着の翌朝に撮影したのですが、実は2つ失敗しています。一つ目が、朝や夕方の撮影には必需品のハーフNDフィルターを持っていなかったこと。現場ではどんどん白くなっていくモニターを見ながら呆然としていました。とにかく暗くしようと絞りつつ、少しでも白飛びしないよう太陽を避けカメラを下に振りました。丘が素敵なのでアングルとしては結果オーライでしたが、この時のことを教訓としてその後ハーフNDフィルターを購入しました。 もう一つの失敗が寝坊です。朝の風景を撮るためには4時には起きなければならなかったのですが、すっかり寝坊しました。前日に写真が趣味というペンションのオーナーさんから教えて頂いたおすすめの撮影スポットを自分でマップに落とし込みましたが、どこに行くにも車で20〜30分ほどの場所。寝坊した上に車を出そうとしたらフロントガラスが凍っていて、朝の風景撮影は時間が命なのにすっかり出遅れました・・・慣れない場所は特に時間に余裕を!
――みなさん、ありがとうございました。せっかくのトークショーですから、ここからはαcafeにまつわるエピソードも聞かせていただきたいと思います。ではbushiさんからお願いします。
bushi:αcafeはさまざまな方がいろいろな写真や動画をアップできるサイトです。私自身は天の川やモータースポーツを撮ることが多いですが、このサイトでは私では目に留まらないような被写体の作品を見ることができ、そこからヒントをもらうこともあります。SNSでも見ることができるかもしれませんが、αcafeは煩わしい広告もないので集中していろいろな写真を見られるのが魅力です。
――ありがとうございます。続いてRC Fさんもお願いします。 RC F:αcafeを始めて3〜4年になりますが、いろいろと勉強になりますね。私は自分の行きたいところを見つけるのが苦手なほうなので、αcafeを見て“この季節にはどういうものを撮っているのか”、“どういう場所に行って撮影しているのか”というところを参考にさせてもらっています。あと、カメラの設定も結構勉強になりますね。おかげで自分もよく旅に出るようになりました。 自分の作品には1枚1枚コメントを書いていますが、そのコメントに対してαcafeの人たちから“この写真、カッコいいですね”とコメントをもらったりするととても励みになります。そう言ってくれるような優しい人がたくさんいる、楽しいコミュニティです。
――素敵なコメント、ありがとうございます。最後にNacoさんもお願いできますか? Naco:もともとαcafeも知らなかったのですが、たまたま晴海のターミナルで写真を撮っていたら、αでかっこよく写真を撮っている女性に出会って思わず声をかけてしまいました。そこで仲良くなって、“夜景を撮りたいんだけど1人だと怖いからサークルとかないですか?”と聞いたところ、αcafeをすすめられました。オフィシャル感がありますし、どのようなグループなのかある程度わかった上で入れるという安心感もありました。αcafeに入って世界が大きく広がったので、今ではここで出会ったみなさんにとても感謝しています。
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